大河ドラマ「おんな城主 直虎」、第45回「魔王のいけにえ」を観ました。
武田との戦い「田中城攻め」で初陣を飾り、間者を捕らえるという功を立てた万千代(菅田将暉さん)は、一万石もの加増と、重臣たちの会議へ参加を許されるという出世をしました。
今回のサブタイトルは「魔王のいけにえ」です。この元ネタは「悪魔のいけにえ」でしょう。1974年公開、アメリカのホラー映画です。テキサスを旅行中の若者達が、ガソリンを分けてもらうために立ち寄った一軒家には、狂った殺人鬼が住んでいた…。その後のホラー映画に多大な影響を与えた、大ヒット作です。未見の方は、是非これを機会に。
前回の第44回「井伊谷のばら」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第45回「魔王のいけにえ」のあらすじと感想です。
家康、男子誕生
万千代が岡崎に届けた書状には、岡崎衆は城に住まず、領地から通えという沙汰が記されていました。口々に厳しすぎると反対の声が上がります。信康(平埜生成さん)は頭を下げて間者について謝りつつ「この上は補って余りある功を立て、浜松に見せつけようぞ」と皆を鼓舞しました。立派な名君ぶりです。
そんな中、浜松にて家康(阿部サダオさん)の側室に子供が生まれます。後に2代将軍秀忠となる男の子です。岡崎に報告すると、信康は明るく受け止め、お祝いのお言葉を述べますが、瀬名(菜々緒さん)は暗く渋い顔。
瀬名は信康に、側室を作るよう勧めます。側室に男子が生まれてもあくまで母親は正妻の徳姫として育てるとのこと。
瀬名からおとわ(柴咲コウさん)に手紙がお届きました。側室に相応しい女性を探して欲しいという依頼でしたが、家督争いに巻き込まれては困ると、紹介を渋ります。和尚(小林薫さん)は「皆の竜宮小僧になると言っておったのに、なんじゃ」と少々呆れ顔です。
徳姫の手紙
徳姫から父である織田信長(市川海老蔵さん)に近況報告の手紙が届きます。側室を持たせるが男子が生まれても母は自分だという約束をしたという内容で、それを読んだ信長は「徳は夫思いじゃのう」と言いつつも、どこか面白くないという表情。
信長の腹心、明智光秀(光石研さん)が信康の元を訪れ、弟が生まれて岡崎の立場が悪くなることを案じ、官位を授かっては、という提案をします。しかし信康は「舅が織田の上様であらせられるというその一事だけで、もう十分なお力添えであります」と、丁寧に断りました。
信康は「舅殿は私を取り込み、ゆくゆくは父上に謀反の1つでもおこさせたいのだ」と、信長の思惑を感じ取っています。
その頃家康は、岡崎衆を城下に戻し、信康を浜松に、家康が岡崎に入ってはどうかと思いつきます。信康に武田との前線である浜松を任せれば、織田の覚えもいいだろうという配慮でした。信長の安土城完成の祝いと共に、その旨を伝えるよう酒井忠次(みのすけさん)を使者に出します。
徳川の織田家への気の使い様を目の当たりにして「なにやら井伊が今川にへいこらしてたのを思い出すのう」「にらまれてはひとたまりもないのでしょうね」と万千代と万福(井之脇海さん)は話します。
酒井忠次がお祝いの品を届けに参上すると、信長はいきなり「いつも弟のようにと思っていると申しておるのに、何故徳川は余を欺こうとするかのう」と、根も葉も無いことを言い出します。偽の徳姫の手紙を見せ、信康が悪行の限りを尽くしている…徳姫の許可なく側室を作り、その上武田と内通していると。
酒井忠次はもちろん否定しますが、信長に徳川ごと反旗を翻していると言われんばかりに迫られ、信康をかばうことができませんでした。
家康の決断
榊原康政(尾美としのりさんがは岡崎に行き、岡崎と浜松の城主交代について報告し「殿は信康殿を第一に考えておいでです」と安心させつつ、側室を持つことや官位を進められた事実を確認します。
浜松で話し合い、信長は官位を与えて手懐けようとしたが、懸命な信康が断ったことで、手駒にならないのならいっそ切ってしまおうと、このような言いがかりを付けてきたのだと推測します。
酒井忠次は「もはや信康様のお首を差し出す他ないのでは」と切り出します。信康を追い込んだ原因である酒井忠次を、家康は許さず「誰のせいでこうなったと思っておる」と怒り「そなたはもう織田に馳せ参じよ」と冷たくあしらいます。
部屋に籠もり碁石を噛んで悔しがる家康に、家康の母・於大の方(栗原小巻さん)が会いにきます。そして「信康をお切り下さい」と言うのです。武家とは家のため、自分や親兄弟、子の命までも人柱として断たねばならないもの。3年ほど前、於大の方の兄を切ったのは、信長の命令でした。家康だけが逃れることはできないのだと説き伏せます。家康は「信康を切ります」と、悲痛な決断をします。
信康、囚われの身に
おとわは瀬名に会いに、岡崎を訪れます。家康が岡崎に来ることを聞き「久しぶりにぼんやり殿とぼんやりできるのですね」と穏やかムード。子宝祈願に木彫りの観音像を献上します。
ところが一転、信康が浜松勢に捕らえられます。榊原康政は「武田と内通したるかどにて、信康様を二俣城へ幽閉した上、死罪とすることとなった」と岡崎衆に伝えます。岡崎衆は口々に私の首でなんとか、私が腹を詰めますが故、と信康を救おうとします。信康は「静まれ!」と一喝し「私は内通などしておらぬ。必ずここに戻ってくる」と残し、岡崎を去ります。
その裏で松下常慶が密かに京を訪れ、今川氏真に密書を届けます。今川の血が流れる信康の危機に「力添えせぬ理由がどこにある」と信康救出の協力を快諾します。
次回は「悪女について」。悪女とは瀬名のことでしょうか?
史実では切腹に追い込まれる信康ですが、ドラマではひょっとして助かったり…?どんな展開になるのでしょうか?
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