アニサキスという、寄生虫による食中毒があるのをご存知でしょうか?
年々、アニサキスによる食中毒が増加しています。
最近では、テレビでも多く取り上げられています。
ということで、今回は、アニサキスについてまとめてみました。
アニサキスとは
アニサキスとは寄生虫の一種で、長さ2cm~3cmの白い糸状で、肉眼で確認することができます。
アニサキスは、サバ、アジ、イワシ、イカ、サンマ、カツオなどの魚介類の内臓に寄生しています。
特に、サバに寄生していることが多いため、注意が必要です。
調査を行ったところ、2006年には6件だったアニサキスによる食中毒が、2016年には124件で、ここ10年の間で20倍にも患者数が増えています。
アニサキスが寄生している魚介類を生で食べると、アニサキスが体内に入り込み、胃壁や腸壁に突き刺さることで、食中毒の症状を引き起こします。
これを、アニサキス症といいます。
アニサキスの感染場所によって、胃アニサキス症と腸アニサキス症があり、症状や治療方法が異なります。
では、アニサキス症に感染した場合、それぞれどのような症状があらわれるのでしょうか?
アニサキスの症状
アニサキスが体内に入り込むと、急性胃腸炎を引き起こします。
胃アニサキス症と腸アニサキス症では、症状が異なります。
胃アニサキス症
症状が、2時間~8時間後にあらわれます。
- 激しい腹痛(上腹部)
- 嘔吐
- 吐き気
- アナフィラキシーショック
などの症状を引き起こします。
中には、アニサキスによるアレルギー反応を起こし、「じんましん」のような発疹やかゆみがあらわれる場合もあります。
腸アニサキス症
症状が、10時間〜数日後にあらわれます。
- 激しい腹痛(おへそ辺り)
- 激しい胃痛
- 嘔吐
- 吐き気
などの症状を引き起こします。
ひどい場合には、
- 腸閉塞(腸が詰まる)
- 腸穿孔(腸に穴が開く)
などの重大な病気を引き起こす可能性があります。
一般の食中毒と違い、下痢の症状が起こらないこと、激しい腹痛を引き起こすことがアニサキス症の特徴です。
アニサキスの予防対策
アニサキスは、酢漬け、わさび、塩漬けなどしても死滅しません。
基本的な予防方法は、冷凍・加熱・よく噛むことで予防することができます。
- 冷凍(-20℃以下、24時間以上)
- 加熱(60℃で1分間程度)
- よく噛む
- 内臓を取り除く
- 目視で確認しアニサキスを取り除く
アニサキスは内臓に寄生しますが、鮮度が落ちてくると筋肉にも侵入します。
お刺身など生で食べる場合は、新鮮なものを選びましょう。
アニサキスの治療法
胃アニサキス症と腸アニサキス症では、治療法が異なります。
現時点では、アニサキスに効果的な治療薬はありません。
胃アニサキス症
内視鏡による虫体摘出を行います。
腸アニサキス症
腸アニサキスの場合は、基本的に対症療法で様子を見ます。
アニサキスは、体内で長期間生き抜くことができないため、自然に死滅するのを待ちます。
腸閉塞や腸穿孔などを引き起こした場合は、緊急に外科的手術を行う必要があります。
腸アニサキス症の症状の他に、冷や汗やお腹の張りなどの異常があらわれた場合は、すぐに病院へ受診しましょう。
最後に
今回は、アニサキス症についてまとめてみました。
アニサキス症は、大人でもたえることが出来ないほどの腹痛を引き起こします。
子どもに食べさせる場合はしっかりと食事の際、噛むように指導するなど十分に注意してください。
また、日頃からしっかり噛む癖を身につけさせましょう。