祖父の死後、嫁をもらった吉之助(鈴木亮平さん)。
しかしすぐに父と母が亡くなります。
一方、藩主・島津斉彬(渡辺謙さん)は、江戸に連れていく有望な若者の人選を進めます。
同じ郷中の大山(北村有起哉さん)と俊斎(高橋光臣さん)は選ばれましたが、吉之助は選ばれませんでした。
前回の第7回「背中の母」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第8回「不吉な嫁」のあらすじと感想です。
江戸へのお供に
嫁に来てから半年余りで父と母が亡くなり、近所から「不吉な嫁」だと言われていると愚痴をこぼす須賀(橋本愛さん)。吉之助は「おはんは不吉な嫁なんかじゃなか」と慰め、「良か年になりますように」
とご先祖に手を合わせました。須賀は不安げな顔で吉之助を見上げます。西郷家の家計は火の車、須賀は嫁入りの新しい布団は質に出したそう…。
大久保正助(瑛太さん)の謹慎が解け、役目に戻ることに。その1ヶ月後、浦賀にペリーを乗せた黒船が現れます。参勤交代の帰路にその報告を受けた斉彬は、事前に知っていたため驚かず「思ったより早かったな」とつぶやきます。側近の山田為久(徳井優さん)は、平然としている斉彬に、逆にびっくりします。
斉彬は急ぎ薩摩に帰ると、反射炉用のレンガ造り、長崎と江戸に兵を送り、沿岸防護の強化など、矢継ぎ早に指令を出します。斉彬は、有事の際にどこよりも早く兵を出すことで、開国になった時に新しい政の一翼を担うことができると考えているのでした。さらに、於一(北川景子さん)を斉彬の養女に迎えて篤姫と改め、江戸への輿入れについて、指示をします。
しばらくして、吉之助は赤山靭負の弟・桂久武(井戸田潤さん)の屋敷に呼ばれます。斉彬は幕府の老中・阿部正弘に呼ばれ、すぐに江戸に行くことに。そのお供に、吉之助が選ばれたのです。年明けに出発と言われ、吉之助は「ありがたき幸せにございます!」と快諾します。
支度金が無い…
家族に報告すると皆よろこびますが、須賀だけは「私はめでたくなか」と。聞けば、江戸に行くには支度金として30両が必要だといいます。そして「いつ帰ってくっか分からん旦那さんを、借金まみれの家で待つなど、私は御免こうむります」と、不満顔です。
吉之助は夜中の物見台で正助に、内々に江戸行きに選ばれたが断ろうと思っていることを話すと、正助は「ばかなことをいうもんじゃなか」と怒り、庭に降りてつかみ合いに。須賀は「旦那さんは私のために江戸行きを諦めてくれたとでございもす。夫婦のことに他人は口を挟まんでもらいたか」と止めに入ります。正助が「こげな嫁の言うなりになりよって…」と言うと、吉之助は「こげな嫁じゃち!」と殴りかかり、大げんかになってしまいました。
吉之助の弟・吉二郎(渡部豪太さん)たちは、内職を増やし手作りの焼酎を売って、家族総出で金を作ろうと頑張りますが、須賀は「無駄です。こげなことをしても何に役にも立ちもはん。里へ帰らせてもらいもす」と言い放ち、家を出ていってしまいます。
その頃、吉之助は、篤姫一行が指宿から城に行く護衛を行っていました。途中の休憩時、篤姫に呼ばれて砂浜で2人きりに。「御前相撲で賭けに勝たなかったら、私はここにおらなかった」と、お礼を言われます。「お城に上がり、またすぐに江戸に行きます。西郷、次は江戸で会おう」「共にお殿様の為に尽くそう」と篤姫に言われた吉之助ですが、浮かない顔です。金が無い吉之助は江戸に行くことができないのです。
皆で集めた20両
城下では、正助が金策に走っていました。郷中仲間の新八(堀井新太さん)たちにも声を掛け協力してもらいます。以前に西郷家が借金をした商人に、正助が頭を下げて頼むと、5両を餞別としてくれました。家族が作った9両、商人からの餞別で5両、郷中仲間がかき集めたのが11両、あわせて20両を集めることができました。
家に戻った吉之助に、正助は「20両ありもす。こん金があれば江戸へいけもそ」と金を渡します。子供の頃に斉彬にもらった『Cangoxima』と書かれた紙を出しながら「斉彬様と一緒に、江戸へ行け!」と、後押し。吉之助は顔を真赤にしながら「ありがとございもす。おれは江戸へいっとう!」と答えました。ガラッと戸が開くと、家族みんなが喜ぶ顔が。
須賀との離縁
その夕方、須賀とその父が吉之助を訪ねました。父は「吉之助どん、すまん、須賀と離縁してやってくれ」と、離縁の話し合いに来たのです。嫁に来たのであって子守に来たわけではない、吉之助が江戸に行くなら離縁したいと…。これは須賀のわがままだからと、せめてもの餞別にと金を渡します。「こいできれいさっぱり、夫婦の縁を切りもそ。江戸でんどこでん行って、勝手に出世してたもせ」と言い残して、須賀は家を去っていきました。
吉之助は立ち去る彼女の背中に「ありがとな」とつぶやきます。
帰り道、父は「吉之助さは薩摩一の婿じゃち思っちょったが、おはんにはあん男の良さが分からんじゃったか」と、話しかけます。須賀は、優しすぎる人だった、一緒にいたら離れられなくなると答えました。父が「そいでこっちから離縁を申し出て、手切れ金と一緒に江戸に行かせてやったとか」と聞くと、須賀は「日本一の婿殿を、こっちから離縁してやりもした」と強がり、すすり泣いてしまいました。離縁は、自分と一緒では吉之助が江戸に行かないだろうと思った須賀の、最後の愛情表現だったようです。
年明けの安政元年、吉之助は皆に見送られて、江戸に向かいます。正助も「オイもすぐに後を追いかけもす」と、江戸行きを宣言。吉之助は桜島に向かって「いってくっで~!」と大声でお別れをして旅立つのでした。
次回から舞台は江戸に。
なつかしい郷中の仲間と再会、遊郭ではあの借金の形に売られた少女ふきとの再会も。
そして斉彬が吉之助に与えた『庭方役』とは、どんな役目なのでしょうか?
いよいよ吉之助の歴史の表舞台での活躍が始まります。
薩摩編とは違ったストーリーになっていくことでしょう。楽しみですね。
[br num=”1″]
コメント