肉食動物であるオオカミから進化したと言われる犬ですが、人間と一緒に生活をしている内に食事の内容が変わってきました。
今では愛犬の食事に、栄養バランスの整ったドッグフードを与えるのが一般的ですね。
でも元々肉食動物だったのだから、生肉を食べさせてあげたいと思う人もいる事でしょう。
そこでここでは、犬に生肉を食べさせても大丈夫なのか、また食べさせる時の注意点などについてお話をしていきます。
犬に生肉を与えても大丈夫なの?
結論から言うと、犬用生肉として売られている物なら与えても大丈夫です。
または、人間が生食しても大丈夫な馬肉も大丈夫です。
加熱用として売られている肉は、絶対に与えないようにしましょう。
もし加熱用の肉を生で与えてしまった場合、次のようなリスクがあります。
感染症のリスク
少量でも舐めたり食べたりした場合は、病原体に感染する恐れがあります。
勿論何も怒らない場合もありますが、発熱や元気がなくなるなどの症状が無いか、注意深く観察する必要があります。
E型肝炎ウイルスに感染すると、子犬や高齢の犬など免疫力が弱い場合は重症化の危険があります。
トキソプラズマに感染した場合は、無症状で終わる事が多いです。
症状が出るとすれば、内臓の炎症や流産という形で現れます。
食中毒のリスク
サルモネラ菌やカンピロバクター菌、腸管出血性大腸菌などの細菌によって、食中毒が引き起こされる危険があります。
食中毒での下痢や嘔吐は、症状が重い場合が多く命の危険もあります。
生肉を食べた後に下痢や嘔吐の症状が出たら、すぐに動物病院に行きましょう。
もし犬用生肉以外を食べてしまった場合は、自分で吐き出させようとするのは危険が伴います。
動物病院に電話をして、いつどれくらい食べたのかを伝えましょう。
そして獣医師の指示に従い、速やかに行動しましょう。
便や嘔吐した物があれば、それも持参すると良いでしょう。
その時に飼い主も感染する恐れがあるので、素手で触らないように気を付けてくださいね。
生肉を食べるメリットって何?
最初に怖いお話をしてしまいましたが、犬用生肉として売られているものなら与えても大丈夫です。
生肉を食べるメリットは、いくつかありますよ。
長い年月を人間と共に過ごしてきた犬ですが、消化器官はオオカミの時代から殆ど変わっていないそうです。
犬の腸はとても短く、栄養を摂取するには消化吸収に優れた生肉が適しています。
歯の構造も、肉を引きちぎって食べるのに向いていますよね。
生肉を食べるメリットは色々あるので、いくつか挙げてみますね。
ビタミンやミネラル、酵素がたくさん含まれている
生肉は、犬の消化器官でスムーズに消化吸収されます。
そのため、含まれているビタミンやミネラル、酵素をしっかり吸収する事が出来るんです。
免疫力サポートに繋がる
生肉からは、良質な動物性たんぱく質を摂取する事が出来ます。
速やかに消化吸収されるので、その分のエネルギーを代謝酵素に使う事が出来ます。
そのため、免疫力のサポートに繋がります。
添加物がない
ドッグフードには添加物が使われていますが、生肉にはそれがありません。
そのため、添加物でのアレルギーを防ぐことが出来ます。
ダイエット効果
ドライフードには穀類や糖質が含まれているので、それによって肥満になる可能性もあります。
その点生肉なら、少量食べるだけで必要なエネルギーを効率良く摂取出来ます。
口内トラブルの予防
生肉に含まれる酵素や良性菌によって、口内環境が良くなるので史跡が付きにくくなります。
生肉を食べるデメリットって何?
メリットをたくさん紹介しましたが、生肉を食べることにデメリットもあります。
お金が掛かる
与える生肉は新鮮なものでなければなりません。
新鮮な生肉って、結構値段が高いんですよね。
特に大型犬に与える場合は、金額がかなり気になるところ。
毎日完全に生肉を与えるというのは難しいでしょうから、週に1~2日を生肉の日にするなど、限定して与えると負担が少なくなるでしょう。
ドライフードのトッピングにして与えるのも良いですね。
長期保存が難しい
冷蔵庫だと数日しか持ちません。
かといって冷凍保存をだと、結構スペースを取ってしまいます。
ブロック状になっていたりすると、使う分だけ解凍するというのが難しかったりします。
こういう事もあり、現在はドライフードが主流になっているんですね。
たまに生肉を与える程度なら、小分けになった犬用生肉を買うと良いですよ。
栄養が偏る
野生の世界なら、草食動物の体全てを食べることでしょう。
そうすることで、自分では消化吸収が難しい植物の栄養を摂取する事が出来るんです。
ですが人間が与える生肉には、臓物が付いていません。
そのため、生肉だけでは栄養不足になってしまいます。
手作りで足りない栄養素を補うか、ドッグフードのトッピングとして与えると良いでしょう。
ペットホテルや入院中に困ることも
よそに預ける時に、生肉を与えて貰えない可能性が高いです。
災害時の時にも、生肉は手に入りにくいことでしょう。
そういう事も考えて、ドライフードに慣れさせておく必要はあります。
どんな肉を与えれば良いの?
先ほども書きましたが、犬用生肉として販売しているものを与えましょう。
人間も生食するような馬肉なら、安心感がありますね。
色々な肉の特徴をまとめてみました。
肉に種類 | 特徴(栄養素など) |
---|---|
馬肉 | 低カロリー、高タンパク、豊富な栄養素 |
鶏肉 | 高カロリーなので与える量が少なくてすむため、低コスト。アミノ酸スコアが100で、コラーゲンも豊富。 |
鹿肉 | 低カロリー、高タンパク。DHA、鉄分、ビタミンB2が豊富。 |
ラム肉 | ビタミンB1、B2、Eが多く、細胞の健康維持に役立つ。タウリンが豊富に含まれる。 |
最後に
犬に生肉を与えることについて書きましたが、いかがでしたか?
犬に生肉を与える時には、犬用生肉として売られている肉を与えるようにしましょう。
加熱用の生肉では、食中毒や感染症のリスクが高いので危険です。
もし加熱用の生肉を食べてしまったら、犬に異変が無いかよく観察して下さいね。
何かあったら、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
生肉に含まれる水分は結石予防に繋がりますし、酵素は歯石を付きにくくしてくれます。
たまに与えるだけでも効果があるので、取り入れてみるのも良さそうですね。
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