夏は多くの植物にとって、大切な生育期です。
暑くてバテそうになっても、色とりどりの花を咲かせている植物たちを見ていると元気を貰えたりしますよね。
花は見た目の美しさだけでなく、香りでも私たちを元気づけてくれますよ。
夏のガーデニングに取り入れている人もたくさんいます。
良い香りのする夏の花はたくさんありますが、今回はその中でも代表的な花を紹介していきたいと思います。
ラベンダー
シソ科ラヴァンドゥラ属に分類される、地中海沿岸やインドなどを原産地とする植物。
香りが良い夏の花と言えば、パッと思い浮かぶのがラベンダー。
今では世界中で栽培されていて、その香りは日本でもたくさんの人に愛されています。
ラベンダーの花は紫色という印象が強いですが、ピンクや白の花を咲かせる品種も存在します。
アロマテラピーの世界でもお馴染みの花で、その香りは心身に良い効果をもたらすとされています。
よく知られているのが、鎮痛作用やリラックス作用です。
マッサージオイルやポプリ、 お茶、虫よけなど、色々な使い方をされています。
月下美人
サボテン科クジャクサボテン属に分類されている、多肉植物です。
中南米原産の高温多湿を好む植物で、樹高は1~2mくらいになります。
月下美人の花は、夜にしか咲かないのでこの名前が付けられました。
私の実家でも育てていますが、純白の大きな花はとても美しくて一晩で萎れてしまうのが勿体ないくらいです。
花を咲かせるには大きく育てる必要があり、それだけに咲いた時の喜びも大きいのです。
そして、部屋中に広がる強い芳香も魅力的です。
強いといっても、ツーンとするような香りではなく、上品で優しい香りなんですよ。
夏の暑さには強いですが、耐寒性が無いので冬は室内に入れる必要があります。
ヤコウボク
ナス科キチョウジ属に分類される、半耐寒性の樹木です。
夜に花を咲かせることから、漢字では夜香木と書きます。
ナイトジャスミンとも呼ばれていて、甘い香りが人気を集めています。
昼間は花を閉じていますが、夜になるとまた開いて香りを放ちます。
暑さに強いので日本の夏でも育てられますが、寒さには弱いので鉢植えにして冬は室内に入れましょう。
暖地なら地植えでも大丈夫ですが、霜には当てないように注意しましょう。
クチナシ
アカネ科クチナシ属に分類される、三大香木の一つです。
沈丁花や金木犀と並び、香りが良い花で知られています。
ガーデニアとも呼ばれていて、日本にも自生している植物です。
初夏に開花し甘い芳香を放ちます。
この香りはとても人気で、シャネルなども香水を出しています。
クチナシの実は生薬として有名で、精神安定、止血、利尿作用、疲労回復など色々な効果があります。
この実から作られた染料は、なんと平安時代から使われていたそうです。
たくあんや栗きんとんなど、現代人にも馴染みのある植物ですよね。
テイカカズラ
キョウチクトウ科テイカカズラ属に分類される、常緑低木です。
漢字では定家葛と書きますが、これは藤原定家が死後にテイカカズラとなり、愛した女性のお墓に絡みつくという派内から来ています。ちょっと怖いですね。
そんなテイカカズラですが、花が咲くと甘い香りがしてきます。
花の色はキョウチクトウに似た小さく白い花で、クリーム色に変化していきます。
付着根によって壁を這いあがるので、緑のカーテンに使われたりもします。
テイカカズラは、全体に毒を持っているので注意が必要です。
漢方で使われることもありますが、食べると嘔吐や麻痺を引き起こすので、絶対に口にしないでくださいね。
アメリカチョウセンアサガオ
ナス科チョウセンアサガオ属に分類される、有毒植物です。
ダチュラと呼ばれることもあります。
アメリカとかチョウセンとか、ややこしい名前をしていますが、チョウセンは地名を表しているのではなく「海外から入って来た」という意味で使われています。
花は大きく綺麗で甘い香りがあり、直径が10cm以上もあります。
アサガオに似た花を咲かせますが、こちらはナス科でアサガオとは別の分類をされています。
毒を持つ植物で、呼吸困難、瞳孔散大、痙攣などを引き起こします。
蕾がオクラ、種がゴマ、根っこはゴボウに似ているので、間違えて食べてしまったという中毒報告も多いです。
チョウジ
フトモモ科フトモモ属に分類される、常緑小高木です。
インドネシア原産の樹木で、樹高は8~12mにもなります。
香辛料として有名ですが、生薬としても使われています。
開花時期は7~9月で、赤い花を咲かせます。
チョウジは開花する前の蕾に、スパイシーな香りがあります。
寒さに弱い植物なので、日本では冬の屋外栽培は難しいでしょう。
寒くなったら室内に入れますが、室温は10℃以上をキープするようにします。
温室があれば、温室で栽培すると良いでしょう。
モッコク
ツバキ科モッコク属に分類される、常緑高木です。
マツやモチノキと同じく、「庭木の王」と言われている木です。
また、江戸五木(江戸時代に人気があった木)の一つでもあります。
丈夫で手間が掛らず、冬でも緑が絶えないということで今でも大人気の庭木なんです。
モッコクの花は6~7月に咲き、とても良い香りを放ちます。
花の後に出来る丸い実は、秋になると真っ赤になり可愛らしいです。
野鳥が好きな実でもあるので、庭に鳥を呼びたい人におすすめです。
メジロやアカハラ、ツグミなどが寄って来るかも知れません。
放っておいても樹形が整うんですが、樹高が6mくらいになるので定期的に剪定をした方が良いでしょう。
剪定をする事で風通しが良くなり、害虫も寄りつきにくくなります。
最後に
夏に咲く香りの良い花を紹介しましたが、いかがでしたか?
ラベンダーのような低い草丈のものから高木樹まで、よく知られている植物を集めてみました。
人によって好きな香りは違うと思いますが、今回紹介したのはたくさんの人に愛され続けている花ばかりです。
中には日本の冬が苦手な植物もありますが、温室があったら是非育ててみてくださいね。
素敵な香りに癒されながら、暑い夏を乗り切りましょう。
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