春、桜が散る頃になると、地面を覆うようにシバザクラが咲き始めます。
漢字では「芝桜」と書き、その字の通り地面いっぱいに桜のようなピンクの花を咲かせます。
公園や山の斜面など、広範囲を彩るのが得意なシバザクラ。
全国各地に名所が存在しており、テレビや雑誌に載ったりもしていますよね。
実はそのシバザクラ、とても丈夫なので初心者さんも簡単に育てることが出来るんですよ。
自宅の庭も、ピンクで染めてみませんか?
ここでは、シバザクラの特徴と栽培のポイントについて紹介していきたいと思います。
シバザクラって、どんな植物なの?
ハナシノブ科フロックス属に分類される植物で、原産地は北アメリカ東部です。
草丈10cmくらいで地上に茎を這わせ、その節々から発根をしていきます。
花色には、ピンク以外にも白や紫も存在しています。
花期は4~5月で、桜が散る頃に見頃を迎えます。
花の大きさは2cmくらいで、5枚の花弁があります。
満開の時期には葉も茎も覆い尽くすように咲くので緑色は見えなくなり、まるでピンクの絨毯が広がっているようです。
芝桜という名前の他に、ハナツメクサやモスフロックスという呼び方もあります。
シバザクラの名所となっている観光地は、全国各地にあります。
斜面に植えられていることが多いのは、遠くからでも見やすくするためというのもありますが、土の流失を防ぐ役割もあるからなんです。
また斜面は水が溜まりにくいので、水はけが良い場所を好むシバザクラには最高の場所です。
シバザクラの代表的な品種
シバザクラはピンク色というイメージが強いですが、近年品種改良が進み、花色も増えてきました。
ピンクの他にも、白や紫、覆輪や青系の花も存在しています。
花の大きさも品種によって違っていて、これらを上手く組み合わせてシバザクラで模様を作ったりすることもあります。
それでは、代表的な品種をいくつか紹介しますね。
ダニエルクッション
一番良く目にする花色だと思います。
濃いピンク色で、花が大きめなのが特徴です。
耐寒性、耐暑性に優れていて、病気にも強く育てやすいです。
リトルドット
真っ白な花が魅力の品種で、強健で育てやすいです。
スカーレット・フレーム
ピンク色の花弁の中心部に、赤い模様が入って可愛らしい印象です。
多摩の流れ
白い花びらの中央に、ピンクのラインが入るタイプです。
別名、キャンディストライプとも呼ばれています。
シバザクラの栽培ポイントについて
シバザクラは庭に直接植えてもOKですし、鉢植えやプランターでも元気に育ちます。
基本的に丈夫で育てやすいですが、より元気に育てるためのポイントを紹介していきますね。
地植えの場合
日当りと水はけの良い場所を好むので、そういった場所に植えるようにしましょう。
水はけが悪いと根が張りにくいですし、夏の暑さで枯れてしまうこともあります。
また日当りが悪いと、花付きが悪くなるのでピンクの絨毯が作れないかも知れません。
観光地などでよく目にする、斜面や石垣に植える方法がおすすめです。
水が溜まるような場所は避けてくださいね。
もし心配なようなら、植え込む場所に軽石やパーライトを混ぜておきましょう。
春か秋に植え付けるようにして、植え付ける前には雑草を綺麗に取り除いておきましょう。
そして軽石、バーク堆肥、腐葉土などを土に混ぜ込んでおきます。
どんどん横に広がっていくので、25cmくらい離して植えるようにします。
プランターの場合
プランターでも育てられるので、マンションのベランダでも楽しめますよ。
結構勢いよく増えるので、大きめのプランターを用意すると良いでしょう。
そこに株間を20cmくらい離して植え付けていきます。
土は市販の培養土でOKです。
庭の土を使うのなら、水はけが悪くならないように軽石やパーライトなどを混ぜましょう。
プラン―栽培では、内部の蒸れが気になるので水やりの頻度に注意します。
土の表面をチェックして、乾いていたらタップリと水やりをします。
花付きが悪くなったり、葉っぱが少くなってきたら根詰まりを起こしている可能性があるので、植え替えてあげましょう。
肥料の与え方
堆肥や腐葉土を混ぜたのなら、肥料を与える必要はありません。
心配なら、緩効性の化成肥料を元肥にすると良いでしょう。
2~3月くらいに花芽が出て来た時にも、化成肥料を置いてあげるとよく咲きます。
肥料にも色々ありますが、花付きを良くしたいのならリン酸が多く含まれている肥料を使います。
剪定をする
びっしりと密集して生えるので、枝や葉が重なり合って蒸れてしまったりします。
そうすると茶色く枯れてきたりして、見栄えが悪くなってしまいます。
そこで。花が終わったら剪定をすることをおすすめします。
茶色くなっている部分を、ハサミでカットしていきましょう。
しばらくすると新芽がたくさん出て来ますが、株元から切ると芽が出てきませんので注意してくださいね。
梅雨は特に蒸れが心配な時期なので、なるべく梅雨前に剪定を済ませておくと安心です。
病害虫について
シバザクラは強健な品種が多く、病気や虫による被害が殆どありません。
ただ高温多湿の状態にしてしまうと、土にセンチュウが発生するので気を付けましょう。
また、春~夏にハダニが発生することがあります。
葉っぱが白っぽくなっていたら、裏側を見るとたくさんのハダニが居るはず。
酷くなると枯れてしまう場合もあります。
被害のある枝をカットして薬剤散布をしましょう。
乾燥すると発生しやすいので、水やりをしっかりするようにします。
最後に
びっしりとピンクの花を咲かせるシバザクラは、とても丈夫で初心者さんも育てやすい植物です。
一面に咲くシバザクラは圧巻で、全国各地に観光スポットがたくさんあります。
広範囲に植えるイメージが強いシバザクラですが、自宅の花壇やプランターでも栽培出来ます。
病害虫による被害は少ないですが、蒸れのせいで枯らしてしまうケースが多いようです。
植える場所を日当りと水はけの良い場所にすれば、きっと元気に育ってくれることでしょう。
シバザクラを育てて、春のお庭をピンクで彩ってみませんか?
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