今年も、ついに注意報レベルに達したインフルエンザ。
例年11月から12月頃に流行し始め、1月頃にピークを迎えます。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することにより起こる病気です。
普通の風邪よりも急激に発症し、症状が重いのが特徴です。
では、インフルエンザの特徴を詳しく見ていきましょう。
インフルエンザの特徴は?風邪との違い
インフルエンザは普通の風邪とどのように違うのでしょうか?
インフルエンザ |
普通の風邪 |
|
発症時期 |
冬季に流行し発症 | 1年を通して発症 |
原因ウイルス |
インフルエンザウイルス |
ライノウイルス コロナウイルス アデノウイルス 等 |
発熱 |
38℃以上の高熱 | 微熱(稀に高熱) |
発熱以外の症状 |
全身倦怠感 食欲不振 関節痛・筋肉痛・頭痛 等 【全身症状】 |
喉の痛み・咳 鼻水・鼻づまり くしゃみ 等 【呼吸器症状】 |
症状の進行 |
急激 | ゆっくり |
潜伏期間 |
2日前後 | 5~6日 |
合併症 |
インフルエンザ脳炎 肺炎 気管支炎 等 |
少ない |
インフルエンザの種類
インフルエンザにはA型・B型・C型があります。
- 「A型」・・・ウイルスが変化しやすく感染力が高いため、流行性が高い。
- 「B型」・・・A型のようなウイルスの突然変異は起こさないので、流行性は低い。
- 「C型」・・・感染したとしても普通の風邪程度の症状で、たくさんの人が免疫を持っている。
そしてA型はインフルエンザ流行期の前半に流行し、B型はA型が全盛期を終えた後に流行します。そのため、1年に2回インフルエンザに感染することもあるのです。
抗インフルエンザウイルス薬
インフルエンザにかかった場合、発症から48時間以内に治療薬を服用することで、発熱期間を1~2日ほど短く出来、周囲へのウイルスの排泄量を少なくすることが出来ます。
発症48時間以降に服用しても効果はありますが、充分なものではありません。
治療薬には次のようなものがあります。
どの治療薬も用法・用量を守り、飲み切ることが大切です。
タミフル
A型・B型両方のインフルエンザウイルスの増殖を防ぐ効果がある。
1日2回・5日間、カプセル剤・散剤による経口投与。
リレンザ
A型・B型両方のインフルエンザウイルスに効果がある。
吸入薬で、1日2回・5日間吸入。
イナビル
A型・B型両方のインフルエンザウイルスに効果があり、リレンザと同じ吸入薬。
最大の特徴は1回吸入するだけでいいところ。
ラピアクタ
点滴注射薬のため、経口投与・吸入などが困難な患者さんにも投与することが出来る。
1回のみ。
インフルエンザワクチンの効果とワクチンについて
インフルエンザワクチン(予防接種)の効果は、接種後2週間から5ヶ月とされています。
日本で流行するのは12月から3月が多いため、12月までに接種するのが望ましいとされています。
インフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。不活化ワクチンとは化学処理を行い、病原性をなくした細菌やウイルスから作ったワクチンのことをいいます。
インフルエンザウイルスの元になるウイルスを「ワクチン株」といいます。
毎年、WHOが国内外のインフルエンザ情報に基づいた流行を予測し、推奨ワクチン株を発表しています。
日本では、国立感染症研究所をはじめとするインフルエンザの専門家たちが、国内の流行や世界の情報を元にインフルエンザワクチン株を決定しています。
このワクチン株、2015年冬に3価から4価に変更になりました。
インフルエンザにはA型とB型があり、そのA型、B型にもさらに細かい種類があります。従来のワクチンはA型2種、B型1種を含む3価ワクチンでした。
B型ワクチン株は「山形系統」と「ビクトリア系統」という2種類からどちらか片方のみが選ばれていたのですが、近年、世界的にこの2種類の混合系統の流行がみられ、2015年冬から生物学的製剤基準が改正され、4価ワクチンが使用されるようになりました。
3価から4価に変わったことにより、より多くの種類のインフルエンザウイルスの重症化を防ぐことが出来るようになりました。
B型インフルエンザが2種類しかないのに対し、A型インフルエンザはなんと144種類もあるのです。だからA型インフルエンザは大流行し、B型インフルエンザは、感染力は強いのですが大きく広がることは少ないのです。
インフルエンザ、感染から発症
インフルエンザは、感染から発症までの潜伏期間は2日前後と言われていますが、場合によっては1週間ほど潜伏します。
体内に侵入したウイルスは、気道や肺に付着して20分ほどで細胞内に到達します。その後、物凄いスピードで増殖し、侵入した1個のウイルスが8時間後には100個、16時間後には10000個、24時間後には100万個にまで増殖します。
感染力は、発熱してから3日目にピークを迎えます。熱が下がっても油断は禁物です。臨床研究によると、発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)経過するまでは、ウイルス拡散の恐れがある、としています。
予防方法
予防したからといって、完全に防げるわけではありませんが、効果的なものもあるようです。
簡単に出来るものもあるので、実践する価値はあるかもしれません。
- 「手洗い、うがい」・・・王道中の王道です。うがいの前に口をゆすぐこともお忘れなく。
- 「マスクの着用」・・・ウイルスをブロック
- 「手袋をする」・・・手から侵入するウイルス対策
- 「栄養バランスの良い食事と充分な休息」・・・野菜・みかん・乳製品等
- 「室温28℃・湿度60%前後」・・・換気にも気を付ける。
等々
最後に
なにより元気でいれば、感染するリスクも減るというものです。免疫力を高め、体の中からインフルエンザを予防しましょう。
そして予防接種、インフルエンザの予防接種は交感神経が高まる午前中にワクチンを接種することで、高い効果が得られるとの情報もあります。同じ打つなら高い効果が得られる方がいいですよね?
今後ますます猛威をふるいそうな、インフルエンザ。体の中からも外からも防いで、元気に春を待ちたいものです。