アメリカンスタッフォードテリアは、アメリカで人気の犬種です。
筋肉質な中型犬で、闘犬としての歴史もあります。
頭が良くて飼い主に従順なアメリカンスタッフォードテリアですが、何かの拍子に攻撃性が出てしまうと大変なことになります。
そのため飼育する場合は、きちんとしつけをしなくてはいけません。
どんな性格なのか、特徴を把握した上で飼育を考えましょう。
そこでここでは、アメリカンスタッフォードテリアの歴史や特徴についてまとめてみました。
アメリカンスタッフォードテリアの歴史
アメリカンスタッフォードテリアの歴史と深い関係にあるのが、世界最強の闘犬と言われるアメリカンピットブルテリアです。
どちらも見た目がそっくりなので、素人では見分けるのが難しいです。
どうしてそんなにそっくりなのかは、歴史を見てみるとよく分かります。
18世紀のイギリスでは、闘犬が盛んに行われていました。
犬を牛や熊と闘わせて、見世物にして楽しんでいたのです。
当時はブルドッグが主流でしたが、もっと強い犬を作りだそうとして改良が続けられていました。
その時に作られたのがスタッフォードシャーブルテリアで、アメリカンスタッフォードシャーテリアとアメリカンピットブルテリアの祖先となる犬です。
頭が良くて勇敢な性格から、番犬や家庭犬として高い評価を得ていました。
その後、スタッフォードシャーブルテリアはアメリカに渡ります。
そこで更に改良され、大きく強い闘犬が誕生しました。
それがアメリカンスタッフォードシャーテリアと、アメリカンスタッフォードシャーブルテリアです。
19世紀に闘犬が禁止されたのを境に、闘犬は裏で作り出されるようになりました。
そしてアメリカンスタッフォードシャーブルテリアは、本来の賢くて優れた番犬という性質から大きく離れ、攻撃性が高く凶暴な犬へと作り変えられていきます。
この、攻撃性が高くて凶暴な闘犬をアメリカンピットブルテリアと呼ぶようになり、本来の性格のままの犬をアメリカンスタッフォードシャーテリアと呼ぶようになりました。
アメリカンスタッフォードシャーテリアの方は、現在では穏やかな性格となりペットとして飼育出来るようになっています。
アメリカンピットブルの方は現在でも強く攻撃性のある性質のまま繁殖が続けられており、FCI(世界畜犬連盟)やAKC(アメリカンケネルクラブ)など様々な機関から犬種として認められていません。
アメリカンスタッフォードシャーテリアの身体的特徴
体高・・・オス46~48cm、メス43~46cm
体重・・・オス25~32cm、メス18~25kg
イギリス原産の中型犬で、寿命は12~16年くらいです。
短毛で筋肉質なので、見るからにガッチリとした体つきをしています。
丸い頭に短めのマズル、大きな口が特徴です。
垂れ耳や巻き耳の犬ですが、断耳される場合もあります。
尻尾は垂れていて、足の長さは普通です。
重心が低いので、素早く動き回ることが出来ます。
毛色は、レッドブリンドル、タイガーブリンドル、ブルーブリンドルなど何種類もあります。
どんな性格なの?
アメリカンスタッフォードシャーテリアは、飼い主への服従心がとても強いです。
闘っている時でも、飼い主の声で止めることが出来ます。
闘犬がもつ攻撃性や凶暴性を取り除いて繁殖されてきたとは言え、元々は闘犬です。
何かの拍子に攻撃的になってしまうこともあります。
家族に対しては愛情深く接してくれますが、よその人や犬には攻撃性を見せたりもします。
大きなトラブルに繋がるので、飼い主はしっかりしつけをしなくてはいけません。
飼育のポイントについて
筋肉質で体力のある犬なので、毎日たっぷりと散歩をさせてあげましょう。
1日に1時間は歩くようにします。
飼い主さんと過ごすのが大好きですから、一緒に遊べる運動を考えてみると良いでしょう。
ただし、攻撃性を引き出すような遊びは控えるようにします。
しつけは、子犬の頃からしっかりとしていきましょう。
トレーニングをするためには、犬との信頼関係が重要になります。
普段から愛情深く接する必要がありますが、甘やかしとは区別しましょう。
服従心が強いですから、しつけをすればとても飼い易くなります。
犬のしつけは、力で押さえつけるのではなく、褒めて育てていくのが基本です。
また社会性を身に付けるために、よその人や犬と接する時間を設けるのも大切です。
ドッグランやしつけ教室にはたくさんの犬が集まるので、そういった場を利用するのも良いでしょう。
どんなタイミングで攻撃性が出てしまうか分からないので、他の犬と遊んでいる時は、絶対に目を離さないでくださいね。
お手入れはブラッシングやシャンプーをするのですが、短毛なので楽です。
ブラッシングは、週に1回くらいで大丈夫でしょう。
ブラッシングは汚れを取るだけでなく、血行が良くなったり、健康な被毛をキープするのに役立ちます。
かかりやすい病気について
遺伝的に、股関節形成不全や緑内障などになりやすいようです。
腫瘍が出来やすい犬種でもあります。
闘犬として作り出された歴史があることから、多少の痛みは我慢してしまうようです。
そのため、ケガや病気に気付くのが遅くなる傾向にあります。
日々の生活の中で、健康観察をしてあげるようにしましょう。
最後に
アメリカンスタッフォードシャーテリアについて、歴史や特徴、飼育ポイントについてお話しました。
アメリカンスタッフォードテリアは闘犬としての悲しい歴史を持っています。
見た目がそっくりな犬に、アメリカンピットブルという犬がいます。
どちらも元々は同じ犬種ですが、穏やかな性格を引き出して家庭で飼育しやすいようにしたのがアメリカンスタッフォードテリアで、闘犬としての気質を残したまま繁殖されているのがアメリカンピットブルです。
アメリカンピットブルの方は、多くの団体から犬種として認められていません。
アメリカンスタッフォードテリアは飼い主に従順とは言え、元々闘犬です。
何かの拍子に攻撃性が出てしまうことがあるので、子犬の頃からきちんとしつけをしなくてはいけません。
また、体力がある犬なので、散歩も毎日1時間以上する必要があります。
飼育を考えている場合は、自分にそれが出来るかどうかじっくり考えてみてくださいね。
コメント