2017年11月21日に放送された「マツコの知らない世界」を見ました。
今回は、「地元パンの世界」と「護身術の世界」の2本立てでした。
その中から、「地元パンの世界」について、まとめてみました。
「護身術の世界」は、こちらをご覧下さい。
出演者・オープニング
出演者は、マツコ・デラックスさん。そして、全国500種類の地元パンを食べ歩いた女、甲斐みのりさんです。
あなたの街の、地元パンって、ご存じですか?その数、全国で2000種類以上です。あなたの街にもきっと、美味しい地元パンがあるはず。
今回は、全国500種類の地元パンを食べた、甲斐さんが、どこか懐かしくて美味しい、地元パンをご紹介します。
甲斐さんが登場すると、マツコさんは早速、出身である千葉県の地元パンがあるのが、聞き出します。
2人の後ろに並んだ棚には、たくさんの地元パンがズラリ。その中で、真ん中の列の3段目が、千葉県のコーナーだと言うと、「これ知ってる!」と、すぐさま興奮していた、マツコさんでした。
手に取ったのは、木村屋ベーカリーの『カステラパン』です。三角形のカステラと、パンが、特製ジャムをサンドしています。特に千葉感はなく、マツコさんも地元パンだとは思っていなかったと言います。
全国には、この他にもカステラパンが存在しますが、りんごとイチゴジャムの組み合わせが、千葉スタイルなのだそうです。
続いて、マツコさんが手に取ったパンは、千葉県で11店舗展開する、マロンドの佐倉店で販売している、『やぶれあんぱん』です。薄い生地に、餡が通常の4倍も入っています。
甲斐さんが、「マロンド」と言った瞬間に、「知ってる!懐かしい~」と、興奮していた、マツコさんでした。
次に、千葉県銚子市にある、山口製菓店の『サンオレ』を手に取りました。「美味しそう」と、試食することに決定して、一旦テーブルへ。
そして、そのあと目に止まった”学生調理”の文字が気になり、手に取ったのは、秋田県秋田市にある、たけや製パンの『学生調理』という名前のパンです。
学生が調理したという訳ではなく、学校の購買部で、テスト販売したところ、大人気だったため、商品化された、地元パンだと言います。コッペパンの中に、ナポリタン・キャベツサラダ・魚肉ソーセージのフライが、ぎゅうぎゅうに詰められて、これ一つで、大満足しそうです。
ということで、気になった山口製菓店の『サンオレ』を、試食してみます。
こちらのパンは、食べにくさも売りという、卵とハムにマヨネーズがかかったパンです。卵が不揃いに刻まれているので、独特の食感を味わえます。具がたっぷりなのも、魅力的です。夢中で食べるマツコさん。あっという間に、完食しました。
ローカルな魅力が満載 地元パンが生まれた理由
まずは、甲斐さんのプロフィールを、紹介しました。年齢は41歳で、エッセイストの仕事をしています。
静岡県富士宮市出身で、小学生の頃に、静岡の地元パン『のっぽパン』を、毎日食べていたそうです。
沼津市のパンデロールで販売されている、のっぽは、その名の通り、のっぽな細長いパンで、販売中止となったこともありましたが、ファンの要望で復活しました。クリームやチョコ、ストロベリー味があります。素朴な感じで、美味しそうです。
大学生で、北海道を旅した時に、全国に地元パンとあることを発見。
30歳の時に、地元パンを求め、全国を旅するようになり、これまでに500種類以上の、地元パンを食べ歩いています。
甲斐さんの、地元パンの定義というのが、戦後すぐに創業した、パン屋さんが、長年作り続けているパンのことだと言います。1つの店で多様なパンを作って、販売しているのは、日本だけの独自の文化なのだそうです。
第2時世界大戦後、学校給食制度が始まり、様々な業種の人が、パン作りに参入しました。
そんな、歴史のあるパン屋さんで作る、個性的なパンが大好きで、しかも、みんないい顔をしていると、甲斐さんが語ると、マツコさんの表情が固まります。
パッケージ込で、乙女チックな可愛いものや、紳士的なものなど、様々な表情を見せてくれると、説明しました。
意外な誕生秘話も…絶品オススメ地元パン
まず紹介したのは、福岡県久留米市の地元パン。妄想力を働かせて生まれたパン、東京堂パン国分店の『ホットドッグ』です。
もちろん、みなさんがよく知る、ホットドッグではなく、久留米市の地元パンのホットドッグは、キャベツのマヨネーズ和えと、プレスハムが挟まれた惣菜パンです。
試食したマツコさんは、「食べたことがないのに懐かしい」と、感想を述べました。
そして、この久留米のホットドッグには、誕生秘話があります。今年1月に廃業してしまった、木村屋というパン屋さんが、昭和23年に開発しました。創業者が、アメリカにホットドッグというパンがあるという、噂を聞いて、ホット→暑い、ドッグ→犬で、暑がりの犬のような、パンをイメージして、犬が暑くて、舌を出している様子を、表現していると言います。
ここで、甲斐さん流の、地元パンの楽しみ方が、紹介されました。
- 地元の牛乳と一緒に食べる
- 看板の写真を撮る
- ご主人に話しかける
この3つです。
看板の写真を撮るは、戦後すぐに創業したパン店の看板は、デザインも、職人が手がけたものが多く、味のあるいい顔をしていると話しました。
次に紹介してくれたパンは、熊本県熊本市の地元パン。無茶なリクエストから誕生した熊本名物、高岡製パン工場の『ネギパン』です。
柔らかな食感の生地に、熊本産の葉ネギを練り込んでいます。熊本の地元牛乳、らくのうマザーズの、『らくのう牛乳』と共に、食べてみます。
マツコさんは、一口食べてビックリ、パンの中には、ネギとかつお節が、ソースで味付けされ、お好み焼き風になっていました。
「初めておにぎりのツナマヨネーズを食べた時のような感覚」と、パンとかつお節も、定番になりそうと予想していました。
このパンも、誕生秘話があります。
こちらの高岡製パン工場は、高校の購買部に、パンを卸していたところ、学生からリクエストが、寄せられたと言います。それは、「ネギが食べられない友達のために、ネギが入っていると分からないパンを作って欲しい」というものでした。試行錯誤を繰り返し、細かく刻んだネギを挟んだパンが、完成しました。
結果、リクエストをくれた学生のお友達は、ネギに気づかずに、パンを完食。そして、学生から美味しいと広まって、熊本で知られるようになった、地元パンです。
3品目は、島根県出雲市の地元パンです。自然の美味しさを再現したポエティックパン、なんぽうパンの『バラパン』です。
その名の通り、バラのようにパンがくるくる巻かれたような、可愛らしい見た目です。
このパンの誕生秘話は、花が好きな職人が、バラの美しさに感動し、花びらの美しさの再現しようと、作ったのがきっかけです。繊細な美しさを表現するため、手作業でしか作れません。
販売当初は、それで間に合っていましたが、現在では1日2000個売れる日もあるそうで、かなり大変なようです。
こちらも、地元牛乳である、鳥取県東伯郡の大山乳業農協の、『白バラコーヒー』とともに、いただきます。
食べ方に迷う、バラパンですが、マツコさんはまさかの、潰して食べるというやり方でした。せっかくのバラが!
「パンがふわふわだね!」という感想の通り、薄く焼いた生地を重ねることで、美しさだけでなく、柔らかさも実現しました。
このような、目で楽しんでから食べるパンは、日本の和菓子的な、職人さんならではの発想で、美しくて、味も美味しい、いい顔の地元パンの、代表格だと、甲斐さんは話しました。しかし、牛乳は、島根と鳥取の仲があまりよくないということで、「越えられない壁を感じる」と、言っていました。
見た目でも楽しめる 珠玉のパッケージを紹介
もう一つ、甲斐さんが大切にしているのは、時代や地域性を反映したパッケージだそうです。
そう言うと、オススメパッケージの地元パンを、いくつか紹介してくれました。
広島県呉市のメロンパンというお店の『平和パン』や、鹿児島県始良市のイケダパンの『シンコム3号』など。この、シンコム3号は、昭和39年世界初の静止衛星が、打ち上げられたことに、感動して、開発されたと言います。
沖縄県うるま市の、ぐしけんの『なかよしパン』は、大きいサイズにまずビックリ。その理由は、家族みんなで、分け合って食べようという意味が込められているそうです。だから”なかよし”なんですね。
パッケージには、カエルのイラストが描かれ、創業者が、戦争から無事に「帰る」願いを、表現しています。
ここで、地元パンミステリー。長野の『牛乳パン』のパッケージは、なぜそっくりなのか?
フリップには、6店舗の牛乳パンのパッケージの写真が、並んでいますが、確かにどれも似たような、昔ながらのシンプルなデザインです。
今回は、その謎に迫るため、甲斐さんは、長野へ向かいました。
そもそも牛乳パンとは、フカフカのパンに、甘い牛乳クリームを挟んだ、地元パンです。約60年の間、長野県全域で、販売されています。
まず尋ねたのは、長野市にあるエビスパン。ご主人に聞いてみるも、残念ながら収穫はなし。聞き込みを続けるものの、なかなか情報を得られませんでした。
なぜ、乳白色の袋に、青文字で書かれているのか。なぜ、同じような男の子のイラストが、描かれているのか。
次に訪れた、若久堂のご主人に聞いてみると、小林製菓舗を教えてもらいました。
早速、牛乳パンの老舗、小林製菓舗に行ってみると、店頭には牛乳パンの、パッケージがデザインされた、Tシャツが販売されているほどの、力の入れようです。
ご主人に、話を聞いてみると、昭和30年の初め頃、パン組合が力を入れて、牛乳パンが広まっていき、それと同時に、パッケージも広まったと、教えてくれました。
当時、長野では、第一次ベビーブームの時に、子供の成長を促すため、栄養価の高い、牛乳パンが注目され、地元のパン組合が、牛乳パンを広めたそうです。ここで、一緒に広まった、白地に青文字のパッケージが、今でも受け継がれているのです。
と、ここで、ご主人から新たな情報が。袋を描いた、元祖の人を知っているというのです。
60年前にパッケージを作った方を訪ね、約130キロ離れた、木曽町のかねまるパン店へ向かいました。
紹介していただいたのは、パッケージの生みの親、大橋みさ子さん、御歳90歳です。
戦後の貧しい時代に、牛乳パンを売りたいという一心で、イラストを描いたそうです。また、イラストの男の子は、みさ子さんの一人息子で、かねまるパン店を切り盛りする、茂さん、64歳がモデルでした。
甲斐さんの長年気になっていた謎が、やっと解けて良かったですね。
作り立てをいただく 横須賀のユニーク地元パン
神奈川県横須賀市の地元パン、”もったいない”の精神から誕生した横須賀名物の、ワカフジベーカリー『ポテチパン』が、紹介されました。
こちらの、ポテチパンは、出来たてが美味しいと評判なので、マツコさんのために、スタジオに登場してくれました。
キャベツとポテトチップスをまぜ、マヨネーズと塩コショウで、味付けしたものを、挟んだパンです。
この不思議なパンが生まれたのは、約50年前のこと。大量のポテトチップスを余らせた、お菓子問屋さんが「もったいないからなにかに使えないか?」と、ワカフジベーカリーに駆け込んだのが、きっかけです。そこで、パンに挟んでみたところ、思わぬ評判になったと言います。
出来たてを食べてみると、キャベツのザクザクと、ポテトチップスのパリパリが、同時に味わえて、美味しいと話しました。
続いて、作ってから時間が経ち、しんなりしたポテチパンも、食べてみます。マツコさんは、しんなりしている方が好きなよう。味が馴染んで、風味がまろやかになって、また違う美味しさになるようでした。どちらも、食感が気になります。
最後に、甲斐さんが言いたいこととして、出したフリップには、地元パンは絶滅危機と、書いてあります。お話を聞いていると、まだまだ盛り上がっている雰囲気ですが、元々家族経営で、息子さんが継がない道を選ぶお店も、少なくないそうです。日本の貧しい時代から、食文化を支えたパンたちが、絶滅危機にあるので、パンを求めて、その土地へ行き、パンを食べることを、楽しんで欲しいと、甲斐さんはメッセージを残しました。
最後に
美味しそうなパンばかりで、お腹がすいてきました。私も地元パンを求めて、探してみたいと思いました。
今回は、「地元パンの世界」と「護身術の世界」の2本立てでした。
「護身術の世界」は、こちらをご覧下さい。