日本の国家である桜は、古くから日本人にとって馴染みの深い花ですよね。
一斉に咲いて一斉に散っていく姿に、美しさと儚さを感じます。
日本各地に桜の名所があり、春にはお花見で大変賑わいます。
そんな桜を、自宅の庭で咲かせてみたいと思いませんか?
実は桜は鉢植えでも育てられ、小さな鉢で盆栽として育てている人も多いんです。
今回は、桜の特徴と品種、自宅で育てる際のポイントについてお話をしていきます。
桜って、どんな植物なの?
バラ科サクラ属に分類される、落葉広葉樹です。
桜は日本だけでなく、中国、アメリカ、ヨーロッパなど、北半球の温帯に自生しています。
300以上もの品種が作り出されてきましたが、日本で一番たくさん植えられているのは「ソメイヨシノ」です。
品種によって花の形や色が違っており、八重咲きの桜も存在しています。
英語ではCherry blossomと言いますが、最近ではSakuraと呼ばれることも増えているようです。
桜の実は世界各地で食用とされていて、日本では花も食べています。
桜の樹を見ていると、よくアリが歩いていませんか?
桜は葉の付け根から蜜を出して、アリを呼び寄せているんです。
アリが集まるお蔭で、毛虫がたくさん発生するのを抑えられるというわけです。
桜の代表的な品種って何?
先ほど桜の品種がたくさんあると書きましたが、その中から代表的なものをいくつか紹介したいと思います。
ソメイヨシノ
3~4月に開花、落葉高木樹。
一番良く知られている桜で、江戸時代から園芸品種として栽培されています。
オオシマザクラとエドヒガンの交配で誕生したそうです。
日本固有の桜で、淡いピンクで咲き始め、次第に白っぽい色になっていきます。
なんと日本のソメイヨシノは全部、クローンで増やされたものだそうです。
一斉に開花するのは、そのためなんですって。
エドヒガンザクラ
3月下旬に開花、落葉高木樹。
本州、四国、九州で見られる桜で、15~25mくらいまで育ちます。
花付きがとても良いのが特徴で、品種改良の時に使われることが多いです。
ソメイヨシノも、この種を片親に持っています。
マメザクラ
3月下旬~4月上旬開花の落葉小高木or低木。
伊豆や箱根などの、丘陵地域に自生している桜です。
東京では4月上旬で花が終わりますが、自生地では5月上旬まで咲いています。
富士山の標高1500m以下でも咲いているので、フジザクラとも呼ばれています。
樹高が比較的低めで、1mに満たない樹でも花を咲かせたりします。
花の大きさも小さく、1~2cmくらいしかありません。
ヤマザクラ
4月上旬~中旬開花(東京)の落葉高木樹。
日本の桜を代表する種類で、昔の和歌にも登場したりしています。
山に自生する桜で、関東より南の地域によくあります。
桜は花が先に咲くというイメージが強いですが、ヤマザクラは花と葉が同時なのが特徴です。
桜の栽培ポイント
自宅で桜を育てれば、春に庭でお花見が楽しめちゃいますよ。
意外と栽培難易度が低いので、初心者さんも挑戦してみてくださいね。
桜はとても大きく育つので、地植えにすると大変なことになるかも。
根の張り方も広範囲に及ぶので、よく桜並木沿いのアスファルトが盛り上がっていたりしますよね。
地植えにする場合は、スペースを広く確保する必要があります。
大きくしたくないのなら、大きくならない品種を選んで鉢植えで育てましょう。
例えば旭山桜という品種なら、盆栽として育てることが可能ですよ。
ここでは、鉢植えでの栽培ポイントを紹介しますね。
栽培環境
日当りと風通しが良い場所を選びましょう。
かと言って、あまりにも風が強い場所はNGです。
土
水持ちが良い土を使います。
桜は栄養豊富な土が好きなので、自分で混ぜるなら赤玉土、黒土、鹿沼土、川砂、腐葉土などをブレンドしましょう。
鉢の底には赤玉土を敷きます。
自分で混ぜるのが大変な場合は、市販の庭木用の土を使っても良いですよ。
水やり
鉢の土の表面が乾いてから、水やりをしましょう。
底から流れ出るくらい、たっぷりと水やりをします。
植え付け後、根づくまでは特に乾燥に注意しましょう。
夏は乾きやすいので、朝と夕方に水やりをすると良いでしょう。
肥料
桜を育てるには、土の栄養分が大切です。
肥料を与える時期は、植付けた時と2~3月(落葉後)、5~6月(花のあと)です。
与える場所は、根元から離れた位置が良いです。
剪定
剪定の時には、切る位置をしっかり確認しましょう。
太い枝を切ると、花が咲かなくなってしまうことがあるからです。
また、剪定の時に切り口から菌が入って腐ってしまう可能性もあります。
剪定した切り口には、保護材を塗るようにしましょう。
桜の増やし方
自分で桜を増やすことも出来ますよ。
やり方は、次の2通りあります。
挿し木
切り取った枝を、土に挿して発根させる方法です。
種まきよりも、早く開花に辿り着けます。
時期は、2月下旬~3月中旬または6~7月が適しています。
切り取る部分は、その年に伸びた新しい枝です。
10~15cmくらいの長さでカットした枝を、挿し木用の土に挿します。
土は、菌が増殖しないように無菌のものを使います。
市販の挿し木用培養土がおすすめです。
土に挿す時は、発根剤をつけましょう。
新芽が出て来るまでは、半日陰に置いて水やりをします。
鉢に植え替えるのは、半年くらい経ってからです。
接ぎ木
2月下旬~3月中旬に、接ぎ木をして増やす方法もあります。
この場合は1月中旬~2月上旬に、10~15cmくらい枝を切っておきましょう。
切った枝を穂木と呼びますが、これを塗れた布で包んで冷蔵庫に入れておきます。
時期が来たら台木に付けます。
台木は4~5cmの位置で水平にカットして、斜めに切り込みを入れておきます。
挿穂側も斜めに切り込みを入れ、台木に差し込みます。
そして、接ぎ木用のテープで固定しましょう。
最後に
桜の特徴や品種、育て方のポイントについてお話をしましたが、いかがでしたか?
日本のソメイヨシノは、なんと全部クローンだったなんて驚きですよね。
ソメイヨシノ以外にも、桜にはとてもたくさんの品種があります。
自宅で育てるのに適した品種もあるので、コンパクトに盆栽として楽しんでいる人も多いようです。
大きくなる品種を地植えにすると、広範囲に根が張って大変なことになります。
確保出来るスペースをよく考えて、どう育てるかを決めましょう。
桜は丈夫で初心者さんも育てやすいので、是非挑戦してみてくださいね。
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