前回の第6回、謎の漂流者(劇団ひとりさん)の心を開き、土佐生まれの万次郎だと聞き出した吉之助(鈴木亮平さん)。
お手柄として、藩主・島津斉彬(渡辺謙さん)と面会し、大久保家の処分を解くようお願いをしました。
また、吉之助を好いていた糸(黒木華さん)ですが、結局親の勧める相手と結婚することに。
前回の第6回「謎の漂流者」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第7回「背中の母」のあらすじと感想です。
祖父の死
長く労咳(結核のこと)を患っていた祖父・龍右衛門(大村崑さん)が亡くなりました。墓参りで祖母・きみ(水野久美さん)は「吉之助の嫁の顔を見られなかったことだけが、心残りじゃとじいさまは言っとった」とつぶやきます。母・満佐(松坂慶子さん)も「おはんももう24。早よ身を固め、孫の顔をみせてくれや」と、催促します。すると父・吉兵衛(風間杜夫さん)は、思い立ったが吉日とばかりに「伊集院兼善様の、須賀様はどうか」と言いながら、せっかちに歩きだします。
一方、大久保正助(瑛太さん)は未だ罷免の身。郷中の青年たちに勉学を教えながら、赦免の日を待ちます。青年の1人が吉之助の妹・琴(桜庭ななみさん)と目が会うと、照れたように逸らします。正助がその様子に気づきました。
いつもの物見台で、吉之助が正助に藩主・斉彬に赦免をお願いしたことを話します。そこに「吉之助さが嫁をもらわんと、琴さが嫁に行けんじゃろ」と結婚の話題が。史実では琴は19歳、20歳では行き遅れと言われた時代ですので、焦る頃かもしれません。正助は罷免の身の鬱屈もあるのか、唐突に「俺も江戸に行きたか!」と叫びます。
黒船が近づく
「経済の根本は勧農なり。勧農は政の根本なり」という信念を掲げ、新田開発を奨励する斉彬。そこに、アメリカの軍艦が日本に近づいてきているという知らせが届きます。いわゆる黒船来航ですね。幕府は事前に知っており、薩摩藩もその情報を掴んでいたのです。
斉彬は「見込みのありそうなニ才を江戸に連れて参る。選別を急げ」と、家来に命令します。二才(にせ)とは、青年・若い衆のこと。その噂を聞いた郷中仲間は、選ばれれば江戸に行けると盛り上がります。
新田開発の為、泊まり込みで農村を回る吉之助が家に帰ってくる日、白米を炊こうと張り切る満佐でしたが、熱が出て寝込みます。帰ってきた吉之助は、父からこっそりと「じいさまの死病をもらったらしい」と、満佐が労咳(結核)にかかったことを聞きます。
一方斉彬は、幕府に影響力をもたらす策を巡らせます。於一(北川景子さん)は斉彬に呼ばれ、西洋風のテーブルとイスに座ります。於一は「なにゆえ私なのでしょうか?」と養女にした理由を聞きます。彼女がよく食べること、そして運が強いからだと返答。そして「そなたには江戸に行ってもらう。島津家当主の娘として輿入れをして欲しい」、「恐れながらそのお相手は?」と聞くと、「ま、いずれな…」とはぐらかします。
吉之助の結婚
西郷家では慎ましいながら縁組が行われ、美しいが笑わない娘・須賀(橋本愛さん)が吉之助の嫁にやってきました。父は嬉しそうに酒を飲み、郷中仲間も集まって楽しく酒を酌み交わします。宴もたけなわ、皆が部屋を出ていくと、母・満佐は布団を敷こうと須賀に言います。嫁入り道具の布団を敷き、母は「こん家のことを、一刻も早よ、覚えてくれやせ。あまり時が無かかもしれんせ。吉之助と西郷の家のことを、どうかよろしく頼みもす」と、お願いをします。
母も下がり、いよいよ初夜かと思ったら、弟たちが「新しか布団じゃ、ふかふかじゃ~」と乱入。雰囲気ぶち壊しなのでした。
次の日、母は須賀に家のことを丁寧に教えます。なた豆で味噌漬けを作ること、樽2個分もの大量の麦味噌を作ること。吉之助は味噌作りが上手だと言うと「ほんなら、味噌作りは旦那さんに全てお任せしもす」と、あっさり放棄。影で聞いていた琴と熊吉(塚地武雅さん)は、不安顔…。
その夜吉兵衛は、自分も見合いだったが満佐はもったいないほど良い女性だ、見合いでも良い夫婦になれるのだと須賀に語ります。明くる日、朝起きない吉兵衛に満佐が触れると、冷たくなっていました。龍右衛門の死から2ヶ月、あまりにもあっけなく無くなった父。
そして、母も…
藩主・斉彬は、一足先に江戸に向かいます。郷中仲間のうち、大山(北村有起哉さん)と俊斎(高橋光臣さん)が江戸行きに選ばれますが、吉之助は選ばれませんでした。
満佐は「ひとつだけお願いが…」と頼みます。吉之助は満佐を背負って桜島が見渡せる高台にきました。ここは吉之助が生まれたばかりの時、父と一緒に訪れた思い出の場所なのだそう。満佐は「こげん立派になってくれて、一緒に桜島を見ることができて、もう思い残すことは無か」と言います。
満佐は「おはん、江戸詰めの願い、出しちょらんな」と指摘。吉之助は「そげなことなか」と言いますが、「吉之助は昔から、嘘が下手」と。「これからは吉之助の好きなように生きなんせ。あたいは西郷吉之助の母で、ほんのこて幸せでした」と言い、吉之助の背中で眠るように亡くなりました。
半年足らずのうちに、祖父・父に続いて母までも亡くした吉之助。彼の一生の中で、一番悲しい時だったのでは無いでしょうか。
次回サブタイトルは「不吉な嫁」。
予告では須賀が「縁を切りもそ」ときっぱりと言っています。
新婚早々、離婚の危機なのでしょうか?
吉之助の、波乱の人生が動き出すようです。
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