第40回「波乱の新政府」では、鹿児島にやってきた大久保利通(瑛太さん)と岩倉(笑福亭鶴瓶さん)に協力する形で、隆盛(鈴木亮平さん)は新政府に復帰。
東京に来た隆盛は、贅沢な暮らしをする役人たちに驚き苦言を呈し、利通との間に溝ができます。
そして議論が深まっていない状態で、廃藩置県の勅命を取り付けた利通。
反発して離脱しようとする土佐や肥前出身者に、隆盛は戊申で死んでいった魂の為に協力しようと呼びかけ、議論が再開されました。
そして、廃藩置県が実施されたのです。
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それでは、第41回「新しき国へ」のあらすじと感想です。
新政府と久光
大きな爆発音に驚く川口雪篷(石橋蓮司さん)と菊次郎(城桧吏くん)。大砲か?と外に出ると、打ち上げ花火が上がっていました。久光(青木崇高さん)が、政府への反抗の意思を込めて花火の打ち上げを命じたのです。「ワシはまだ終わらんぞー!」と、夜空に向かって叫びます。
廃藩置県の後、政府は急速に諸政道を改めます。そんな中、欧米への使節団派遣が決定。狙いは、日本が生まれ変わったことを各国へ知らしめ、不平等条約を改正することです。使節団には、大久保利通、木戸孝允(玉山鉄二さん)、岩倉具視などが名を連ねます。長州・薩摩の出身者ばかりが選ばれたことに、土佐や肥前の者たちは納得せず、不満は高まります。
廃藩置県を断行したものの、各地にはまだ不穏な動きが渦巻いていました。隆盛はそれを収めるため、天使様が日本の隅々を視察する「ご行幸」を計画します。
鹿児島の西郷家に、隆盛からの手紙が届きました。欧米視察団について、そして菊次郎を留学させたいという内容です。隆盛の妹・琴(桜庭ななみさん)は反対。糸(黒木華さん)は「行くか、行かんか、それはあなたが決めやんせ」と、本人の意思を尊重し、菊次郎の決断を待ちます。
鹿児島の久光の屋敷に、家老・桂久武(井戸田潤さん)と県令・大山綱良(北村有起哉さん)が呼ばれます。ちょんまげに紋付袴の久光に対し、桂久武や大山は散切り頭でスーツに蝶ネクタイと、対照的な出で立ち。久光は鹿児島の民から届いた書状を、彼らの前にばらまいて「読め!」と命じました。そして「こん日本において、秩序なき政など長続きせん!」と新政府に反発します。当時の記録では、財政難などの事情で大人しく廃藩置県に従う藩主が多く、大仰に反対したのは久光だけだったと言います
欧米使節団、出発
東京では隆盛の弟・従道(錦戸亮さん)と小兵衛(上川周作さん)、そして村田新八(堀井新太さん)や中村半次郎改め桐野利秋(大野拓朗さん)らが集まり、宴会が開かれました。村田新八は隆盛が推挙してくれた宮内大丞という役職を「天子様のお側仕えなんぞ、恐れ多くてできもはん」と、断ろうとします。隆盛は川路(泉澤祐希さん)の冷静さや桐野の真っ直ぐさ、そして新八の変わらない明るさを褒めて「みんながそれぞれの場所で、新しか日本の国造りをささえっとじゃ。おはんらの力を貸しとくれ」とお願いしました。そのタイミングで新八のお腹が鳴り、みんなの笑いを誘います。
隆盛は天皇を国家の支柱とすべく、宮中の改革にも乗り出します。明治天皇(野村万之丞さん)に、全国を巡行して民草の暮らしをご覧いただくよう、直接お願いをしました。近侍らは反対しますが、明治天皇は「西郷、卿の申すこと、最もじゃ。朕に力を貸してくれ」と、隆盛に返事をしました。
その年の11月、欧米使節団の勅命が下されます。留守中、隆盛は大蔵省を預かる立場となり、金の糸で飾られた詰め襟服を着て仕事を進めます。そこに、利通と岩倉が、渡欧前の挨拶にやってきました。岩倉は「後藤と江藤や。くれぐれも用心せいよ」と、土佐と肥前藩の出身者に気をつけろと釘を刺します。隆盛と利通は、お互いの腕を握り「吉之助さ、頼んだぞ」「気をつけての!」と、別れの挨拶をしました。こうして視察団は旅立っていきました。
留守政府
使節団が留守の間、岡山や福山など各地で一揆が多発。隆盛は長屋で「これだったら徳川様の世の方が、天下泰平だったんじゃねえか」などの噂話を耳にしました。
さらに山県有朋(村上新悟さん)という軍人が、政府の資金を持ち出すという「山城屋事件」が発覚。陸軍大輔という要職にあった山県は、現在の価値で100億円の大金を、同郷の商人に無断で貸し付けたのです。山県に刀を振りかざす桐野利秋を抑え、隆盛は話し合いの場を設けました。留守中、人事について勝手なことをするなと言われていたものの、全員を納得させるには、この場で山県を辞任させるという処断が必要でした。
さらに国父・久光の使者となって江戸に来た海江田武次(高橋光臣さん)が、久光を県令にせよという要望書を持ってきました。隆盛は「新しい国を作った。もう後戻りはできもはん」と海江田を一喝。そして天子様が各地をご僥倖する計画を打ち明けます。
鹿児島へのご僥倖
そして5月吉日、天子さまが鹿児島にやってきて、久光らと対面。明治天皇は菊の紋様の入った燕尾服という洋装で現れ、人々は驚きます。
対面後、久光は「まさかこん目で天子様の御尊顔を拝するとはのう」と、感慨深げな表情です。そして隆盛を、桜島を見渡す見晴らしのよい部屋に呼びました。「西郷、お前には言いたかこつが山程ある。じゃが、一つだけ聞く。こいが、お前が我が兄斉彬と共に作りたかった新しか国か?」と久光が聞くと、隆盛は「国父様、我らには思い描いた新しか国がありもした。」「じゃっどん今は、亡き殿と目指したところとは、かけはなれちょります。」「このままでは、国父様にも命を散らしていったもんたちにも、徳川の方々にも顔向けできもはん」と、今にも泣き出しそうな表情で、弱音を吐きました。
すると久光は、怒りをにじませた顔で「こんやっせんぼ!やりぬけ!最後までやり抜くんじゃ!!」と、声を張ります。その言葉に、隆盛は我に返り、再び政府のために頑張ることを決意しました。
薩摩の家に戻ると、菊次郎は「オイも、異国で学びとうございます」と頭を下げます。糸が「そいは、自分で考えて決めたことですね?」と聞くと、「今日、天子様のお姿を配して、心がきまりもした」と、目を光らせて答えます。隆盛はしゃがんで目線を合わせると「よう言うた、菊次郎。行ってけ」と応援しました。糸は「愛加那さあの気持ちが、よう分かりもした」と、子を手放す寂しさ、それでも応援したいと思う気持ちを語ります。
隆盛は桜島を眺めながら、「国父様、菊次郎には、天子様の姿はそげな風に見えたとでございもす」とつぶやきました。
次回、「両雄激突」では、いよいよ菊次郎がアメリカに渡ります。
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そして東京に戻った隆盛は「やらねばならんこつが山積みでごわす!」と、意気揚々と政に取り組みます。
しかし帰国した利通と隆盛が対立。
「船頭が多すぎる。政にならん!」という大久保に対し、隆盛は「だったらこいは、何のための政府か!」と反論します。
朝鮮との外交問題に取り組む隆盛と、内政改革を優先する利通。
2人の対立が深まる中、政府はどうなっていくのか…」。
次回も目が離せません。
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