大河ドラマ「おんな城主 直虎」第40回「天正の草履番」を観ました。
15歳に成長した虎松(菅田将暉さん)は、徳川家に士官することに。
しかし松下としてなら小姓、井伊を名乗るならば草履番として、どちらで仕えるか選択を迫られます。虎松は井伊家を名乗ることを選びました。
そして家康(阿部サダヲさん)に「万千代」という名を与えられ、「井伊万千代」が誕生しました。
今回のサブタイトルは「天正の草履番」。元ネタはどうやら「天皇の料理番」のようです。2015年に佐藤健さん主演でドラマ化。脚本は「おんな城主 直虎」と同じ、森下佳子さんです。原作は1979年に出版された杉森久英さん作の小説で、以前に2度もドラマ化されていました。
前回の第39回「虎松の野望」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第40回「天正の草履番」のあらすじと感想です。
井伊谷では…
浜松城の玄関では、草履番「井伊万千代」として皆に堂々と挨拶をする万千代(虎松)の姿が。小野満福こと亥之助(井之脇海さん)も一緒です。井伊家を名乗ることは、井伊谷にも伝わります。
しの(貫地谷しほりさん)は「虎松をそそのかした」と非難しますが、南渓和尚(小林薫さん)は「怖い、怖い」と、のらりくらり。おとわ(柴咲コウさん)も反対し、考え直すよう、万千代に文を書くことに。
万千代は、名前と顔が一致しない上、間違えては怒鳴られ、バタバタの草履番初仕事を終えました。そんな中、徳川重臣の本多忠勝(高嶋政宏さん)は、秀吉が草履番から出世したことを話し「励むがよいぞ」と言葉を掛けます。
松下常慶(和田正人さん)が訪れ「皆怒っておるぞ」と伝えながら、万千代に皆からの文を渡します。岡崎城の瀬名(菜々緒さん)に頼んで、家康から言ってもらうようお願いしたこともばれていました。近藤(橋本じゅんさん)も怒っています。おとわは浜松城に向かい、直接万千代と話すことにします。
家康の思い
一方、今川氏真(尾上松也さん)は家康の元を出て京に住み、優雅に和歌や踊りを楽しんでいます。そこに織田信長から文が。相国寺で開かれる蹴鞠の会に、蹴鞠の名手と知られた氏真を招待したのです。信長は父・義元の仇と言える相手。氏真はどうするのでしょうか。
万千代は草履の棚を作っていました。そこにおとわと常慶が訪れ、井伊の名乗りを取り下げるよう説得。しかし万千代は「ただの百姓に何故、俺が説教されねばならんのか」と怒りをにじませます。
大声でやりあっているところに、家康が通りかかります。井伊の先代「直虎」として、話をしたいと言います。
客間に通され、おとわが「そもそも何故、あの子の言葉を聞き入れたのですか」と尋ねると家康は、井伊の名乗りを許した一番の理由は、万千代を武将として大きく育てたかったのだと答えます。徳川は戦に勝ち大所帯になったが、この先は三河者以外でも実力次第で出世できる家風にしたい。万千代にはその先駆けとなってもらいたいのだそうです。
万千代は後に徳川四天王に数えられる大出世をします。4人の中では万千代だけが三河者ではない上に歳も若く、その存在は異質です。小姓として家康に寵愛されていたため、異例の出世をしたという説が多いですが、本当はこのように家康が考えていたとするのも、面白い説ですね。
話がはずんだおとわと家康ですが、井伊の名乗りを取りやめる話をすることは、できませんでした。
松下家と井伊家
満福はおとわと常慶に、万千代の思いを話します。幼き頃に交わした「2人で井伊を守ろう」という約束を破ったおとわに怒っているのだそうです。そして井伊家を揺るぎない大きな家にしようと、がむしゃらに頑張っているのでした。
おとわたちは、説得できなかったことを松下家に報告します。常慶は「徳川の殿も井伊でとの思いが強いようで、あまりしつこく食い下がるのは松下のためにもよくないかと…」と、あきらめ気味。源之助(古舘寛治さん)は、父として「あやつの思う通りに送り出してはやらぬか」と、井伊家を名乗ることを許します。
夜半、なつ(山口紗弥加さん)とおとわが語り合います。なつは「これから楽しみですね。虎松と亥之助が、井伊と小野を名乗り、肩を並べて歩いていくのですね」と穏やかに話しました。ふと直親と政次の、在りし日の姿を思い浮かべるおとわ。井伊の状況は一変していまい、あの頃が懐かしく感じました。
日ノ本一の草履番
万千代は草履滑らしの技を磨き、超スピードの草履出しをやってのけました。草履を滑らせて、持ち主の前に向きも揃えてピタッと並べるのです。皆驚き、家康も「日ノ本一ではないかの」と感心します。
これにより見事に草履番から小姓に昇格し、出世の一歩を踏み出します。
一方、今川氏真は「戦ばかりが仇のとり方ではあるまい」と、相国寺の蹴鞠の会に出席します。信長が観覧する中、蹴鞠を披露する氏真。
戦国武将としては、親の仇を取るために玉砕覚悟で挑むほうが美しく感じます。氏真をヘタレに感じることもありますが、恥を晒そうと、石にかじりついてでも生きる覚悟のほうが、実際には何倍も難しいことなのかもしれません。
次回、「この玄関の片隅で」。
武田がまた戦へと動き出します。万千代も戦に出陣することになるのでしょうか?
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