夏が近づき、外にいるだけで汗が勝手に噴き出てきます。
こんなときにはビールが最高。レバニラをアテにしてスタミナ回復もばっちり。
そして夜中家に帰るとなんか足がムズムズ、チクチクする。
翌日起きたら足が痛い。真っ赤に腫れあがっている!
その症状、痛風ですよ。この痛み、1週間くらい続きます。
風が吹くだけで痛いから痛風。それはまさに地獄の痛みです。
汗をたくさんかき、ビールを飲みすぎてしまう夏の季節。痛風発症者も増える季節です。
痛風にならないためにはどうしたらいいのか、その予防方法を考えましょう。
痛風の原因
健康診断表があったら、尿酸値をチェックしてみてください。
尿酸値の正常値は、2.1~7.0。
尿酸値が7.0を超えた状態を高尿酸血症といい、痛風を引き起こすケースが激増します。
痛風とは、体内に溜まった尿酸が結晶化され、激しい痛みを伴う病気です。
結晶化した尿酸が骨にこびりつき、それが剥がれたときに白血球がその尿酸の結晶を異物として排除しようとします。
その際に起こる炎症反応が、痛風の原因です。
尿酸とは
痛風の原因となる、尿酸。
尿酸とは、細胞内のプリン体が原因で発生する、いわゆる老廃物です。
尿酸には、抗酸化作用があり人間にとって必要な成分ではあるのですが、基準値以上の尿酸は体内にとどめてはいけません。
老廃物であるということは、体内でこれ以上分解されることはなく、放っておくと溜まっていく一方なのです。
尿酸の原料であるプリン体は常に体内で作られているのですが、激しい運動のあとやプリン体が多く含まれる食物を摂取したときには、特に多く作られます。
プリン体が多く作られれば作られるほど、多くの尿酸が体内で生成されていきます。
痛風のイメージ
小学校の理科の実験で、食塩水を作りませんでしたか?
痛風は、この食塩水をイメージすると分かりやすいです。
同じ量の水に少しの食塩を入れれば食塩はちゃんと溶けますが、たくさんの食塩を入れれば食塩は溶けずにビーカーの底に溜まりますよね。
また、同じ量の食塩を入れても水が多ければ食塩はきちんと溶けますが、水の量が少ないと食塩は溶けずに底に溜まります。
この食塩を、尿酸の結晶だと思ってください。そして水の量が、体内の水分量だと思ってください。ビーカーの底を、足の指先やくるぶしだと思ってください。
尿酸値の高い状態というのは、濃度の高い食塩水のようなもの。
溶けきれない食塩がビーカーの底に溜まるように、体内で溶けきれなかった尿酸の結晶は足先など体の末端に溜まるのです。
そして溜まった結晶が、激しい痛みを伴う炎症反応を引き起こすのです。
痛風の予防はまず水分補給
食塩水の濃度を薄くするには、どうすればいいのでしょうか?
そう、水を増やせばいいのです。
痛風の予防も同様に、一番手軽で効果的なことが「水を飲む」ことなのです。水を飲んでまずは体内の尿酸濃度を薄くしましょう。
尿酸は、普段の生活の中で自然と生成されるもの。
プリン体の多い食べ物や激しい運動により、尿酸の量は急激に増加します。
暑さ、運動、サウナなどで汗を大量にかくと、当然体内の水分量は減ります。
また、アルコールの摂取は、体の脱水症状を引き起こします。
体内の水分量が減るということは、それだけ尿酸の濃度が高くなるということ。
尿酸の濃度が高くなればなるほど、尿酸は結晶化しやすくなり、痛風の症状を引き起こしやすくなります。
しかも、尿酸は水に溶けにくいという性質があります。
だからこそ、たくさんの水を飲んで尿酸の濃度を薄くすることが、大切です。
そして、さらに大切なのは、尿酸を体外に排出すること。
尿酸は、体内での代謝最終産物、つまり老廃物なので、体内にとどめずに排出して減らしていくしかありません。
尿酸を体外に排出する一番の方法は、尿です。水をたくさん飲めば、尿量も増えますよね。
汗をかいたとき、お酒を飲んだ後は、できる限りたくさんの水を飲んで、尿量を増やし尿酸の排出を行いましょう。
通常の生活ですと、1日に飲む水の量は1.0~1.5リットル程度ですが、痛風予防のためには1日2リットルの水を飲むようにしましょう。
最後に
痛風の痛みは、まさに地獄のような痛みです。自分で歩くこともできず、当然仕事も何もできません。絶対に、痛風にはなりたくないですよね。
痛風の予防方法は大きく2つです。
1つは尿酸の生産を抑えること。
しかし、尿酸は自然と体内で生成されますし、好きな食べ物を我慢しながら食生活を改善することもなかなか難しいものです。
もう1つの痛風の予防方法は、体内の水分補給と尿酸を体内から排出すること。水をたくさん飲み、体内の水分を補給して、尿酸濃度を下げましょう。
水をたくさん飲み、尿量を増やすことで、尿酸を体内から排出することを促すことができます。
痛風予防の第一歩は、日々の水分補給からです。
まずは、1日2リットルの水を飲むことを、心がけ実践してみてください。