日本に自生するランの仲間に、トキソウという植物があります。
桃紫色の花が可愛らしく、まるで朱鷺が飛んでいるかのように可憐な花です。
そんな見た目の可愛らしさから、栽培を楽しんでいる人も多くいます。
初心者でも栽培出来るランですが、育てるには少しコツが必要です。
ここでは、トキソウの特徴と育てる時のポイントをご紹介いたします。
トキソウってどんな植物なの?
ラン科トキソウ属に分類されています。
日本の日当たりの良い湿地に自生していますが、開発のため湿地が消滅したり、盗掘や乱獲もあるため、数がとても減ってしまっているのが現状です。
日本各地で、絶滅危惧種に指定されているほどです。
根茎は地下で横に広がり、地上にはところどころに茎を立てています。
10~30cmほどの花茎を立て、5~7月に桃紫色の花をつけます。
その色がまるで朱鷺の翼の色みたいなので、トキソウと名付けられました。
育て方のポイント
鉢植えで管理することをおすすめします。
日当たりの良い場所に置き、水をしっかり与えましょう。
湿地の植物なので、水切れには注意して下さい。
特に夏の水切れは、絶対に避けましょう。
植えつけ
2~3月が、植え付ける時期に適しています。
この時期を逃すと、発芽の遅れから花が少なくなってしまいます。
鉢は平鉢にしましょう。
トキソウは根が横に広がりますし、通気性も良くなるのでおすすめです。
直径12cmの鉢に、10~12芽くらい植えるのが丁度良いでしょう。
用土
水ゴケや鹿沼土がおすすめです。
水ゴケは管理が簡単なかわりに、株分けの時に少しだけ面倒かも知れません。
その点、鹿沼土は株分けの時に楽です。ただ、乾燥しやすいので水切れに要注意です。
日頃の管理方法
植え付けてから50日くらいで蕾が出てきます。
日当たりの良い場所で、しっかりと蕾を育てましょう。
蕾が色づいて来たら、雨が当たらないよう気をつけて下さいね。
軒下に移動させても良いですが、日光によくあてるように配慮しましょう。
鉢の場所は、地面から1mくらい高い場所がおすすめです。
ここならナメクジも来にくいですし、雨による泥はねも防げます。
肥料
植え付け終わった時に元肥を与え、発芽後からは月2回のペースで追肥をします。
花が終わったら
花が終わってからも、しっかりと日に当てましょう。
そして、決して乾き過ぎないように気を付けて下さい。
秋には、受け皿に水を溜めて管理(腰水)すると楽です。
冬は水が凍らない場所に移動させましょう。
最後に
朱鷺色の花を咲かせる、とても可愛らしいトキソウについて、特徴と育て方のポイントをまとめました。
乱獲などにより絶滅の危機にありますが、日本に自生するランなので温度管理は楽でしょう。
気を付けることは、絶対に水切れさせないようにすることです。
腰水にして管理する場合は、水が腐ったりお湯になったりしないように気をつけて下さいね。
病害虫の被害はほとんどないですが、株元のムレが原因で腐ったりナメクジにやられたりします。
気をつけるポイントはいくつかありますが、とても可愛らしいお花なので是非挑戦してみてくださいね。