大河ドラマ「おんな城主 直虎」第42回「長篠にたてる柵」を観ました。
万千代(菅田将暉さん)が草履番から小姓になろうと奮闘する中、武田軍が遠州に攻めてきます。万千代は初陣を家康(阿部サダヲさん)に願い出ますが、おとわ(柴咲コウさん)によって阻まれたのです。
今回のサブタイトルは「長篠にたてる柵」、元ネタは…多分「戦場にかける橋」ではないかと。1957年の英・米合作映画です。舞台は第二次大戦の日本に占領されたタイ。英国人捕虜と日本軍・大佐の交流を通して、人間の尊厳を描く戦争映画です。
前回の第41回「この玄関の片隅で」を見逃した方は、是非こちらをどうぞ。
それでは、第42回「長篠にたてる柵」のあらすじと感想です。
信長の作戦
初陣は叶わなかった万千代ですが、気を取り直し「丸太で失ったものは、草履で取り戻す!」と草履棚を新しく作り直しました。
武田軍は遠州に攻め込み、長篠城を包囲します。対して徳川と織田の連合軍は、長篠城近くの設楽原にあるものを普請します。
信長(市川海老蔵さん)は家康の嫡男・信康(平埜生成さん)に高価な茶碗を贈りますが「頂くわけにはいきませぬ」と信康は断ります。信康は信長の娘・徳姫と結婚、義理の親子の関係です。信長は信康を「婿殿」と呼び、かなり信頼しているようですね。
徳川の重役の家臣たちに、設楽原では鉄砲を主力として戦う作戦が伝えられます。信長は「徳川が未だ武田に勝てないのは、向こうと同じやり方で戦うからだ。向こうをこちらの望む戦場に引きずり込んでしまえばいい」と、作戦への同意を強要します。
万千代は立派な草履棚を完成させます。そこに小姓頭の若者がきて、武具を手入れしろと命令します。「井伊というのは、戦はからきし。逃げ回っておるばかりじゃったと聞いておる」と嫌味をいう小姓頭。万千代は「それはここ20年のこと」と反論。井伊を馬鹿にした上、武具の手入れを丸投げした相手に苛立ち、小屋中の槍・弓矢を完璧に直してやる!と万千代は意気込みます。万福(井之脇海さん)と2人で、槍の先を研いだり、弓の羽を湯気に当てて整えたり…他の戦国ドラマでは見られないシーンで新鮮です。
鉄砲対騎馬隊
設楽原では、大規模な柵が完成間近です。そこには井伊谷から来た中野直之(矢本悠馬さん)と奥山六左衛門(田中美央さん)の姿が。木が足りないと騒ぐ織田方の家臣に、中野は「あれなる奥山と申すは、木の切り出しを得意とするものに御座います故、私共が間に合わせましょう」と、現地で木を切り出すことに。
織田・徳川の連合軍は、長篠城に奇襲をかけて陽動します。武田勝頼(奥野瑛太さん)はまんまと設楽原へ突撃しますが、柵を設けて待ち構えた鉄砲隊の前に、武田の騎馬隊は為す術もありません。信長の作戦が成功し、織田・徳川連合軍は勝利を収めました。
大河ドラマ「おんな城主 直虎」は小国が舞台のため、大合戦の場面は少ないです。今回の鉄砲隊と騎馬隊の戦いは、いかにも戦国という迫力満点のシーンでしたね。
中野と奥山たちも勝利を祝っていると、使者が来て織田信長に直々に呼ばれます。「じゃから言うたではありませぬか、勝手なことをしていると…」とビビる2人。一体どのような用件でしょうか。
万千代と満福の武具の手入れ
万千代と万福は、家康たちが戦っている1ヶ月間、ずっと武器の手入れをしていました。そこに「長篠は大勝利で終わったらしゅうての。この勢いで遠江の武田方の城にも攻め入るとのこと。急ぎ兵糧と武具を届けろとのお達しだ」との知らせが。
ところが小姓頭は武具を手入れしたのは自分だと嘘の報告をします。万千代は「これらの武具を直したのは、私と万福でございます」と割って入りますが、小姓頭は「井伊殿、気持ちはわかるが、偽りはよくないぞ」と言いくるめてしまいました。
井伊という潰れた家の子であることを馬鹿にされた万千代は怒りが爆発し無念を嘆きますが、万福とノブにたしなめられます。
中野と六左の武功
井伊谷にも、長篠の大勝利が伝えられます。おとわは近藤に呼ばれ屋敷に。中野と六左衛門の2人が材木を調達した活躍の褒美に、信長に高価な茶碗をもらったのです。しかし近藤(橋本じゅんさん)は徳川の頭越しに褒美をもらうのは筋違いだろうと、龍潭寺に寄進します。
おとわは傑山(市原隼人さん)と長篠の設楽原を訪ね、死んだ人々の魂を弔います。まだ死体の転がる設楽原に、おとわの歌うような経が響きます。
色小姓…?
各地を転戦した家康たちが浜松に戻り、万千代は家康の寝所に呼ばれました。万千代は「徳川殿は、そちらは好まぬとお聞きしておったのじゃが…?」と不安に。この時代、武士の男色は一般的でした。
万千代は覚悟して、新しい褌を締め一張羅で寝所に向います。「それがしは、かような契を結んだことはございませぬ故…」と緊張する万千代ですが「あっはっはっは」と家康は大爆笑、「あの槍、弓を整えたのはそなたと万福か?」と。家康は留守中の頑張りを褒めるために呼んだのでした。
「誰も気づいてくださらぬだろうと…」涙目で感動する万千代。家康は万千代ににじり寄り「ここはひとつ、真にそういうことにしてしまおうか」と迫ります。まさかのBL展開なのでしょうか?
次回第43回は「恩賞の彼方に」です。
井伊谷では土砂崩れが起こり、褒美の茶碗のせいではと論争が。
そして万千代はいよいよ小姓に。どんな活躍をするのでしょうか?
[br num=”1″]