庭木として人気の高いハナミズキは、公園や街路樹でもよく見かける植物です。
桜が散り終わった頃に咲き始め、可愛らしい花が新緑によく映えます。
街路樹に選ばれる程の強さがあるので、庭木として育てやすいのは間違いありません。
品種改良も進み、花の色や大きさにもバリエーションが増えてきました。
今回は、そんなハナミズキの特徴と品種についてまとめてみました。
ハナミズキって、どんな植物なの?
ミズキ科ミズキ属に分類される、落葉広葉樹です。
原産地は、北アメリカの東部です。
ハナミズキは水分をたくさん含んでいて、切った枝から水が滴るほどだと言われています。
そのため、漢字では「花水木」と書かれます。
昔から日本人に愛されえてきた花ですが、一青窈さんの「ハナミズキ」という歌によって更に多くの人がその名を知ることになりました。
花の時期は4~5月で、桜が散ってから咲き始めます。
白やピンクの大きな花をたくさん咲かせる様子が、とても可愛らしく華やかでもあります。
実は花のように見えている部分は、花弁じゃないことをご存知でしょうか?
これは総苞というもので、葉が変化したものなんです。
ハナミズキはたくさんの花を咲かせるので、とても見応えがあります。
ただ、花持ちがあまり良くありません。
一気に咲いて、すぐに散ってしまいます。
ハナミズキとヤマボウシの違いについて
ハナミズキに間違われる花に、ヤマボウシというものがあります。
外来種のハナミズキに対して、ヤマボウシは日本原産の植物です。
この二つを見分けるポイントは、花の時期や咲き方、総苞の形です。
- 花の時期
-
ハナミズキは4~5月、ヤマボウシは5~7月。
- 花の咲き方
-
ハナミズキは花だけ咲く。ヤマボウシは、葉っぱの上に咲く。
- 総苞の形
-
ハナミズキは丸くて先にくぼみがある。ヤマボウシは先が尖っている。
ハナミズキの人気品種を紹介
それでは、ハナミズキの中でも特に人気のある品種を、いくつか紹介していきますね。
チェロキー・チーフ
大輪の赤い花を咲かせる品種です。
花水木の代表的品種で、花付きが良く人気があります。
樹高は5~10mくらいになります。
街路樹として植えられていることも多く、よく目にする品種です。
チェロキー・サンセット
この品種は、赤く美しい花が終わってからは、葉の変化を楽しむことが出来ます。
5月になると、葉が黄色く縁取りされ始めます。
秋になると紅葉が始まり、お庭をきれいに彩ってくれます。
こちらも樹高が5~10mくらいになります。
レッド・ジャイアント
日本で誕生した品種で、濃い目の赤い花が印象的です。
早い内からよく花を咲かせるので、庭木として人気があります。
秋の紅葉も美しく、観賞を楽しみたい人におすすめです。
紅花ハナミズキ
濃い紅色をした花が美しい品種です。
本来ハナミズキは白い花を咲かせるものですが、これは紅色をしているのでこの名前になりました。
秋には、可愛らしい赤い実をつけます。
ジュニア・ミス
大輪の花で見応えがあります。
中心は白っぽく、外に向かってピンクのグラデーションが美しいです。
若木の頃から花付きが良く、鉢植えでも育てられるので庭木として人気があります。
秋に紅葉しにくいですが、その分落葉しにくいのが特徴です。
花の色は、その時の気温や湿度に左右されるそうです。
ステラピンク
ハナミズキとヤマボウシから作られた品種で、あまり流通していないようです。
班入りの葉が美しく、花は薄ピンクで可愛らしい印象です。
秋の紅葉は見事で、真っ赤に染まります。
丈夫で育てやすく、寒冷地でも栽培されている程です。
クラウド・ナイン
白くて大きな花を咲かせる、大輪種です。
花は大きいですが、樹高は3~8mなので他の品種と比べて比較的小振りです。
北海道でも育つほど寒さに強く、花付きも良く人気があります。
ただし、花が毎年咲くとは限らないようです。
葉の緑も美しく、紅葉や赤い実が庭を彩ってくれます。
フェアリークラウン
メキシコハナミズキとも呼ばれています。
白い花の形がまるで冠のようなので、この名前が付けられました。
花弁の先端がくっついていて、「なんだこれは?」と思わず見入ってしまうような、とても個性的な形をしています。
ホワイトキャッチ
とても大きな白い花を咲かせるので、存在感がすごいです。
若木の頃から花を咲かせるので、鉢植えでも楽しめます。
ベランダなどで育てたい人におすすめです。
ピグミー
名前の通り、とてもコンパクトな品種です。
アメリカで作られた品種で、なんと樹高10cmで花を咲かせるんです。
大きくなっても2~3mくらいにしかならないので、大木になって欲しくない人におすすめです。
小さい内は、流行りのミニ盆栽としても楽しめそうですね。
アルバプレナ ダブルホワイト
ハナミズキと言えば一重咲きですが、こちらは珍しい八重咲きの品種です。
ハイブリッドハナミズキや八重咲きハナミズキとも呼ばれています。
うどん粉病に強くて耐寒性が高く、花付きが良いです。
花を咲かせるのは樹高が2.5mくらいになってからなので、気長に待ちましょう。
シダレハナミズキ
こちらも珍しい品種で、枝垂れタイプです。
ハナミズキの花は上を向いているのが基本ですが、この品種は横向きに開花します。
それほど大きくならない木なので、鉢植えでも楽しめますよ。
オーロラ
アメリカで誕生した品種で、生長スピードが速いのが特徴です。
耐寒性や耐病性に優れ、花付きも良いのが魅力です。
白い花には、うっすらと緑やピンクっぽい色が入って可愛らしいです。
最後に
日本で人気の庭木「ハナミズキ」について、その特徴や品種をご紹介しました。
ハナミズキは大きな花を咲かせると思っている人が多ですが、実は花に見えている部分は葉が変化したものなんです。
花色は白やピンクで可愛らしく、葉の緑との美しいコントラストが楽しめます。
秋には紅葉したり実を付けたりする品種もあり、年間を通して観賞出来るのでシンボルツリーに選ぶ人も多いようです。
今回紹介した品種以外にも、たくさんの品種があります。
品種によって、花が咲く樹高がだいぶ違います。
購入する時には、品種の特徴をよく確認するようにすると良いですね。
コメント