梅雨から夏にかけては、食中毒に要注意。きっと、みなさんそう思っているでしょう。
特に傷んだり腐ったりしたものは、食べないようにしよう。そう気を付けていたはずなのに、突然襲ってくる腹痛、嘔吐、下痢。一体なぜ?どの食べ物が原因なの?
お腹の調子を整えるためにも、食中毒になったらヨーグルトがいいって聞いたけど本当なの?
改めて食中毒について知り、適切な対処をしましょう。
果たしてヨーグルトは、食中毒の対処方法として正しいのでしょうか?
食中毒とは?その原因は?
食中毒とは、食べ物を原因として腹痛、嘔吐、下痢などの症状が出ることです。
食中毒の主な原因は、傷んだり腐ったりした食べ物ではありません。食材に混入する細菌やウイルスなのです。
臭いや味に変化がないので細菌やウイルスの付着には気付きづらく、菌により体内潜伏期間が異なるので、いつ食べたどの食材が食中毒の原因なのかは分かりづらいです。
この細菌やウイルスは、高温多湿で発生・繁殖するので、梅雨や夏の時期に食中毒が発症しやすくなるのです。
また、加熱殺菌処理が不十分な食べ物を摂取したときにも発症しやすくなります。
食中毒の主な原因となる菌の代表的なものは、鶏肉などから感染するカンピロバクター菌、食肉や卵から感染しやすいサルモネラ菌、お米など穀物に感染する黄色ブドウ球菌などです。
その他、O-157やノロウイルスなども食中毒を発症させます。
食中毒の治療方法
食中毒の一番の治療方法は、実は自然回復なのです。
食中毒初期段階の嘔吐や下痢は大変苦しいものですが、この嘔吐や下痢により体内に入り込んだ細菌やウイルスを排出しているのです。
もし、ここで吐き気止めや下痢止めなどの薬を服用してしまうと、胃や腸の排出運動を止めてしまい、却って症状を長期化、悪化させてしまいます。決して、市販の吐き気止めや下痢止めなどの薬は、飲まないようにしてください。
嘔吐や下痢が続くと、脱水症状となってしまいます。食中毒の初期段階ではスポーツドリンクなどを飲み、水分とミネラルを補給しましょう。
食中毒の初期は、無理して食べて胃や腸に負担をかけるよりは、しっかりと水分補給を行うことが大切です。
食中毒とヨーグルト
さて、食中毒になってしまったときに、胃腸の働きを整えるヨーグルトは果たして効果的なのか、無理してでも食べた方がいいのか、悩むところだと思います。
まず、嘔吐や下痢が続く初期段階ではヨーグルトの摂取は逆効果です。食中毒の初期段階では、胃腸の動きが異常に活発化されています。
そのタイミングで整腸作用のあるヨーグルトを摂取してしまうと、胃腸の負担を増大させてしまいます。まずは胃腸を休め、正常な動きに戻すことが大切です。
食中毒発症後、2~3日嘔吐や下痢の症状が続くと、だんだんと胃腸の動きも元に戻っていきます。
ヨーグルトを摂取するタイミング
食中毒発症から3日目くらいになると、おかゆなど胃腸に優しいものを少しずつ摂取できるようになります。嘔吐や下痢の症状も落ち着いてくるでしょう。
この回復期こそが、ヨーグルトを摂取するタイミングです。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が、腸の環境を整えてくれます。胃腸が少しずつ回復してきたら、ヨーグルトを摂取して胃腸の動きを正常化していきましょう。
ヨーグルトで食中毒予防
実はヨーグルトに一番期待できるのは、食中毒の予防なのです。
ヨーグルトに含まれる善玉菌の1つであるビフィズス菌には、食中毒の原因となる悪玉菌を排除する働きがあります。
また、ビフィズス菌には免疫力を高める効果もあるので、悪玉菌が体内に侵入したとしても、食中毒の発症を抑え治癒や回復を早めることができるのです。
定期的にヨーグルトを摂取することで体内のビフィズス菌などの善玉菌を増やし、免疫力を高めておきましょう。
ビフィズス菌はオリゴ糖を栄養源として増殖するので、ヨーグルトを食べるときはオリゴ糖を含むハチミツやバナナと一緒に食べるとよいでしょう。
最後に
発症すると、かなりつらい食中毒。
いくら食材に気を付けていても、特に夏の時期は細菌やウイルスが発生しやすく、食中毒を引き起こすことがあります。
食中毒の対処方法、大切なのは次の3点です。
- 発症初期は、ヨーグルトを摂取せずにスポーツドリンクで水分補給。
- 嘔吐や下痢が続いても市販の薬は飲まない。
- 少しずつ回復してきたらヨーグルトを摂取して胃腸の調子を整える。
そして日頃からヨーグルトを摂取することで、体内のビフィズス菌を増やし免疫力を高め、食中毒の予防をしましょう。
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