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おんな城主 直虎 第29回のあらすじとネタバレと感想。

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毎週日曜日20時から、NHK総合他にて放送中の大河ドラマ「おんな城主 直虎」。

2017年7月23日、第29話「女たちの挽歌」が放送されました。

今回の「女たちの挽歌」というサブタイトルは、香港ノワールと言う新しい潮流を作った記念すべき香港映画の名作で1986年のジョン・ウー監督、主演チョウ・ユンファの出世作「男たちの挽歌」です。たぶん。

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前回は、武田信玄(松平健さん)と今川氏真(尾上松也さん)の仲が決裂し、寿桂尼(浅丘ルリ子さん)の命がけの奔走で、信玄が氏真に和睦の誓詞を書かせたことで、決着をしました。

しかし一方で今川は、武田の天敵、上杉と結び、戦に持ち込ませないように策を講じました。

寿桂尼は、最後の挨拶として、井伊直虎(柴咲コウさん)を含む、今川配下の国衆たち一人一人と会い、自分がいなくなった後の今川を頼みました。

直虎は今川と武田の戦、そのものを避ける策として、徳川家康(阿部サダヲさん)と上杉が結ぶ策を考えつき、実際に徳川に策を伝える書状を送ったところで、前回は終わりました。

前回の話全体を通して大活躍していた寿桂尼は、今回の話の冒頭で、ずっとつけていた帳面に、「我がむくろ 艮(うしとら)に葬るべし。死してなお 今川を守らん」という遺書を残し、この世を去りました。

机に向かったまま亡くなっている姿は、作業途中で少し眠ってしまったかのようでした。最後まで格好良い人でした。浅丘ルリ子さんが見られなくなるのは寂しいです。

前回の第28回「死の帳面」の見逃した方は、是非こちらをどうぞ。

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今回は、第29回「女たちの挽歌」、感想とあらすじです。

目次

徳川から、しのを人質に出すよう要求される

寿桂尼が亡くなった駿府の様子は、終わりだという気配が立ち込めており、武田が攻め込んでくるのは、もはや避けられないというのが大方の見方でした。

駿府に弔問に行った、小野但馬守政次(高橋一生さん)が、その様子を直虎に伝えます。

そこへ南渓和尚(小林薫さん)が徳川の使者である、常慶(和田正人さん)を連れてきました。

三河では、直虎が出した書状をきっかけに家康が、徳川にも利があると察し、上杉と結ぼうとしました。

しかし同じ頃、織田との縁で、徳川には武田からも話が来ていました。武田は、「北から武田、西から徳川が今川を攻め込むことで、大井川から西を徳川。東を武田で切り取る。」という案を出し、徳川の家臣である酒井忠次(みのすけさん)が、話を受けていたのです。

酒井は、「今上杉と結べば、織田にも逆らうことになる。」と、家康を止めて、上杉と結ぶことを断念せざるをえない状況となっていました。

「おそらく今年のうちに戦になり、遠江には徳川が攻めて来る事になるだろう。書状の内容は今川に味方する立場のものだったが、井伊は今川方として戦うつもりか、確かめに参りました。」と常慶は、今川と徳川、井伊はどちらに味方するのかと、直虎に迫ります。

大きく息を吸って直虎は、徳川に味方したいという意思を伝えます。

すると常慶は、「人質として、虎松様の母君を頂きとうございます。」と、思ってもみなかったことを条件に出してきました。

驚いた直虎は理由を尋ねます。南渓和尚も、「今川の手前、三河に人質を出すわけにもいかない。」と言います。

しかし、常慶は「私の実家の松下は引間にございますし、そこへ嫁ぐという形ならば、まず、目に留まることはないかと。」となおも続けます。

「虎松には父がいない。その上、母まで奪えというのか。」と直虎も引きません。

しかし「考えておいてください。」と常慶は直虎の言葉を遮り、一方的に言い渡し、去っていきました。

徳川からしてみれば、もめさせられたし、井伊の言い分を簡単に聞くわけにもいかないのでしょう。けれど、これ以上人がいなくなったら井伊はどうなるのでしょうか?

常慶が帰った後、政次は「勇み足になってしまいましたな。」と直虎に言います。自分が送った書状が、こんな事態を引き起こすとは。と直虎は落ち込みます。その様子に政次は、「しの(貫地谷しほりさん)には自分から話そうか。」と気を遣います。

しかし、「自分で言う。」と直虎は断り、「せめて、罵りぐらいは受けないと。」と言うのでした。

「直親(三浦春馬さん)は、草葉の陰で怒っておろうの。」と、しのだけではなく、直親にまで申し訳ないと思う直虎でした。

虎松、策を考える

松下に嫁ぐ話を、しのに話した直虎は、「殿が大それた事をおやりになったせいで、私を人質にという話になってしまったという事にございますか。

何故、かような小さな国衆が、戦の勝敗を動かせるなどと思うのですか!思い上がりにも、程がございましょう!気賀が手に入り、図に乗られたのではございませんか。

挙句の果て人質を求められるなど、失策にも程がありましょう!」

と、予想通り激しく罵倒されます。直虎は下げた頭を上げることが出来ません。

ひとしきり罵倒すると、しのは立ち上がり、仕方がないと意外にもあっさりと受け入れて、「虎松にはどう伝えたらいいですか。」直虎に尋ね、「和尚様から頂いた縁とでも言うていただければ。」と言う直虎に、「心得ました。」とだけ言って去っていきました。

しのは、直親の笛を見つめながら、「虎松を頼むぞ。」という直親の言葉を思い出します。そして虎松に、嫁ぐことを話しました。

直虎は、しのが、あっさりと話を受け入れてくれたと、南渓和尚に話していました。

そこへ虎松が駆け込んできて、「母が嫁ぐのを嫌がっているので、取り消してください。」と直虎と和尚に言いに来ます。

「すまぬが、母上に行ってもらうしか手がない。」と直虎が言います。しかし虎松は、南渓和尚に「答えは一つではないのですよね?」と聞きます。そうだと南渓が答えます。

「殿!考えつかぬだけの阿呆なのではございませぬか?」と虎松は、直虎に向かって言います。直虎がかつて親に言った言葉を、今度は虎松に言われたのでした。

直虎は言い返せません。南渓和尚は「因果、因果!」と言って笑います。

これには笑えました!同じ言葉ですけど、おとわの方がもっと憎らしかったですよね!

なんせ罰として、部屋に閉じ込められたくらいですから。

直虎は、母の婚姻の意味を虎松に丁寧に教えます。武家の婚姻は人質という側面も持つことも教えます。虎松は、「母でないとだめなのか。」と直虎に問うと、「母と同じぐらい大事な方なら良い。」と直虎が答えます。

虎松は、直虎の母、祐椿尼(財前直見さん)や姉の高瀬(高橋ひかるさん)の名を上げるも、祐椿尼は出家しているし、高瀬では年が釣り合わない。

「殿も女子ですよね!」としまいには直虎にまで話が及びますが、直虎が嫁げば、殿がいなくなります。虎松は考え続けるのでした。

策が尽きた虎松は、新野の長女、あやめ(光浦靖子さん)に、松下に顔が知られていないのだから、母として嫁いでもらおうと考えつき、直虎に言います。

しかし直虎は嘘がバレたら、「自分もあやめも叩き切られることになる。井伊の為にもならない。その策は請け負えぬ。」と却下しました。

とんでもない策なのに、ちゃんと虎松を子ども扱いせずに一人の男として、向き合って答える直虎に、感心しました。

しのの思いと母子の別れ

しのが嫁ぐのを嫌がっている、という虎松の言葉を、信じていた直虎は、改めてしのに詫びに行きます。

しかし、しのは、「虎松は、いずれ当主となる身。近しい者を人質に出さねばならぬという事を考える良い機会と考えまして、あえて、行きたくないと言うてみせたのです。

私は嫁ぎますし、虎松にもきちんと言い含めますので、ご案じなさらず。」と言います。

そしてしのは、自身が嫁ぐことを、「井伊の為になる何かで、上手く取り引きに使ってください。」と直虎に頼みます。そして、そのことをいつか虎松に話して欲しい。と言うのでした。

涙ながらに話すしのに、直虎は心から感謝しました。

しのは母となって、一段と強くなったと思います。不当な扱いを受け、周囲に当たり散らしていたのが嘘のようです。とても素敵な女性になりました。

しのは、「母を助けられないかもしれない。」と言う虎松に、ゆっくりと話し始めます。

「母は、行きたくなってしまったのですが、行っても良いですか?父上がそう望まれているからです。父上はある家と仲良くしようとして殺されました。

母が嫁ぐのは、そのお家と再び仲良くするためです。父上の志を母が継ぐことが出来る。

大層やりがいのあることです。ゆえに行かせてくれませんか?」

しかし虎松は、「母上は、虎松と離れたくないはずじゃ。虎松が一番お好きなはずじゃ。」と泣きじゃくって聞こうとしません。

しのは、虎松を抱きしめて、「その通りじゃ。虎松は母の宝です。だからこそ、大事にしたいのです。母は、虎松に力強い味方を作ってやりたいのです。

母が嫁げば、そこは、井伊の味方となるし、子が出来れば、そなたの兄弟が増えます。

虎松に、たくさん味方を作ってやりたいのです。ゆえに、笑って送り出してはくれませぬか?」としっかりと向き合って話します。

虎松は涙を拭いて、「母上が行かれる日まで、毎晩一緒に寝てください。」とお願いすると、また泣き出すのでした。

しのは、南渓和尚に頼んでいた木を、龍潭寺の庭に植えます。そして、虎松には直親の笛を渡し、「吹いてみますか?音を出すのがまず難儀だそうですよ。」と言います。

虎松には全く音が出せません。その様子を笑って見つめるのでした。

政次は、しのの、「嫁ぐことを上手く取り引きに使って欲しい。」という思いを直虎から聞き、「やりましょう!井伊はこんなに出来たお方様を失う事になるのです。」と言いました。

いつの間にか、しのは、井伊にとって本当に大事な人になっていました。

徳川の使者の常慶が、答えを聞きに再びやって来ました。「しのは嫁がせるが、一つ聞いて欲しいことがある。」と言う直虎に、渋る常慶。「ならば、井伊は武田と結ぶのが良いか!」と直虎は脅します。

聞く態勢になった常慶に直虎は、「徳川が攻め入ったら、我らは城を明け渡し、決して逆らわない。されど兵も出さない。」と言います。徳川に加勢しないという事です。常慶は「そうすると、新たな地を安堵できない。」と言います。

直虎は、「井伊と気賀、それ以上の安堵は望まない。望むのは民百姓、一人たりとも殺さぬ事。」と取引内容をしっかりと伝えます。

常慶は、「承知いたしました。徳川様にはそのようにお伝えします。」と言い帰りました。

直虎は、奥山六左衛門(田中美央さん)と中野直之(矢本悠馬さん)に、徳川と結ぶことと、その証として、しのが嫁ぐことを伝えます。

そして、しのの兄である、六左衛門には時々、虎松のお守を頼み、直之には表向きには今川に従っているように見せる為、戦備えをするよう指示します。

二人は驚きながらも承知しました。

引間へ嫁ぐしのに、虎松は屋敷から、精一杯笛を吹いて送り出しました。しのは、直親の笛とダブり、涙を流すのでした。切なく美しい別れでした。

龍潭寺の庭に、しのが植えた梛(なぎ)の木は、災いを避ける木とも、良縁を結ぶ木とも、愛しい者の無事を祈る木とも言われています。母が旅立ってから知った虎松は、切なくその木を見つめるのでした。

梛の木はご神木として現在、龍潭寺に植わっているそうです。

武田と今川が戦に

今川が上杉と結んでいることを聞きつけた武田は、今川に、遠江を武田に渡せば忘れてやる。と言ってきました。

武田の使者の山県昌景(山本龍二さん)に、今川の重臣、朝比奈泰勝(ヨシダ朝さん)が武田に調略された、今川の家臣の首を持ってきて、山県に投げつけます。そして、「和睦を先に破ったのはどちらだ!主に問われよ!」と叫びます。

これをもって今川と武田の決裂は表沙汰となり、氏真も「もはや戦しかあるまい。」と覚悟を決めます。

そして家臣たちに国衆たちに戦備えをするよう指示し、「内通が疑われるものはためらわず切れ!」と大声で叫ぶのでした。

井伊に危機が迫る

関口氏経(矢島健一さん)に、氏真は寿桂尼が言い残した井伊の件を進めるよう指示しました。

寿桂尼が最後に仕掛けた罠が動き始めました。

一体、どんなことを指示したのか?

答えは、次回に持ち越しです!

今回は、しのがよかったですね!

本当に虎松を愛していて、嫁がされるといった受動的なものではなく、ちゃんと家を結びつけるという使命感をしっかりと持っての旅立ちでした。

やはり母は、強いのですね!前からじわじわと来ていましたが、今回のしのが一番好きです!

さて、次回の予告では、瀬戸村の民たちが必死に徳政令は要らないと訴えていました。

今川は、徳政令を再び持ち出して井伊を揺さぶってきます。

今度はどう対処するのでしょうか?

次回、第30回「潰されざる者」です。

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