私たちの身の回りには、結構身近なところに有毒植物が存在しています。
日本に自生していたり、園芸品種だったり、街路樹として植えられていたりもします。
日本だけでもたくさんの有毒植物を目にしますが、世界に目を向けるととんでもなく危険な植物が数多くあることに驚きます。
海外の植物とは言え、日本に園芸種として入ってきたり、ネットオークションで種が売られていたりもするので、念のために知っておいた方が良いでしょう。
それでは、世界の危険過ぎる植物を紹介していきます。
アコカンテラ・オブロンギフォリア
キョウチクトウ科アコカンテラ属に分類される、常緑低木です。
原産地は南アフリカ・東アフリカで、樹高は3~4mにもなります。
とても強力な毒を持っている植物です。
心毒性の配糖体があり、アフリカの部族達は狩りの時に使う矢に塗って獲物を仕留めるそうです。
この毒矢が当たると、心臓が止まり死にます。
そのため、ブッシュマンズ・ポイズンとも呼ばれています。
猛毒を持つ恐ろしい植物ですが、春に咲かせる白い花はとても可愛らしいです。
花の後には紫色の美味しそうな実が出来ますが、猛毒なので決して食べてはいけません。
花が咲いている様子が山丹花(サンタンカ)に似ているので、和名ではサンタンカモドキと呼ばれています。
オオミフクラギ
キョウチクトウ科ミフクラギ属に分類される、常緑高木です。
原産地はインド洋沿岸で、ケルベリンという強い心毒性の成分が含まれています。
インドではオオミフクラギによる死亡報告が多いです。
自殺や他殺に使われることもあり、「自殺の木」という別名がある恐ろしい植物です。
日本でも、沖縄の街路樹として植えられていることもあります。
入手しようと思えば簡単に手に入りますが、その毒性についてしっかり知識を持っておく必要があるでしょう。
ジャイアント・ホグウィード
セリ科ハナウド属に分類される、多年草です。
原産地は中央アジアですが、観賞用として19世紀にイギリスに持ち込まれてからは、広範囲に分布が広がっています。
その土地固有の植物を駆逐してしまう勢いなので、ヨーロッパやアメリカなどでは特定外来種として駆除が進められています。
4m以上の高さにまで生長し、葉は幅が1.5mもあります。
そして、幅が75cmもある白い頭状花を咲かせます。
この植物は何が危険かと言うと、葉や茎から出る樹液です。
傷をつけなくても、ただ茎を撫でただけで皮膚に付いてしまいます。
樹液にはフラノクマリンという成分が含まれていて、これが紫外線に当たるとDNAの中に異常を生じさせます。
すると、その細胞は機能停止となります。
そして植物性光線皮膚炎という、火傷や水ぶくれの症状が起こります。
患部の傷跡は数か月残り、更に数年は光に対して敏感になってしまうようです。
エンゼルトランペット
ナス科キダチチョウセンアサガオ属に分類される、落葉低木です。
エンゼルトランペットは熱帯アメリカ原産の植物ですが、日本でも育てている人が多い人気の花ですね。
大きくて綺麗な花は、その名の通り天使が持っているラッパのようです。
見た目は美しく魅力的なんですが、全草に毒も持つとても危険な植物なんです。
花や実も、絶対に口にしないでくださいね。
とてつもない幻覚症状により、正気でいられなくなります。
ある報告では、自分で自分を切りつけたり、2階から飛び降りたりしたそうです。
そしてその人達は、その間の記憶が無かったそうです。
毒性も怖いですが、これが有毒植物と知らずに植えている人が居るというのも怖いですね。
子どもがいる家庭では、栽培は避けた方が良いでしょう。
ギンピギンピ
イラクサ科イラノキ属に分類される、熱帯雨林の植物です。
イラクサ科の仲間はヒスタミンの毒を持っていて、触ると焼けるような痛みが生じることから、「urtica(焼く)」という学名が付けられたそうです。
そんなイラクサ科の中でも、特に強力な毒を持っているのがギンピギンピです。
全体にとても小さなトゲがあり、このトゲに触ると猛烈な痛みに襲われます。
酸がかかったような痛みが数か月以上、長ければ2年以上も続くとのこと!
痛みのせいで眠れなかったり、狂ったように暴れたり、とにかく大変な状態になります。
実際にあった報告で、茂みで用を足した人がギンピギンピの葉でお尻を拭いてしまったというものがあります。
この人はその後、耐えがたい痛みのせいで自殺してしまったそうです。
オンガオンガ
イラクサ科イラクサ属に分類される、ニュージーランド原産の植物です。
3mもの高さになり、大きなものだと4mを超えるそうです。
こちらもギンピギンピと同じイラクサ科の植物で、葉にはトゲがたくさんあります。
このトゲには神経毒が含まれていて、触ってしまうと鋭い痛みが生じます。
患部の感覚が麻痺したり、視界がぼやけたり、蕁麻疹や呼吸困難といった症状が出て、死亡する場合もあります。
マンチニール
トウダイグサ科ヒッポマネ属に分類される、常緑高木です。
アメリカ原産の植物で、「死のリンゴ」という恐ろしい別名がついています。
マンチニールの実はリンゴに似ていますが、毒が含まれているので絶対に食べてはいけません。
口に入れると、何時間も猛烈な激痛が続くと言われています。
茎や葉にも毒はありますが、実ほど強いものではありません。
とは言え、木を伝った雨粒が皮膚にかかっただけで、水ぶくれが出来て激痛を伴うそうです。
木を燃やした時に出る煙にも毒が含まれていて、失明することもあります。
ゲルセミウム・エレガンス
ゲルセミウム科ゲルセミウム属に分類される、つる性植物です。
中国南部から東南アジアに分布していて、その毒の強さは世界最強と言われています。
ゲルセミンという毒成分が含まれていて、なんと0.05mgで致死量となるそうです。
ちなみに青酸カリの致死量は4.4mg、トリカブトの主成分アコチニンは0.116mgです。
中毒症状としては、激しい痛みや呼吸困難です。
神経系や内臓が破壊されて痙攣を起こし、死に至ります。
最後に
世界に存在する危険過ぎる植物について紹介しましたが、いかがでしたか?
今回紹介したのは特に危険な植物ばかりで、最後に紹介したゲルセミウムエレガンスは世界最強の毒を持っています。
食べると危険なものから、触っただけで危険なものまで、色々な植物を紹介しました。
中にはプラムやリンゴのような実をつける植物もあり、思わず食べてしまいたくなるかも知れません。
日本でもかなり身近に、たくさんの有毒植物が存在しています。
強力な毒を持つ種類も多いです。
よく分からない植物は、絶対に口にしないようにしましょう。
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