みなさんは、ローゼルという真っ赤な花を咲かせる植物をご存知でしょうか?
実はこれ、ハイビスカスティーの原料となっている植物なんですよ。
ハイビスカスティーと言えば、女性に嬉しい効果がたっぷり詰まったお茶ですね。
ベリー系でフルーティな香りは、飲み物だけでなくサラダやスイーツにも使われています。
そんなローゼルを、自宅でも栽培することが出来ますよ。
ここでは、ローゼルの特徴や栄養素、栽培のポイントについてお話していきます。
ローゼルって、どんな植物なの?
アオイ科フヨウ属に分類される、西アフリカ原産の一年草(または多年草)です。
樹高は1~2mくらいです。
アフリカ原産ということで耐暑性は強いですが、耐寒性は弱いです。
そのため日本では越冬させるのが難しく、一年草として扱われています。
熱帯地域に広く分布していて、食用として各地で利用されています。
花がバラに似ていることから、ローゼルという名前が付けられました。
確かにバラにも似ていますが、オクラの花の方がもっと似ている気がします。
真っ赤な実と対照的に、花は白いんですよ。
種を包んでいる真っ赤なホウやガクを外して乾燥させたものが、ハイビスカスティーの原料となります。
塩漬けやジャムとしても利用されています。
ローゼルとハイビスカスの違いって、何?
ローゼルもハイビスカスと同じでフヨウの仲間なんですが、別の種類です。
花の様子も随分違っています。
ですがハイビスカスと同じ仲間ということで、ローゼルで淹れたお茶を「ハイビスカスティー」と呼んでいます。
一般的にハイビスカスというと、学名がハイビスカス・ロサシネンシスの方を指します。
南国ムードたっぷりの花ですよね。
ローゼルの方の学名は、ハイビスカス・サブダリファと言います。
ローゼルには、どんな栄養が含まれているの?
ハーブとして使われているローゼルには、たくさんの栄養が含まれています。
美容に効果的なビタミンCや、目の健康を助けるビタミンAなど、色々なビタミンが含まれています。
ミネラルの種類も多く、ポリフェノールや有機酸も豊富に含まれているんですよ。
ハイビスカスティーの酸っぱさの元になっているのが、クエン酸です。
クエン酸にはミネラルの吸収を助けたり、疲労を回復させる働きがあると言われています。
またカリウムの含有量も多く、これにより体内の塩分量を調整したり余分な水分を外に排出したりします。
色素成分のポリフェノールは、抗酸化作用が強いので健康にとても良いです。
ハイビスカスティーの効果としては、次のようなことが期待出来ます。
高血圧を予防する
カリウムが豊富なので、体内にある余分なナトリウムを外に出してくれます。
高血圧の原因で多いのが塩分の摂り過ぎなので、ハイビスカスティーは高血圧の予防になると言えるでしょう。
むくみに効果的
カリウムの利尿作用によって、体内に溜まった余分な水分を排出する効果が期待出来ます。
疲れを回復させる
ハイビスカスティーには、クエン酸やリンゴ酸が含まれています。
そのためちょっと酸っぱいのですが、この酸味は唾液や胃液の分泌を促進させます。
それにより食欲が回復しますし、さわやかな酸味で気持ちがリフレッシュします。
疲れを回復させたい時に、おすすめですよ。
美容効果
ハイビスカスティーには、女性に嬉しい効果がたくさんあります。
抗酸化物質が豊富に含まれているので、アンチエイジングに効果的です。
ローゼルを栽培する時のポイントって、何?
ローゼルを栽培する時に気を付けることを、まとめてみました。
種まき、植え付け
4~5月に種まきをしましょう。
植え付けるのは5~6月です。
この時期に植え付けないと収穫前に寒くなってしまう可能性があります。
種まきが遅れないように気を付けましょう。
栽培環境
ローゼルは、日当りの良い場所を好みます。
昼は明るく、夜は暗くなる場所で管理しましょう。
当たり前のことのように思いますが、意外と夜も明るい場所ってあるんですよね。
ローゼルは短日植物なので、日照時間が短くなると花芽を作ります。
明るさと暗さのバランスを感じ取って、花芽をつけているんです。
水やり
ローゼルは、地植えでも鉢植えでも育てられます。
地植えなら自然に任せておけば大丈夫で、特に水やりは必要ありません。
ただし、あまりにも乾燥しているようなら、たっぷり与えてくださいね。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いてからたっぷり与えます。
肥料
肥料はしっかり与えましょう。
1~2ヵ月に1回のペースで、緩効性の肥料を株元に置きます。
液肥の場合は、2週間に1回のペースで与えましょう。
どうやって収穫するの?
花が終わった後、種は真っ赤なガクとホウに包まれます。
収穫する時は、ガクのすぐ下でカットしましょう。
水で洗ったら、ガクとホウを取り外します。
その時は、ガク側の半分を包丁で切って種を取り出します。
切った部分に割りばしを当てて、先端に向かって種を押し出します。
翌年も種まきをする場合は、種を捨てずにとっておきましょう。
開花から45~60日後に採った種は、発芽率が良いです。
ローゼルの活用法
ローゼルの使い道はいろいろありますよ。
いくつか紹介しますね。
ハイビスカスティーー
ホウとガクを千切りにして、熱湯で3~5分蒸らします。
酸味があるので、砂糖や蜂蜜を加えると飲みやすくなります。
塩漬け
ホウとガクと塩(ローゼルの10%くらい)を、消毒した瓶に入れます。
軽く振ったら、冷蔵庫で2~3日おきましょう。
出来上がった塩漬けは、梅干しと同じような使い方をすればOKです。
てんぷら
ローゼルの葉は食べられます。
天ぷらにしたり、葉を茹でて醤油と砂糖で味付けしても美味しいです。
最後に
ローゼルの特徴や栄養、栽培のポイントについて紹介しましたが、いかがでしたか?
ローゼルはハイビスカスの仲間で、ハイビスカスティーの原料になっている植物です。
花は、一般的なハイビスカスよりもオクラに似ていて、白くて大きいです。
花の後には真っ赤な実がなり、それをお茶にしたり塩漬けにして利用出来ます。
ローゼルにはビタミンやミネラルが種類多く含まれ、健康にとても良いです。
特に目と美容に良く、ほかにも高血圧の予防や疲労回復、生理痛の緩和、肝臓を守る、抗ガン作用など、たくさんの効果が期待出来ます。
日本であまり見掛けない植物ですが、一年草として栽培することも可能です。
自分で育てたローゼルでハイビスカスティーを作り、優雅なひとときを楽しんでみてくださいね。
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