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西郷どん 第47回「敬天愛人」のあらすじとネタバレと感想。

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前回の第46回「西南戦争」では、ついに西南戦争が開戦します。

西郷軍は東京を目指しますが、政府はあらかじめ戦の準備をしており、熊本で足止めされました。

勅書が出て西郷軍は賊軍となり、ついに政府軍と西郷軍は激突。戦いの中、小兵衛(上川周作さん)は命を落とし、菊次郎(今井悠貴さん)は右足を失いました。

政府の兵力は圧倒的で、西郷軍は1万3千から3千5百までに減ります。

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宮崎まで追い詰められ、もはやここまでと思った隆盛(鈴木亮平さん)は「生きたかもんは降伏してから生きよ。死にたかもんは死にやんせ」と、皆に伝えました。

前回の第46回「西南戦争」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。

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それでは、第47回「敬天愛人」のあらすじと感想です。

目次

決戦の地、鹿児島へ

場面は明治37年、菊次郎(西田敏行さん)は知事室に父・隆盛の書『天敬愛人』を掲げます。「父、西郷隆盛は、あの大きな体で、熱い心で、ご維新から取り残された侍たちを抱きしめ、飲み込み、連れ去りました」と、西南戦争を振り返りました。

明治10年8月17日、負傷者を延岡に残して、西郷軍は終焉の地と定めた鹿児島に向かいます。ひたすら山道を進み、その距離は450kmにも及びました。城山にたどり着いて桜島と錦江湾が見えたとき、兵士たちは歓喜の声を上げます。

軍服を燃やした隆盛は、白っぽい着物に股引姿。桐野(大野拓朗さん)は度重なる転戦で着替えを余儀なくされ、黒っぽい羽織袴姿です。桂武久(井戸田潤さん)も参戦、上級武士らしく狩装束で弓矢を持ちます。文官だった村田新八(堀井新太さん)は軍服を持っておらず、フロックコート姿です。補給がない西郷軍は、誰も彼もボロボロの格好でした。

西郷軍は、少ない人数ながらも威勢よく政府軍に突撃。しかし、政府軍は圧倒的な兵力に、山の上に押し戻されます。

糸(黒木華さん)と菊次郎、熊吉(塚地武雅さん)は、従道(錦戸亮さん)に連れられ家に戻ることができました。琴(桜庭ななみさん)は従道に「信吾、すぐに戦を止めてくいやい」と頼みます。しかし従道は「無理じゃ」と、ばっさりと断りました。琴は怒り「私は許さん!2度と薩摩の地を踏むな!」と怒鳴ります。隆盛の次男・寅太郎(古舘緩樹くん)も「叔父上、父上を殺さんでくいやせ!」と頼みますが、糸は「いけもはん!命乞いなど西郷家の恥になりもす」と、嗜めます。

夜、怪我した兵士のむせび泣きが聞こえる中、村田新八がアコーディオンを取り出し「御一同、お気に召したら、ここに投げ銭を」と演奏を始めました。ラ・マルセイエーズの勇ましいリズムに、皆が手拍子をして、紙幣を投げ込みました。西郷軍の生き残りは、372人でした。

利通(瑛太さん)は、東京を去るときに隆盛が渡した『Cangoxima』と書かれた包み紙を見つめていました。幼き頃の思い出や、隆盛や言葉が利通の頭をよぎります。

降伏か、死か

西郷軍が包囲されて4日が過ぎました。指揮を執る山県有朋(村上新悟さん)は、大恩ある隆盛にとどめ刺すことを躊躇します。そこで川路利良(泉澤祐希さん)が、降伏の呼びかけを提案しました。

西郷軍のもとに文書を届きます。「大久保卿が総攻撃の命令を下した。明朝4時。ただし、本日夕方4時までに降伏すれば、賊・西郷隆盛の命を助ける」…皆が動揺し、隆盛に降伏を勧めます。

その頃、東京では博覧会が開かれ、外国人が大勢招待されていました。美しい工芸品や美術品が、県ごとに並びます。しかし、鹿児島の棚だけは、何も置かれていませんでした。

期限である夕方5時が近づきます。隆盛は「こん国から戦を無くすためにも、オイは死なねばならんとじゃ。オイが死ねば、日本国中の士族がたちが、ようやく別の生き方をみつけようとすっと。オイの死と共に、新しか日本が生まれっとじゃ」と言って、文書を破りました。

博覧会場に鹿児島からの電信が届き、利通は呆然とします。得賞歌に促されるように、利通は演説台に登りました。来場者に向けて日本国の産業について、言葉に詰まりながらも演説をしますが、隆盛への思いで頭が一杯になってしまったのか、途中で会場を去ってします。

最後の戦い

その夜、総攻撃を控えた西郷軍は、酒を飲んで楽しげに笑っていました。隆盛は一人になると、かつての主君・島津斉彬から授かった短刀を取り出します。子供の頃初めて斉彬と出会ったとき「侍が刀を2本刺してそっくり帰る時代は終わるんだ」と言ったことを思い出します。隆盛は「ようやく、殿の言われた時代が来ますな」とつぶやき、微笑みました。

明くる早朝4時。大砲の弾が近くに当たり、それを合図に「チェストー!気張れー!!」との掛け声で、全員が政府軍に突撃していきました。

兵士たちは、集中砲火を浴び、次々と倒れます。桂武久は、弓を放って敵を射抜いた直後、銃弾に撃たれて倒れました。桐野は肉薄する敵を刀で切りつけながら「オイを誰がか知っとっとか。人斬り半次郎じゃ!」と叫びます。その背後を、川路利良が鉄砲で撃ち抜きました。桐野は振り向いて川路の顔を確認した後、木の板で体を支えながら立ったまま絶命。村田は、もはやこれまでと悟ると、傍にあった刀で腹を切り自害します。

隆盛がおぼつかない足取りで敵に向かって進み、刀を上段に構えたとき、腹に銃弾が当たりました。

隆盛、死す

しばらくして、砲弾の音が止みました。糸は庭に出て、戦場の方に向かって「おやっとさあでございもした」と、静かに頭を下げます。

利通は自宅に戻ると、カバンを落として膝から崩れ落ち「ああー…、吉之助さあ」「吉之助さあーー吉之助さあーーーー」と叫びながら涙を流しました。自分の意思で隆盛を死に追い込みながらも、本当は殺したくなかった…という気持ちだったのではないでしょうか。

隆盛の死は、新聞によって全国の人々に知らされました。慶喜(松田翔太さん)は「俺みたいに逃げればよかったんだ」と唇を噛みます。市井の人々は、赤く輝く火星を見つけ、西郷星だと手を合わせます。勝海舟(遠藤憲一さん)は「とうとう星になっちまったか」と、つぶやきました。奄美大島で暮らす愛加那(二階堂ふみさん)は、西郷星に向かって唄を唄います。

菊次郎は、右足に木製の義足を取り付けました。糸は「こいからの国作りは、オハンらに託されちょう。逆賊・西郷隆盛の子であることを、恥じることはありもはん」と、子供らに隆盛の最期の言葉を伝えます。

その翌年、利通が暗殺されます。紀尾井坂の手前の清水谷で、利通の乗った馬車が襲撃されました。馬車から引きずり降ろされた利通は、何度も切りつけられました。「オイはまだ死ねん、やらねばならんコツがある。まだ、まだ…」と言って、命を落とします。手に持っていた『Cangoxima』と書かれた包み紙が、風で飛ばされました。

そして、オープニングテーマと共に、子供時代、青年期、幕末、戊辰戦争と、隆盛と利通の思い出のシーンが切り出されます。そして明治になって2人はすれ違い…。『西郷どん』のタイトルが出た後、隆盛の臨終の場面となりました。隆盛は腹を撃たれ、うつ伏せに倒れていました。砲弾の音は聞こえず、鳥のさえずりだけが耳に届きます。苦しみながらも仰向けに体の向きを変えると、晴れた空が見えました。「もう、ここらでよか」とつぶやき、隆盛は目を閉じます。『完』の文字とともに、物語は幕を閉じました。

最後に、感想

1年間、毎週楽しませてくれた『西郷どん』、感動の最終回でした。

私は、明治の英雄がなぜ西南戦争という日本最大の内戦を引き起こしたのか、疑問でした。

戦好きの人間だったのか、それとも政府に相当の恨みを抱いたのか…。

1年間ドラマをじっくり見させてもらい、侍の世を終わらせるために現れた人物だったのだと、思うようになりました。

とても優しい、けれど頑固な。西郷隆盛とは、誰からも愛される魅力を持った人物で、それ故に、自ら作り出した歴史の波に揉まれてそのまま消えていったような、そんな人生だったと思います。

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