うさぎの後躯麻痺という言葉を聞いたことはありますか?
実はうさぎって、腰の骨を骨折しやすい動物なんです。
そのため事故などが原因で、下半身を上手く動かせなくなったりします。
その状態を後躯麻痺と呼びます。
ちょっとしたことから、後躯麻痺に繋がってしまう恐れがあるので、うさぎを飼っている人は知識をつけておく必要があるでしょう。
そこで今回は、うさぎの後躯麻痺についてお話をしていきます。
後躯麻痺(こうくまひ)になると、どうなるの?
後躯麻痺というのは、下半身に麻痺が起こって上手く動けなくなることを言います。
原因の多くは脊髄損傷や腰骨の骨折で、治療での完治は難しい場合があります。
感染症や内臓疾患が原因の場合は、治療で歩けるようになる可能性があります。
後躯麻痺になると、後ろの両足に力が入らないので歩くことが出来なくなります。
怪我によるものだと痛みがあるので、触られるのを嫌がったりもします。
もし脊髄の損傷で膀胱も麻痺してしまった場合、自力で排泄が出来なる可能性もあります。
また、両足の痛覚まで無くなることもあります。
体を上手く動かせないため、毛づくろいが出来なくなります。
すると皮膚炎や毛玉が出来やすくなってしまいます。
排泄困難が加わると、寝たまま排泄して体が汚れてしまったりもします。
肺のうっ血や、床ずれも心配になってきます。
後躯麻痺は、全身の健康に大きな影響を及ぼします。
後躯麻痺の原因って、何?
先ほども書いた通り、いくつかの原因があります。
よくある原因について、まとめてみますね。
腰骨の骨折、脊髄損傷
原因として多くみられるのが、腰骨の骨折や脊髄の損傷です。
うさぎは出来るだけ速く走るために、後ろ足の筋肉は発達しているのですが、骨がとても軽量化されています。
そのため、骨折しやすい動物なんです。
ちょっとした事でも、骨折してしまうんですよ。
例えば、びっくりして飛び跳ねた時に体をぶつけてしまったとか、抱っこから転落したとか、爪きりの時に無理な押さえ方をしたとかでも、骨折したりします。
ブラッシングや耳掃除、爪切りは日常的なお世話なので、常に気を付けてあげましょう。
もし嫌がって逃げようとする場合、飼い主ではお世話が難しいかも知れませんよね。
その場合は、動物病院でもやってもらえるので、相談してみましょう。
うさぎは抱っこが嫌いな子が多いので、逃げようとして暴れたりもします。
抱っこをする時は立ち上がらないで、座ったまま膝に乗せるようにすると良いでしょう。
内臓疾患、感染症
骨折以外の原因では、内臓疾患や感染症が挙げられます。
- 消化管の痛み
- 低血糖
- 寄生虫
- 細菌感染
- 腎不全や肝不全などの、内臓疾患
- 子宮蓄膿症や低カルシウム血症
- 色々な中毒症状
このようなことが起こると、うさぎはぐったりとして動かなくなってしまうことでしょう。
食欲も無くなり、排泄物の量も減っていきます。
元気がなくていつもと様子が違っている場合は、動物病院に行くことをおすすめします。
後躯麻痺から起こる病気ってあるの?
後躯麻痺で下半身が動かなくなると、寝返りが出来ないので床ずれが起こりやすくなります。
皮膚に潰瘍ができて、そこに汚れが着くことで不衛生となり感染症のリスクもあります。
下半身が動かないと、排泄も寝たまますることになるので体が汚れやすいです。
グルーミングも出来なくなるので、皮膚炎になりやすいです。
排尿をしっかり出来ていないことで、腎臓に負担が掛かって腎不全や尿毒症になったりもします。
膀胱炎にも注意が必要となります。
後躯麻痺の治療法について
後躯麻痺になった場合、どんな治療をするのか気になりますよね。
もし下半身が動かしにくそうだったり、既に動かなくなっていたら急いで動物病院を受診してくださいね。
うさぎの腰の骨は折れやすいので、心当たりが無くてもいつの間にか骨折しているということもあります。
移動の時にはバスタオルでくるんで、腰に負担を掛けないようにしましょう。
それでは、原因別に治療法を書いていきますね。
骨折、脊髄損傷
痛みが強い急性期には、食欲がなくなっていたりもするので入院させて体調管理をします。
入院中は点滴や鎮痛剤、床ずれの防止、排尿介助などをして、自宅での介護に切り替えられるタイミングで退院となります。
退院後も引き続きお世話が必要になります。
脊髄損傷が原因の場合は、治療で完治させるのは難しいです。
対症療法となることが多いでしょう。
車いすを手作りする人もいますよ。獣医さんと相談してみると良いでしょう。
内臓疾患、感染症
寄生虫を駆除したり、原因となっている病気の治療をします。
原因が無くなれば、元通り歩けるようになる可能性が高いです。
後躯麻痺を予防するにはどうしたら良い?
後躯麻痺の予防には、次のことに気を付けるようにしましょう。
- 抱っこ中に立ち上がらない
- 抱っこする時は、安定感のある抱え方をする
- 子どもや動物に慣れていない人の抱っこは、避けるか目を離さず見ている
- 爪切りやブラッシング、耳掃除中に暴れても、無理に押さえつけない。
- ビックリさせない(驚いて飛び跳ねるのを防ぐ)
うさぎの骨は折れやすいということを、常に頭に入れて行動するようにしましょう。
とにかく安全第一に接してくださいね。
爪切りなどのお世話が難しい場合には、動物病院でやってもらいましょう。
最後に
うさぎの後躯麻痺についてまとめてみましたが、いかがでしたか?
うさぎは腰の骨を骨折しやすく、それげ原因で下半身が動かなくなってしまうことがあります。
他にも、脊髄の損傷や内臓疾患、感染症などが原因となり、後躯麻痺の状態になってしまいます。
後躯麻痺になると動けなくなるので、寝たまま排泄したり、床ずれで潰瘍が出来たり、しっかり排尿が出来ずに腎臓に負担がかかったり、様々な影響が出て来ます。
飼い主さんに心当たりが無くても、思わぬことで後躯麻痺になってしまったりもします。
いつもと違った様子が見られたら、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
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