江戸にきて郷中仲間や懐かしい人と再会、そして尊敬する藩主・島津斉彬公から御庭方という役目を与えられた吉之助(鈴木亮平さん)。
さらに今後の日本の行方を左右する重要人物・一橋慶喜(松田翔太さん)との運命的な出会いがありました。
ついに西郷吉之助の運命が動き出します。そして、篤姫の運命も動き出すようです。
前回の第9回「江戸のヒー様」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第10回「篤姫はどこへ」のあらすじと感想です。
ヒー様が将軍に?
小石川にある水戸藩邸から芝にある薩摩藩邸に戻った吉之助は、藩主・島津斉彬(渡辺謙さん)に事の次第を報告。斉彬は「水戸のご隠居様はわしの書状をお破りになったか。はっはっは」と笑い飛ばし、「一橋様と昵懇(じっこん)になれるか」と、新たな任務を与えます。
近くの建物から、遠眼鏡でこちらを伺う篤姫(北川景子さん)と虎寿丸(藤本悠希くん)。そこに薩摩にいる篤姫の実の父・島津忠剛が亡くなったという知らせが届きました。
吉之助は「ヒー様」がいた磯田屋を再び訪ねます。郷中仲間の有村(高橋光臣さん)・大山(北村有起哉さん)も一緒です。華やかな旅籠に似合わない険しい顔で探すと、前と同じ様に多くの飯盛女を侍らせていました。ヒー様は女性たちを部屋から下げます。「恐れながらあなた様は…」と吉之助が聞くと、「ああ、俺が一橋慶喜だ。こんないい男が世の中に2人もいるわけなかろう」と、自信たっぷりの物言い。先手を打ったように「俺は将軍にはならんぞ」と、島津にそのまま伝えるように言います。
その時、有村・大山のいる部屋で、飯盛女の1人・タマ(田中道子さん)が倒れ旅籠は大騒ぎに。医術の心得があるという男(風間俊介さん)が、タマの腕に短刀を当て血を出すと、様態がすーっと落ち着きました。その男は「瀉血という西洋の療法です」と言います。吉之助たちが名を尋ねますが「このような場で名乗るのは無粋です。どうかご勘弁を」と立ち去ります。
篤姫、行方不明に
藩邸に戻った吉之助が一橋慶喜の言葉を斉彬に伝えると「一筋縄ではいかぬお人じゃ。引き続き動向を探れ」と言います。そこに側近の山田(徳井優さん)が慌てて報告、なんと篤姫がお寺の参詣中に逃げ出してしまったのです。斉彬は、吉之助に篤姫を探すよう命じます。
吉之助が町中を探しまわると、篤姫の着物を着た女性を見つけますが、人違い。篤姫はその女性と着物を取り替えて逃げた様子。どこに行ったのか聞いて海岸を探すと、砂浜で海を眺めている篤姫を見つけました。
篤姫は、今和泉の父が亡くなった、せめて1回だけ国元の父にお会いしたかったと、寂しそうに話しました。吉之助が「悲しかときは泣いたらよか」と言うと、篤姫は「父上――!父上――!」と泣き叫びました。篤姫の感情が伝わり、吉之助も涙します。しばらくして落ち着くと篤姫は吉之助にお礼をして、「我らだけの秘め事じゃぞ」と、いたずらっぽく言うのでした。
藩邸に戻った篤姫は、手をついて頭を下げ「お父上様、此度の不始末、何卒お許しくださいませ」と謝ります。斉彬は、隣に座って背中をぽんと叩き「良う戻った」と、咎めませんでした。
篤姫指南役・幾島の登場
斉彬は篤姫に「輿入れ先は徳川家定公。紛うことなき公方様じゃ」と伝えます。将軍の正室は代々、皇族から迎えることが通例。外様から迎えることは、とてもめずらしいことです。篤姫の教育係として京の近衛家より、幾島(南野陽子さん)という女性を呼び寄せました。吉之助に「控~えよ」という独特の声をかけつつ、「幾島、只今罷り越しました」と、キリリとした丁寧な京訛で挨拶。篤姫付きの側用人を命じられた吉之助は「篤姫様をお守りもす」と返答、篤姫も「西郷、頼みもす」と返します。薩摩訛が気になる幾島は「もす・もす・もす・もすばっかりや、これは先が思いやられます」と、チクリと刺します。
幾島は薩摩言葉を直すよう命じ、大奥のしきたりなどから、琴、薙刀、さらには世継ぎを産むためにと男女の秘め事まで、幅広い事柄を厳しく指導します。
蘭方医・橋本左内
吉之助が部屋に戻ると、磯田屋で出会った医者が待っていました。吉之助の部屋には、世界地図やペリーの似顔絵などが貼ってあります。彼は越前福井藩医・橋本左内と名乗ります。吉之助の腰の短刀を見て、藩主の密命を担う役目だと見抜いていました。そして自分も藩主の密命で動いていることを告白、書状を渡します。内容は「一橋慶喜様を次の将軍と成し奉る謀でございまする」だと言われ、吉之助はびっくりします。
橋本左内は「薩摩守様は幕府のしくみを根本から変えようとしておられる」と、斉彬は衆議一致…つまり外様も政に加わることの出来る体制にしようとしていると説明。篤姫が跡継ぎを産めば、一橋慶喜を擁立する必要は無いのではと不思議に思う吉之助。橋本左内は、家定は身体が弱く、長くはない。篤姫が生んだ子があとを継いでも、天下に万が一のことがあっては幼子では対応できない。そのため、聡明な一橋慶喜が将軍になることが必要なのだと推測します。
将軍・家定は、写生している柿が落ちただけでも、パニックになるような男。病弱な上に知能も弱い様子…。ここまで話して、吉之助が何も知らないと気づいた橋本左内は「こんな男をかいかぶっていたとは」と言って部屋を去ります。
篤姫が世継ぎを産んで幸せになることを願う吉之助は「どげんこってございますか」と、疑問を斉彬にぶつけます。すると斉彬からは「篤姫は不幸になる」という意外な一言が…。
幾島役のキャスティングは、一騒動の上、南野陽子さんになりましたよね。ちょっと上から目線の幾島で、いい感じだと思いました。
次回は「斉彬暗殺」。
予告では「この大馬鹿者」と怒鳴りながら、斉彬が吉之助を蹴り倒す場面があります。
史実では斉彬が亡くなるのは篤姫の輿入れの2年後なので、暗殺未遂ということでしょうか。緊迫の展開になるようです。
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