ホオズキは日本で古くから親しまれてきている植物で、東京浅草寺の「ほおずき市」は全国的にも有名ですよね。
花よりも実の方が目立ち、真っ赤な可愛らしい実とグリーンの葉とのコントラストが美しいです。
食用になる品種もあり、初心者にも育てやすいことから人気が高いんですよ。
赤い風船のような実が枯れる時、筋だけを残した状態になる事があります。
これは透かしホオズキと言いますが、自分で作る事も出来ます。
今回は、ホオズキの特徴と栽培方法、透かしホオズキの作り方について紹介していきたいと思います。
ホオズキって、どんな植物なの?
ナス科ホオズキ属に分類される、多年草です。
漢字では「鬼灯」と書きます。
東南アジアが原産地で、草丈は30~100cmくらいです。
耐寒性も耐暑性も強く、初心者さんにも育てやすい植物です。
ホオズキの花は白やクリーム色で、6~8月に開花します。
提灯のような特徴的な実は、7~9月に赤く色づきます。
実は袋の部分はガクが大きく育ったもので、その中にあるトマトのような丸いものが実なんです。
ホオズキは薬草として利用されてきた歴史があり、腹痛や胸の痛み、子どものひきつけなどに効果的だと言われていたようです。中国でも、ホオズキの根を生薬として利用しています。
ヨーロッパで人気の食用ホオズキには、ビタミンBが豊富に含まれていて脂肪が溜まりにくくする働きがあるそうです。
そんなホオズキですが、子宮を収縮させる働きもあるので妊婦さんは要注意です。
江戸時代には堕胎剤にもされていたほどで、妊娠中に摂取すると流産する可能性があります。
日本でのホオズキの歴史は古く、なんと古事記や源氏物語にも登場しているんです。
元々は東南アジアの植物とのことですが、かなり古くに日本に伝わっていたようですね。
浅草寺の「ほおずき市」は江戸時代から始まったということからも、日本人に愛され続けてきた植物だと分かりますね。
ホオズキにはどんな種類があるの?
実はホオズキには、いくつもの種類があるんです。
北半球に広く分布している植物で、80~100種類ほどあると言われています。
その中からいくつか紹介していきますね。
サンズンホオズキ(観賞用)
15~20cmくらいのコンパクトサイズの品種なので、この名前が付けられました。
場所を取らないので、鉢植えで気軽に育てられるのが魅力です。
小さいのにたくさんの実を付けます。
タンバホオズキ(観賞用)
草丈100cmくらいで、実も大きめです。
切り花に使われることが多く、人気のある品種です。
センナリホオズキ(観賞用)
名前の通り、たくさんの実を付けるのが特徴です。
実の色が黄色いです。
シマホオズキ(食用)
ゴールデンベリーホオズキとも呼ばれます。
草丈90~120cmと大きく生長します。
美容に効果的とされる実は、淡い黄色をしています。
ショクヨウホオズキ(食用)
ストロベリートマトとも呼ばれます。
アメリカ原産で、淡い褐色の実はベリー系の味がします。
オオブドウホオズキ(食用)
トマティーヨとも呼ばれます。
南米原産で、メキシコ料理に使われています。
実の色は緑色で、トマトのような味がします。
ホオズキ栽培のポイント
丈夫で育てやすいホオズキは、見た目も可愛らしくて初心者さんにもおすすめですよ。
苗を購入して育てれば一層簡単ですが、出回る数が少ないようです。
発芽率が良いので、初心者さんも種から育ててみると良いでしょう。
丈夫な植物とはいえ、いくつかポイントがあるのでまとめてみました。
種まき方法
直まきでも大丈夫ですが、育苗用の容器で育てると管理がしやすいです。
小粒の赤玉土に2~3粒ずつ蒔きます。間隔は5cmくらいです。
薄く土をかぶせたら、明るい日陰で管理します。
水やりをして、乾燥させないようにしましょう。
20日くらいで発芽するので、適当に間引いて本葉が4~5枚になるまで育てます。
育てる場所
日当りと水はけが良い場所を好みます。
ナス科の植物なので、連作障害が出やすいです。
トマトやナスのような野菜だけでなく、ペチュニアやカリプラコアなどもナス科です。
これらを同じ場所に繰り返し植えないように、気を付けましょう。
用土
市販の花草用培養土を使えば良いでしょう。
地植えの場合は、酸性やアルカリ性が極端でなければ大丈夫です。
あまり人の手が入っていない場所は酸性になっているので、苦土石灰で中性に近づけましょう。
それから2週間くらいしたら、腐葉土や堆肥を混ぜ込みます。
植え付けるのは、更に1週間経ってからです。
肥料
鉢植えの場合は、4~7月まで緩効性化成肥料を置き肥しましょう。
地植えでしたら、元肥で緩効性化成肥料を混ぜておきましょう。
そして4月に追肥として緩効性化成肥料を置き肥します。
透かしホオズキの作り方
透かしホオズキというのは、葉脈以外が無くなり中の実が丸見えになった状態です。
まるでレースのようにも見えて、とても涼し気です。
自然に出来るのを待つのも良いですが、これは自分でも作れるんですよ。
それでは、その作り方を紹介しますね。
用意するもの
新鮮なホオズキの実、ホオズキを浸ける容器、水
まず、用意した容器に水とホオズキを入れます。
ホオズキの実が完全に浸るくらい、水を入れて下さいね。
空気に触れていると、そこだけ黒っぽくなることがあります。
10日くらいしたら、ホオズキが腐ってきます。
水の臭いが気になってきたら、ラップをしておくと良いです。
水が濁ってきたら、ホオズキを取り出してみましょう。
葉脈だけが残っていると思います。
最後に柔らかめの歯ブラシで優しく洗えば、完成です。
手順はとても簡単ですが、最後に洗い流す時に注意が必要です。
流水で洗うと葉脈が破れてしまうかも知れないので、ボウルなどに水を張って洗うと良いでしょう。
歯ブラシを使う時は軽く叩くように、出来る限り優しく洗いましょう。
最後に
ホオズキの特徴と栽培方法、透かしホオズキの作り方を紹介しましたが、いかがでしたか?
浅草寺の「ほおずき市」は、江戸時代から続く人気のお祭りです。
提灯のような実が可愛らしく、育て方も簡単なので初心者さんにおすすめですよ。
種からでも育てやすいので、挑戦してみてくださいね。
ホオズキには観賞用と食用の品種があるので、自分がどんなホオズキが欲しいのか考えてから選ぶと良いでしょう。
素敵なインテリアにもなる「透かしホオズキ」の作り方も載せたので、是非作ってみてくださいね。
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