前回の第12回で、幾島(南野陽子さん)や吉之助(鈴木亮平さん)たちの働きで、篤姫(北川景子さん)の輿入れが決まりました。
将軍は大うつけで病弱、夫婦のこともかなわない体だと知らされ、ショックだった篤姫。そのタイミングで安政の大地震が発生。夜半におきた地震によって薩摩藩邸も被害にあいます。吉之助は篤姫の寝所に駆けつけ、余震で倒れる柱から身を挺して篤姫を守りました。
篤姫は「西郷、一緒に逃げてたもせ」といい、吉之助も「分かりもした。逃げもそ」と答えます。まるで駆け落ちのよう…。しかし幾島が現れると篤姫は正気に戻り、輿入れへの覚悟を決めたのでした。
今回はいよいよ、篤姫の輿入れです。
前回の第12回「運の強き姫君」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第13回「変わらない友」のあらすじと感想です。
いざ大奥へ
大地震で輿入れ道具のほとんどは壊れてしまいました。輿入れは延期に。藩主の島津斉彬(渡辺謙さん)は吉之助に、1年で道具を再びそろえよと命じます。吉之助は江戸中を走り回り、見事に道具を用意したのです。
安政3年11月11日、篤姫は江戸城へと出発します。斉彬は薩摩の守り神の「白狐の前立て」を篤姫に渡します。庭で控える吉之助と目が合うと、篤姫は小さくうなずきました。この次に2人が会うのは、幕府が終わろうとする激動の時になります。
篤姫は女中らに輿で担がれたまま、大奥へと入ります。まさに『輿入れ』です。部屋に輿が降ろされた瞬間、御簾を上げて中を覗き込む男が。彼こそが将軍・家定(又吉直樹さん)です。篤姫は慌てて輿から下ります。家定はいきなり「丈夫か」と聞き、篤姫は「はい」と答えます。続けて「死なぬか」と聞き、「はい、滅多なことでは。薩摩の女子でございます故」と返すと、家定は安心した顔でスタスタと立ち去りました。篤姫はこれが将軍様…とあっけにとられた様子です。
殿の夢と、僧・月照
その頃、薩摩藩邸では斉彬が吉之助に「飲むぞ、西郷」と、酒を勧めます。吉之助は恐れ多いと断りますが、強引に縁台で飲むことに。薩摩切子の美しいグラスに焼酎を注ぐ斉彬。薩摩切子も焼酎も、薩摩に斉彬が作った最新の工場『集成館』で作られたものでした。この技術を職人に伝え、生産品で貿易を行う。それにより民が潤う。斉彬の産業改革の構想に吉之助は「殿の夢が果てしなくてとてもついていけもはん」と、憧れの眼差しで斉彬を見上げます。
参勤交代により、斉彬はまもなく薩摩に帰ることに。吉之助らも一緒に帰郷します。途中、京都の近衛家に寄りました。近衛家は名門の公家で、島津家とは姻戚関係の親しい間柄です。斉彬が近衛家当主・忠煕(国広富之さん)に挨拶をすると、月照(尾上菊之助さん)が訪ねてきました。月照は京都で尊王運動をする僧侶。吉之助は彼の優しげで優美な姿に、見とれた様子でした。
正助の結婚
久々に薩摩に戻った吉之助。家族に暖かく迎えられます。しかし吉之助を江戸に出した借金の返済で家計は火の車。なんとか内職を増やしてしのいでいる状態です。
夜は郷中仲間らと酒盛りです。吉之助の江戸での活躍は薩摩にも伝わっており、皆は盛り上がって詳しい様子を聞きたがります。吉之助が、すべては殿の命令であり軽々しく口にすることはできないと強い口調で断ると、一堂静まりかえりました。空気を変えるように、大久保正助(瑛太さん)が「恥ずかしながら、嫁をもらうことになりました」と結婚を報告。結婚祝いだと、再び場が盛り上がりました。
翌日、正助の嫁となる女性・満寿(ミムラさん)はどんな人なのかと、仲間たちが家を覗きに来ました。そこに正助が来て「なにしちょっとか」と咎めます。「吉之助さは天下国家の大事を担うお人じゃ。オイの嫁取りなど、つまらんことで煩わすな」と言ったところに、当の満寿が現れました。「大久保様。つまらん縁談なら無理することはなかです。お取り消しになさってたもせ。」と、機嫌を損ねた様子。
あわてて吉之助が「正助どんは軽々しくことを決めるような男ではありもはん」と、フォロー。吉之助は、正助は必ず天下国家の為に働く大人物になる。江戸や京に出て、何ヶ月も家をあけることがあるだろうと説明。「満寿殿は、あとをしっかり守れもすか」と吉之助が聞くと、満寿はきっぱりと「はい」と返答。結局、相思相愛の仲だったようです。
フォトグラフ…カメラを城に持ち込んで、側近の山田(徳井優さん)を撮影する斉彬。薩摩の城では斉彬の西洋趣味が全開です。島津家では斉彬に男児が生まれました。跡継ぎ誕生を祝う義弟・久光に「この国がなくなるかもしれない大事を前に、家がどうのこうのと言ってる場合ではなかろう」と、斉彬は答えるのでした。
再び江戸へ
正助の祝言は、みなで盛大に祝いました。吉之助は、斉彬に呼ばれて、城に。なんと、一橋派の老中・阿部正弘(藤木直人さん)が死んだのだそうです。斉彬は「阿部が死んだ以上、慶喜を推すのは一旦取りやめせねばならん」と言います。そして再び江戸に発つので、西郷も共に来るよう言います。吉之助は「殿、恐れながら一つお願いがあります」と申し出ました。
夜、祝言が終わった大久保家を訪ねます。また江戸に行くこと、そして正助と一緒に熊本に行けるよう、殿にお許しをもらったと告げます。しかし正助は「オイがいつそげなこつ頼んだ?」と怒り出しました。「よかぶんな!」と大声で怒鳴り「上か人を見下ろして、江戸へ連れてってやるとか、熊本までとか恩着せがましか!」。吉之助も「オイはオハンのこつを思うて!」と、襟首をつかみ合う状態に。正助は「顔も見たくなか。オイの前から消えてくれ」と、ケンカ別れになってしまいます。
吉之助が再び江戸に発つ日。満寿は正助の旅支度を整えていました。「祝言の夜、聞いてしまいもした。今ならまだ吉之助さに間に合いもす」という満寿。正助の父も「今、吉之助を追わんなら、ワイの将来は開けん」と、熊本行きを勧めます。
2人に後押しされ、薩摩を出るの決意をする正助。急ぎ旅支度をして、走って追いかけると、吉之助が戻ってきました。吉之助が「忘れもんをした。オハンじゃ。大久保正助を忘れてきた」と言うと、正助は泣き崩れます。2人は「行っど」「行っど!」と、走り出しました。
次回は第14回「慶喜の本気」。
再び江戸に戻った吉之助は、一橋派の同志である橋本左内と共に、一橋慶喜擁立のために立ち回ります。
次回より、吉之助は斉彬の命ではなく、自分の意志で動き出します。さらに成長した吉之助の活躍が楽しみです。
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