昆虫採集と聞くと、夏をイメージする人が多いかも知れません。
ですが、秋にもたくさんの昆虫が活動しています。
秋の虫と言えば、コオロギやウマオイ、キリギリスなど、綺麗な音色で鳴く虫を思い浮かべますよね。
コオロギは見つけやすく飼育も簡単なので、子どもの頃に飼った人も多いことでしょう。
今回は、そんな秋に鳴く虫を飼ってみたい人のために、種類や捕まえ方、飼育方法についてまとめてみました。
秋に鳴く虫の種類と特徴
夏が終わりに近づくと、草むらから秋の虫たちの合唱が聴こえてきます。
一斉に鳴くので分かりにくいかも知れませんが、よく耳を澄ませると色々な音色が混ざっていることに気付くと思います。
種類によって音色が違っているので、鳴き声を覚えておくとどんな虫がいるのか判断することが出来ますよ。
それでは、秋に鳴く虫の代表的な種類と鳴き声を紹介していきますね。
コオロギ
秋の虫の代表格!
エンマコオロギやツヅレサセコオロギ、オカメコオロギなど、日本には31種類ものコオロギが存在すると言われています。
コオロギの鳴き声と言えば、「コロコロリー」が有名ですよね。
でも種類によって、「リーリーリー」だったり「リッリッリッ」だったり、違いがあるんです。
体や頭の形、大きさにも違いがあるんですよ。
見た目の分かりやすい特徴としては、茶色で足の付け根が太いということです。
ゴキブリと似ているという人も居ますが、分類上は別の生き物です。
公園や庭など身近な場所に生息しているので、見つけるのは簡単だと思います。
スズムシ
純白の長い触覚が美しく、大きく羽を広げて鳴く姿が可愛らしいスズムシ。
まるで鈴のような、リーンリーンやリンリンリンという鳴き方をします。
ちなみに、リーンリーンと伸ばして鳴くのは、オスがメスにプロポーズをする時です。
飼育されている状況では、常にリーンリーンという鳴き声が聴こえることでしょう。
リンリンリンという鳴き方は、メスに居場所を知らせるためのものです。
そのため自然の中では、リンリンリンという鳴き声がよく聴かれます。
河川敷や草原を好みます。
キリギリス
「ギース、チョン」という感じの、なんとも特徴的な鳴き声を出すのがキリギリスです。
日本に生息しているキリギリスは、西と東で種類が違うそうです。
これが分かったのは比較的最近のことで、図鑑でもニシキリギリス、ヒガシキリギリスと分けて紹介されるようになりました。
河川敷や草むらを好んで生息しています。
ウマオイ
横から見ると幅広で、とても存在感のあるウマオイ。
明るい黄緑色が印象的で、私の好きな虫の一つです。
鳴き声は「スイッチョン」と表現されていて、とても特徴的です。
生息する場所によって2種類に分けられており、ハヤシノウマオイとハタケノウマオイが存在しています。
見た目は殆ど同じです。
アオマツムシ
大きな鳴き声が自慢のアオマツムシ。
リーリーリーと、木の上で鳴いている虫です。
街路樹があれば、都会でも鳴き声を聴くことが出来ますよ。
虫を見つけやすい時期や時間帯って、いつ?
効率良く虫を探すには、適した時期や時間帯を知っておく必要があります。
孵化をするのが5月くらいだとしても、翅が発達して鳴くようになるのはもっと先です。
例え成長したとしても、暑さが酷い時には鳴きません。
お盆を過ぎて暑さが和らいでくる辺りから、鳴き声がするようになってきます。
鳴く時間帯は、夕方から夜です。
鳴いている期間は、大体2カ月間くらいです。
虫たちは翅をこすり合わせて音を出しているので、だんだん擦れてボロボロになってしまいます。
そのほかにも、齧られて音を出せなくなったり、体力が無くなっていったりして、だんだん元気が無くなっていきます。
ですから捕まえるとしたら、鳴き声がし始めた時期がおすすめです。
上手くいけば産卵をして、翌年も飼育を楽しむことが出来ますよ。
虫を捕まえる時のポイント
虫を捕まえるにも、コツが必要です。
今回は、身近な場所で見つけやすいコオロギについて、説明していきます。
いつ探すか
コオロギの鳴き声を覚えて、草むらのある場所に出掛けましょう。
庭や公園など、身近な場所に居るので探しやすいでしょう。
鳴く時間帯は夕方以降なので、薄暗くなってから鳴き声を頼りに探します。
夜間は危険な場所もあるので、無理をしないようにしましょう。
夕方でも見つけることは出来ますよ。
鳴き声がする草むらに近づく時は、出来るだけ音を立てないようにゆっくり歩きます。
地面や石の近くを、よく見て探してみましょう。
捕まえる道具
虫取り網を用意しましょう。
小回りが利く、小さめの網がおすすめです。
私は100均の、柄が伸縮する小さい網がお気に入りです。
家の中に侵入した虫を逃がす時にも、使っています。
手で捕まえることも出来ると思いますが、触覚や足が繊細な生き物なので、捕まえる時に折れてしまったりします。
虫のことを考えると、網で捕まえてあげるのが良いかと思います。
網で捕まえたら、そのままカゴに移しましょう。
捕まえる数
捕まえる数も考えておきましょう。
ケースが過密状態になると、共食いをしてしまうからです。
また、鳴き声がうるさくて眠れないのも困ります。
飼育のポイント
コオロギの飼育方法について、紹介していきます。
飼育ケースのレイアウト
ホームセンターやペットショップで、好みのサイズのプラケースを選びましょう。
たくさん繁殖させるのなら、衣装ケースでも良いでしょう。
ケースを用意したら、赤玉土(小粒)を5cmくらい敷きます。
コオロギの隠れ家として、板や石などを入れてあげましょう。
エサ
タンパク質と野菜を与えます。
タンパク質としては、ニボシやドッグフード、熱帯魚や金魚のエサなど。
野菜はキュウリ、ナス、カボチャなど。
雑食なので、比較的何でも食べてくれます。
直接土につくとカビが生えるので、爪楊枝を使うと良いでしょう。
飼育する場所
飼育ケースを置く場所は、日陰で涼しい場所が適しています。
土を湿らせておくと、産卵して翌年に孵化するかも知れません。
最後に
秋に鳴く虫について、代表的な種類や特徴、探し方や飼育のポイントについてまとめました。
虫の鳴き声を楽しむのは日本特有の文化とも言われ、万葉集にも登場するくらい古くから親しまれてきました。
探し方や飼育方法については、秋の虫の代表とも言えるコオロギを例に挙げて説明しました。
コオロギはとても身近な生き物なので、庭や公園で簡単に見つかることも多いです。
上手に育てれば、繁殖してどんどん増えていきますよ。
捕まえる時には、虫の体を傷つけないように網を使うようにしましょう。
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