夏といえば「うなぎ」、「うなぎ」といえば夏。
連想ゲームのように、夏になれば食べたくなる「うなぎ」。
今回のお題は、この夏といえば「うなぎ」の秘密に迫ってみたいと思います。
そもそも、うなぎとは?
まずは、うなぎとは、Wikipediaによると、
ウナギ(鰻、うなぎ)とは、ウナギ科(Anguillidae) ウナギ属(Anguilla) に属する魚類の総称である。
とのことです。
ウナギ科の魚類は、世界の熱帯から温帯域に掛けて広く分布しています。ウナギ属に含まれるほぼ全ての種類が降河性(こうかせい)の回遊魚であり、海で生まれた後に淡水域に遡上し、成長後に再び海に戻り産卵するという生活史を持っています。
日本には「ニホンウナギ」、「オオウナギ」、「ニューギニアウナギ」の3種が生息します。
その内、ニホンウナギは、朝鮮半島、中国大陸、フィリピンなどの東南アジアに分布し、近年の調査ではマリアナ海溝で産卵していることが明らかになりました。
専門家の間では、産卵場所を突き止めたことで、今まで知られていなかったうなぎの生態系へ迫ろうとしています。
夏といえば、土用の丑のうなぎ
夏の「土用(どよう)」は、1年中で一番暑さが厳しい時期に当たるため、江戸時代にはこの期間の「丑(うし)の日」を重視し、柿の葉など薬草入りの風呂(丑湯)に入ったり、お灸(土用灸)をすえたりして、夏バテや病気快癒などに努めました。
江戸の庶民の間では、7月の「土用の丑の日」にうなぎを食べると夏バテしないと信じられていたようです。
しかし、実はこの話はかなり「まゆつば」的な話らしいのです。
真偽の程は判りませんが、一説によるとこの風習は、学者で発明家でもあった、あの有名な「平賀源内」の発案だったといわれています。
平賀源内の知り合いのうなぎ屋さんが、「夏はうなぎが売れない」と困っていたのを見て、店の前に「土用の丑の日、うなぎの日」という張り紙をしたところ、これが大当たりして「うなぎを食べる風習」になったということです。
江戸では、元々土用の丑の日に「う」のつくものを食べると病気にならない、という言い伝えがあったことが奏功したのかも知れません。「う」のつくものには、「梅干」、「瓜」、「うどん」など食が細くなる夏に食べ易いのもですが、うなぎが美味しいので現代まで風習が残ったのということでしょうか?
うなぎの栄養と効能
栄養学的な見地からすると、うなぎには一体どのような栄養価があるのでしょう?また、どのような効能があるのでしょう?
タンパク質、ビタミン、ミネラルなど
特徴的には、タンパク質が豊富だということです。
ビタミンAでは、100gの蒲焼きで2日分の摂取量が補えます。それ以外に、ビタミンB1、B2、D、Eが含まれており、更に、カルシウム、鉄などのミネラルといった、身体に必要な栄養分が大変豊富に含まれた、極めて優秀な食品であります。
不飽和脂肪酸
以前は、脂肪が多過ぎると敬遠される向きもありましたが、最近の研究により不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を多く含むことが判明し、意外と身体に優しい食材だと見直され、これまでの不評が嘘のようです。
効能
必ずしも医学的な検証が行われている訳ではありませんが、含まれている栄養分からすると、次のような効能が考えられます。
- 夏バテ防止
- がん予防
- ボケ防止
- 動脈硬化予防
- 眼精疲労緩和
- 風邪予防
- 美肌効果
- 骨粗鬆症予防
- 滋養強壮
うなぎの価格高騰の背景
絶滅危惧種の指定
今から40年ほど前までは、近くの川や田んぼにうなぎがいました。ところが、水質汚染や河川の整備などでうなぎが棲息する環境が破壊されてしまいした。
今では、日本全国に流通するうなぎの内、天然うなぎの占める割合は「0.3%」になってしまいました。その上、シラスウナギ(うなぎの稚魚)が激減してしまい、稚魚からの養殖が困難な状況です。
そのため、現在では天然うなぎが「絶滅危惧種」に指定され、親うなぎも禁漁期間が設定されています。
価格の上昇
うなぎが安定的に手に入り難くなったことで、うなぎの価格がまさしくに「鰻登り」に上昇しているのです。
天然うなぎの場合、2016年の市場価格の予測では「12,000円/kg」と庶民の手に届かない高級ブランド品並みになっています。この蒲焼きをスーパーで買ったら2,000円/100gくらいとなり、これを専門店で買ったとしたら後3割くらいアップするかも知れません。
庶民の口に入るのは、辛い話ですが外国からの輸入品で賄わなければなりません。
最後に
人間とは不思議なもので、うなぎが無くなると聞けば「余計に食べたくなる」のが人情です。
ただ、値段を聞くと「うな重」一人前のため清水の舞台から飛び降りるくらいの度胸をすえないといけないようですね。
コメント