妊娠中のマイナートラブルで、つわりや腰痛の他によくみられるのが逆子です。
今回は、その悩ましい逆子をお灸で改善することができるというお話しです。
逆子とお灸
逆子(骨盤位)は、そのままにしておくと経腟分娩が困難になってしまうケースもあり、治せるものなら治したいと思っている方が大半だと思います。
体操やマッサージなどがありますが、今回は体に負担をかけずに行うことができるお灸を紹介します。
日本で最初に、逆子にお灸をし、逆子が改善したと報告したのは、実は鍼灸師ではなく産婦人科医でした。名前は、石野信安といいます。1950年に、報告が行われました。
また、石野先生は生まれてくる子供が、より健康になるという事で妊婦へのお灸を推奨していました。
さらに、その後1987年に林田和郎という産婦人科医が589例の逆子の妊婦さんに鍼灸を行ったところ、逆子が改善したのは全体の89.9%だったという報告があります。
これらのことにより、鍼灸を用いた逆子の改善は、かなり効果的だと言えます。
また、逆子は姙娠32週までの場合は74%、それ以降では54.8%の改善がみられるという報告があります。
このことから、できるだけ早めに治療を始めることが、逆子治療において重要であると言えるでしょう。
このように産婦人科までもが効果を認めるほどに、逆子治療にお灸はよく用いられているのです。
逆子に悩んでいる方は、ぜひ鍼灸治療を試してみましょう。
逆子に効果のあるツボ
今回は、自宅でもできる逆子へのお灸の仕方を紹介します。
逆子の治療でよく用いられるのは、「至陰」と「三陰交」というツボです。
このツボは、もともと安産を促すツボです。「至陰」は足の小指の爪の付け根の外側の端、「三陰交」は内くるぶしから指四本分上に上った骨の際にあります。
ここへ、市販のせんねん灸や、棒灸といった家庭用のお灸を行う事で、逆子を改善する可能性があります。
しかし、このツボは安産のツボ、つまり、子供を外に出そうとするツボです。粗暴な施術は流産の危険性がありますので、専門の鍼灸院で施術を受けることをお勧めします。
家庭でのお灸の仕方などはその鍼灸院で指導してもらうようにしてください。
最後に
いかがだったでしょうか?
妊娠中のトラブルとして起こってくる逆子ですが、お灸の効果を知っていれば、それほど困るものでもないと思います。
また、鍼灸治療にはそのほかのトラブルを解決することができますので、ぜひ一度受診して見てください。