食虫植物の仲間に、ムジナモと呼ばれるものがあります。
日本では国の天然記念物にも指定されており、とても希少な植物です。
ムジナ(ニホンアナグマ)の尻尾に似ているのが、名前の由来です。
栽培するには難易度が高いのですが、とても個性的な特徴を持ちファンが多い植物でもあります。
今回は、そんなムジナモについて、特徴や栽培方法をご紹介していきます。
ムジナモって、どんな食虫植物?
大変珍しい食虫植物で、池や沼の浅い場所で育ちます。
ムジナモに根はなく、水に浮遊しています。
二枚貝のような形の葉をしていて、そこでプランクトンを捕らえます。
捕らえる時のスピードは、なんと0.02秒!こんなに速い動きをする植物は、おそらく他には無いでしょう。
日本で最初に発見されたのは、1890年のことです。今では野生種は絶滅しています。
1967年、埼玉県の宝蔵寺沼のムジナモが嵐で流されたのが最後でした。
残された栽培個体を元に、復活させる努力が続けられているそうです。
円柱状の茎を持ち、長さは30cmくらいになります。50cmを超えるものもありましたが、大きくなると端から茶色くなり枯死していきます。
ムジナモの栽培方法
ムジナモの栽培難易度は高いのですが、挑戦している人も多くいます。
日光が好きなので、日当たりの良い場所に置きましょう。
容器は深めにし、弱酸性の水質と貧栄養がポイントとなります。
底土に抽水植物を植えたら、稲藁を入れます。こうすることで、弱酸性の水になります。
稲藁の代わりに、無調整ピートでも良いでしょう。
アオミドロが増えると、ムジナモが弱ります。アオミドロはこまめに取り除きましょう。
タニシやヌマエビで、多少抑制出来ます。
突然調子を崩すことも!
ムジナモは環境が合えばどんどん増えて、数十倍になることもあります。
ですが、水質の変化に弱いので、ちょっとしたことで調子を崩してしまいます。
たくさん増えて調子が良いと思っていたら、突然全滅することもあります。
何年も良い状態を保つのは、とても難しいと言われています。
最後に
大変珍しい食虫植物であるムジナモについて、その特徴と栽培方法をご紹介しました。
元々日本に自生していましたが、今では絶滅しています。
栽培によって増やすのも、難易度が高いとされており、非常に育て甲斐があるとも言えますね。
栽培する時に一番大変なのは、水質の安定とアオミドロの発生対策です。
この2つさえクリア出来れば、どんどん増えてくれますよ。