第26回、政治(阿部サダヲさん)は高橋是清(萩原健一さん)を説得し、オリンピック予算を確保。
そのおかげでアムステルダムオリンピックに43人もの選手を送り込むことができました。
そして日本人女性として初めて人見絹枝(菅原小春さん)が参加。100mの世界記録を持つ絹枝でしたが、本番では4位になってしまいます。
このままでは帰れないと急遽800mに出場、なんと2位に入りました。男子も三段跳び、水泳自由形、平泳ぎなどでメダルを獲得。華々しい成果をあげたのです。
前回の第26回「明日なき暴走」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第27回「替り目」のあらすじと感想です。
四三、人生の決断
昭和2年、孝蔵(森山未來さん)は万朝(柄本時生さん)の口利きで弟子入りし、柳家東三楼と名乗ります。しかし師匠の着物を質に入れ、破門されてしまいました。
そのころ孝蔵に、3人目が生まれました。孝蔵は産婆に「一文無しなんです」と頭を下げ、産婆は呆れます。そこに長女・美津子(森山のえるちゃん)と次女・貴美子(保榮茂 愛ちゃん)が鯛焼きを1枚買ってきました。孝蔵は「いくら貧乏な家の子だからって男の子だ」と、産婆に祝の鯛焼きを勧めました。産婆が口に持っていくと、姉妹のお腹が鳴ります。産婆は笑って「食べられるわけないだろう」と、鯛焼きを3つに分けて子供とおりん(夏帆さん)に渡しました。
一方、かつての代表選手・金栗四三(中村勘九郎さん)は38歳。兄・実次(中村獅童さん)が熊本から東京にやってきました。震災から5年、東京は復興を果たします。実次は「なあ四三、そろそろ熊本ば帰ってこんね」と、四三に帰郷を促しました。四三は人生の岐路に立ちます。
ロサンゼルス必勝プラン
政治は金メダルへの必勝プランを発表しますが、字が汚すぎて誰も読めず、仕方なく「一つ、監督コーチの早期決定!一つ、世界標準の競技用プール建設!一つ、妥当アメリカ!」と自分で読み上げます。水連の主なメンバーは…元選手で理論派の松沢一鶴コーチ(皆川猿時さん)。自由形のエース、女性ファンにモテモテの高石勝男(斎藤工さん)。鶴田義行(大東駿介さん)は薩摩男児で平泳ぎの金メダリスト。パリ・アムステルダムで活躍した野田一雄(三浦貴大さん)は引退してコーチになりました。
必勝プランその1の監督は、満場一致でカクさんこと松沢一鶴に決定。必勝プランその2・世界水準プールの建設のため、政治とカクさんが体協にやってきました。岸(岩松了さん)はポケットマネーだと5000円の札束を出して「ここから先は、プレゼンテーション次第だよ」と言いました。政治は「オリンピック、オリンピックと役員が騒いでも一般の国民は見ることができない。これじゃあいつまでたっても人ごとじゃんねえ!これからは興行、見世物です!」と日米対抗戦を提案、ここで必勝プランその3も出てきます。岸は「確かに嘉納さんじゃ出てこん発想だが、しかし根っこは君と同じかもし知れんな」と承諾。昭和5年春の完成を目指し、神宮外苑プールの建設が開始されます。
四三に『アニキトクスグカエレ』と電報が届き、すぐに熊本に帰ります。しかし実次は既に息を引き取っていました。四三は実次の安らかな顔を見て涙を流します。先日実次が東京から帰ったあと、家族に「嘉納先生に会うて、四三がお世話になりましたって、きっちりお礼ば言うてきたけん、もういつ熊本に連れ戻しても構わん。は~はははは!」と言っていましたが、四三は父と同じ様に嘘をついたのだと思います。その晩、四三は実次の枕元で過ごし、自分の足をなでながら「そろそろ潮時ばい」とつぶやきました。
政治、30歳を超える
落語家をクビになった孝蔵は、家でゴロゴロしていました。孝蔵とおりんが大ゲンカし、おりんは家を出ていきます。孝蔵は酒をあおりながら「こんな甲斐性なしの飲んだくれの世話してくれんのは、三千世界ひろしと言えどかあちゃんしかいないんだよ」と言うと、戸口にいたおりんがそのつぶやきを聞いていました。おりんは鼻の下をおさえてうつむき、「私は…寄席に出て欲しいんですよ。高座に上がって欲しいんですよ、それだけなんです」と言います。
関東大震災から7年が経ち、帝都復興祭がにぎやかに行われました。10年後の昭和15年に行われる起源2600年式典に何をやるか、東京市長の永田(イッセー尾形さん)は悩みます。そこで秘書が「オリンピックなんかどうでしょう」と提案。永田は乗り気になります。
そして日米対抗戦が決定し、政治はスポンサー探しに奔走します。プロモーションとして、高石や鶴田らをラジオに出演させました。高石のしゃべりを横取り、政治がどんどん話します。司会のアナウンサー(トータス松本さん)が「自分の田畑さんと同じ32歳で…」と言った時、政治は自分が30歳を超えたことに気が付き、驚きました。
そしてバー・ローズに「よくも騙しやがったな、占いババア!」と、怒鳴り込みます。「おれはもう32だ。忙しすぎて自分の歳数えるの忘れてたんですよ、あはははは!」と笑います。そして上司の緒方(リリー・フランキーさん)に、「結婚したいんで、女紹介して下さい!」と頼みました。
さようなら、金栗四三
四三は熊本に帰ると決め、体協事務室で嘉納(役所広司さん)に報告します。嘉納は引き止めますが、兄が急死し母も高齢であることを理由に断りました。嘉納は「あんなに元気だったのに」と、実次の死を惜しみます。そのセリフで、実次が嘉納に会っていたことを知りました。実次は嘉納の道場を訪れ、「嘉納先生、弟がお世話になり申した」とお礼を伝えていたのです。兄は嘘をついていなかったのだと、涙ぐみました。
そこに政治がやってきました。嘉納が席を外し、2人で気まずい雰囲気でしたが、政治が口を開いて「あなた今まで3度のオリンピックに行かれましたな?その中で一番のオリンピックの思い出は?」と聞きます。四三は「えー、何だろね~」と首を傾げると、ストックホルムの興奮と悔しさが蘇りました。しかし口から出た言葉は、「紅茶と甘いお菓子が美味しかったねえ」でした。それはレースで倒れた時に地元の人が口に運んでくれたお菓子のことなのですが、政治には何のことか分かりません。政治が「もう結構です」と呆れると、四三は席を立ちました。
「いい大人が甘いお菓子だって。まあでもね、何しろ元祖ってのは偉えや。初めて世界で戦った日本人だからね。元祖オリンピックは、三千世界ひろしと言えど、金栗四三ただ1人だ!」と、政治が長い独り言を言うと、まだ扉の前にいた四三と目が合いました。「まだ行かねえのかい!」と突っ込むと、四三は涙ぐみながら「さようなら」と言い、いよいよ立ち去ります。
次回の第28回は「走れ大地を」。
政治は「勝ち負けがすべてだ!これはアメリカとの戦争だ!」と言って、日米対抗戦に挑みます。
果たして勝負の行方は?一方、世間では満州事変が起こり、政治家は「言論の自由はいずれ軍に奪われる」と予言します。
物語は激動の昭和史に突入。東京にオリンピックを呼ぶ計画は、どうなるのでしょう。次回も楽しみです。
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