昔はよく「犬に鳥の骨をあげたらダメ!」という話を聞きました。
私も子供の頃に飼っていた犬に、鳥の骨をあげたことはありません。
ところが近年、鳥の骨には栄養がたくさん含まれているから与えても良さそう、という意見が出ています。
鳥の骨を与えるのは良いのか悪いのか、どっちかよく分からなくなっている人も多いことでしょう。
そこで今回は、鳥の骨の栄養は犬にとって良いものなのか、鳥の骨を食べるとどんな危険があるのか、まとめてみました。
鳥の骨は、犬が食べても大丈夫なの?
鳥の骨を犬に与えちゃだめだというのは、昔から言われていたことです。
きっと多くの人が、そう思いこんでいると思います。
ですが最近では、鳥の骨を犬に与えても良いという話も耳にします。
一体どっちが本当なのか、混乱してしまいますよね。
実はこれ、どちらも嘘ではありません。
犬に鳥の骨を与える際には、メリットがあると同時に危険もあるということです。
それでは、具体的に説明していきますね。
鳥の骨を与えるメリットについて
鳥の骨には、犬が必要とする栄養がバランス良く含まれています。
その内容は、タンパク質、カルシウム、鉄、コンドロイチン、コラーゲン、アミノ酸などで、ドッグフードには無い「酵素」の摂取も可能です。
このように、鳥肉の成分としては与えても何の問題もありません。
栄養満点で、犬の健康には良い食材だと言えるでしょう。
関節に効果的な成分も多いので、関節関連のトラブルの予防にもなりそうですね。
鳥の骨はとても固いので、ちゃんと消化できるのか不安だと思う飼い主さんもいることでしょう。
この点も心配しなくて大丈夫です。
イヌは人間との暮らしが長く雑食になりましたが、元々は肉食動物です。
そのため犬の消化管は短く出来ていて、胃液も協力です。
短時間で素早く溶かす消化することが出来るんです。
鳥の骨が胃に入ってから、1~2時間くらいで消化出来ることでしょう。
加熱された骨は溶けやすくなっているので、もっと消化が早まります。
また、固い物を噛むことで歯のケアにも役立ちます。
植物酵素の働きで、歯石や歯垢が分解されます。
歯周病の予防にもなって、歯磨きをしなくてもきれいな歯でいられるんです。
顎も丈夫になり、良いことがいっぱいあります。
鳥肉を与える危険性について
犬にとって、必要な栄養素がたっぷり詰まった鳥の骨。
そして酵素も摂取出来ると聞いたら、早速愛犬に与えてみたくなりますよね。
でもちょっと待ってください。
栄誉的にはバッチリですが、危険なこともあるんです。
先ほど、加熱した骨は消化が良くなると書きましたが、加熱することによって骨が縦に割れやすくなります。
骨が縦に割れると、鋭く尖った形になるので喉や消化器官を傷つけることがあります。
この状態の骨を与えると、昔から言われているように「鳥の骨は喉に刺さって危ない」ということになります。
油で揚げて崩れるほど加熱すれば、刺さるリスクは減るでしょう。
ですが油の摂り過ぎになってしまうので、フライドチキンなどを与えるのはおすすめ出来ません。
加熱すると縦に割れて危険と書きましたが、加熱しないで生のまま与える場合も危険はあります。
それは食中毒です。
犬も、生肉を食べて食中毒になることはあるんです。
買ってきたら冷蔵保存をして、早めに与えるようにしましょう。
ちなみに鳥肉は、加熱してから与えてくださいね。
食中毒や感染症の危険が高いからです。
消化器官に骨が刺さったら、どうなっちゃうの?
飲みこんだ鳥の骨が、消化器官に刺さった場合どうなってしまうか心配ですよね。
飲みこんですぐ、喉に刺さった場合は必死に吐き出そうとする様子が見られます。
胃や腸に刺されば、便に異常が現れます。
血便のほか、白や黒の便が出たり、下痢を引き起こしたりします。
これらの症状が無くても、骨を食べた後に元気が無かったらどこかに刺さっているのかも知れません。
あまり見られませんが、腹膜炎や腸閉塞を起こすこともあります。
腸に刺さらなくても、食べ慣れないものを食べたせいで下痢になることもあります。
ドッグフードしか食べたことが無ければ、いきなり鳥の骨を食べた時に上手に消化出来ないかも知れません。
消化不良を起こす可能性があるので、まずは軟骨から与えてみると良いかも知れません。
もし鳥の骨を食べちゃったら、どうしたら良いの?
与えるつもりがなかったのに、犬が鳥の骨を食べてしまった場合はどうしたら良いでしょうか?
その時は、まずは落ち着いて状況確認です。
食べた時間(大体でOK)、どんな骨を食べたか(生か加熱済か、大きさなど)、食べた量、噛んだのか丸飲みしたのか、これらについて確認しましょう。
同時に犬の様子も見ていてくださいね。
そして、下痢または便秘、嘔吐、何かを吐き出そうとしている、苦しそう、食欲不振、元気が無いなどの症状が見られたら、どこかに骨が刺さっている可能性があります。
この症状は、食べた直後に出るとは限りません。
数日してから異変が見られることもあります。
その日一日を無事に過ごしたとしても、その後数日はよく観察をしてあげてくださいね。
もし気になる症状があったら、動物病院を受診してください。
レントゲンで確認して貰えますし、刺さった骨は内視鏡で取ることも出来ます。
消化不良なら、それに効く薬もあります。
どうやって骨を与えたら良いの?
骨を与える時には、出来るだけ安全に与えたいですよね。
そこで、与え方をまとめてみました。
- 最初は少しずつ与えて様子を見る。
- 生でも加熱しても、骨は細かくカットして与える。
- 小型犬の場合、大きい骨で顎を傷める可能性あり。軟骨が安全。
最後に
犬に鳥の骨を与えるのは危険かどうかについて、詳しく説明しましたがいかがでしたか?
鳥の骨には犬に必要な栄養がたっぷり含まれているので、成分的には何の問題もありません。
ただ、骨が固いので丸飲みして喉に詰まらせたり、加熱して縦に割れやすい状態の骨を食べて内臓に刺さってしまったり、食べ過ぎによる消化不良など、色々なリスクがあります。
今の時代はドッグフードでバランスの良い食生活が維持出来るので、鳥肉は無理に食べさせるような食材ではありません。歯のケアに関するグッズも、色々販売されています。
もしどうしても与えてみたい場合は、細かくカットしてあげてくださいね。
そして食べている間や食後も、注意深く様子を見守ってあげましょう。
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