犬を飼っている人の中には、愛犬がお尻をくっつけくるという経験をしたことがある人が多いのではいでしょうか?
お尻をくっつけてきたり、お尻を向けられたり、飼い主にとっては「どうして?」と思われる行動にも、実はちゃんと理由があるんですよ。
その理由を知ると、今まで以上に愛犬が愛おしくなることでしょう。
それでは、犬がお尻をくっつけてくる理由についてお話していきますね。
犬にとって、お尻はどんな場所なの?
どうして犬が飼い主にお尻をくっつけるのか、その理由を説明する前に、犬にとってお尻がどんな場所なのかを説明しておきますね。
犬にとって、お尻ってとても重要な意味を持つ場所なんです。
お尻のニオイには、その犬の個人情報がビッシリ詰め込まれています。
犬同士でお尻のニオイを嗅ぎ合うのは、相手の情報をゲットしているのです。
相手が誰なのか、どういう状態にあるのか、お尻から分かる情報がたくさんあります。
また、お尻は弱点でもあります。
目の届かない場所ですから隙が出来ますし、攻撃を受けた時に防御しにくいのです。
ですから、警戒している相手にはお尻を向けることはありません。
愛犬がお尻を向けているということは、飼い主さんが信頼されているということなんです。
犬は、お尻を撫でられると喜びます。
お尻を撫でられると気持ちいいので、「もっと撫でて」という意味でお尻を近づけてくることもあります。
これも、飼い主さんとの信頼関係があるから見せる行動です。
このように、大事な場所や弱点である場所を見せられるというのは、相手を信頼しているからです。
愛犬がお尻をくっつけたり、向けたりしてきたら、自分を信頼してくれていると思ってOKですよ。
ただ、遠くの方でお尻を向けている場合は、単にのんびりくつろいでいるだけです。
お尻を触ると嫌がる理由について
愛犬のお尻を触ろうとしたら、嫌がられたり怒られたりしたことはありませんか?
もしかしたら、何か健康面で問題がある可能性もあります。
考えられることをまとめてみましたので、よく観察してみましょう。
痛い
お尻だけでなく、腰や後ろ足やお腹など、お尻周辺に何らかの痛みがある可能性があります。
歩き方はおかしくないか、姿勢に違和感がないか、チェックしてみてください。
いつもと違う様子が見られたら、動物病院を受診することをおすすめします。
怖がっている
警戒心が強く、神経質な性格なのかも知れません。
信頼関係が出来るまでは、無理にお尻を向けさせたりしないようにしましょう。
犬の警戒心がなくなれば、自然とお尻を向けてくれるようになります。
お尻を触られるのがイヤ
ただ単に、お尻を触られたくないだけかも知れません。
中には、お尻を撫でられても気持ちいいと感じない犬もいるようです。
そのような犬は、他の行動で飼い主への信頼を示していることでしょう。
その場合は、お尻を向けてくれなくても「信頼されていない」と気にすることはありません。
愛犬に信頼されるには、どうしたらいいの?
「信頼している相手にはお尻を向ける」と書きましたが、ではどうやったら信頼して貰えるのでしょうか?
まずは、犬について知ることが大切です。
犬の習性や行動について知っておくと、理解が深まります。
そして、犬にとってストレスの無い生活環境を作ってあげます。
そのためには、次の5つの自由を守ってあげましょう。
- 飢えと渇きからの自由
- 不快からの自由
- 痛み、障害、病気からの自由
- 恐怖や抑圧からの自由
- 自然に行動できる自由
これらの自由が守られていないと、犬は大きなストレスを感じます。
どれも健康に暮らしていく上で大切なことなので、常に頭に入れておきたいですね。
また、犬に対して気分で接しないことも大切です。
その日によって言うことや態度が違っていると、犬は混乱します。
同じ行動をしても、怒られる日とそうでない日があると、犬はどうして良いのか分からなくなります。
指示する時の言葉を統一するなどしておくのも、分かりやすくて良いですね。
トレーニングを通じて信頼関係が深まったりもします。
一緒に何かをやり遂げると、犬は飼い主と行動する事が楽しくなります。
おすわり、ふせ、などの簡単なことから始めればOKですよ。
お尻を触られるのを嫌がる時、どんな病気の可能性があるの?
お尻を触られるのを嫌がる場合、考えられる病気がいくつかあります。
お尻の異常は放置せず、気になる事があったら動物病院を受診することをおすすめします。
肛門腺炎
肛門付近にある肛門嚢の中身が上手く排出されずに、溜まり過ぎてしまうことがあります。
すると炎症を起こして痛みが出るので、お尻を触ろうとすると嫌がります。
脊椎疾患
腰に痛みがあるようなら、椎間板ヘルニアなどの脊椎の疾患かも知れません。
この場合も痛みがあるので、お尻を触られると怒ったりします。
股関節疾患
脱臼や形成不全など、股関節に関する疾患があると、炎症による痛みで触られるのを嫌がる場合があります。
この場合は、後ろ足がフラフラしていたり、立ち上がりにくそうにしたり、散歩に行きたがらなくなったりします。
いつもと違う様子が無いか、よくチェックしてみてください。
膝蓋骨脱臼
後ろ足の膝のお皿が、ズレてしまうことがあります。
内股で歩いていたり、後ろ足を伸ばしていたら、この可能性が高いです。
腫瘍や怪我
腫瘍が怪我による痛みで、触られたくないのかも知れません。
赤い腫れはないか、脱毛はないか、チェックしてみましょう。
腫瘍が悪性かどうかは病院に行かないと分からないので、気になる場合は受診することをおすすめします。
胃腸炎、膀胱炎
内臓に異常があり、お腹が痛い時もお尻を触られるのを嫌がったりします。
食欲がなかったり、よだれを垂らしたり、胃液を吐いたりしていたら胃腸炎の可能性があります。
トイレの回数が多くなったり、トイレで痛そうな鳴き声をあげていたら、膀胱炎の可能性があります。
早めに受診することをおすすめします。
最後に
愛犬がお尻をくっつけてくる理由についてお話しましたが、いかがでしたか?
犬にとってお尻は、大切な情報源です。
自分の情報を相手に渡したり、逆に受け取ったりしているのです。
そんな大切な場所ですから、信頼出来る相手じゃないとくっつけたりはしません。
愛犬がお尻をくっつけてくるのは、飼い主さんとの信頼関係が築けているということです。
ただ、犬によっては他の方法で信頼を示す場合もあります。
そのような場合は、お尻をくっつけてくれないからと落ち込まなくても大丈夫です。
お尻を触ろうとしたら嫌がる場合は、病気の可能性もあります。
考えられる病気を挙げてみましたので、気になる事があったら早めに受診してみてくださいね。
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