なすと言えば、夏野菜。
しかし、様々な種類と栽培方法があり、一年中野菜売り場にならんでいますよね。
色んな料理に使える万能野菜ですが、調理方法は焼く、煮る、揚げる・・・いつも同じような使い方しかできない。なす嫌いな子供にも、食べてもらいたい。そう思っている方は、少なくないはずです。
なすについて知れば、きっと解決方法が見つかりますよ!
なすの水分量は90%以上!栄養はあるの?
なすに含まれる水分の割合は、約93%と言われています。
ほとんどが水分で、栄養があまりなさそうなイメージを持っていませんか?
しかしなすには、ビタミンB群・ビタミンC・コリン・カリウム・鉄・カルシウム・食物繊維などなど、含有量こそ多くないものの、幅広く栄養が含まれています。
これらの栄養素が、私たちの体にもたらす効果も色々あります。
紫色の皮の正体は?
なすの特徴でもある、濃い紫色の皮。あの紫色の正体は「なすニン」というポリフェノールの一種です。
ポリフェノールは赤ワインなどにも含まれていて、よく耳にすることがあると思います。
このポリフェノールには「抗酸化作用」があり、ガンや老化、悪玉コレステロールの原因である「活性酸素」を抑える役割をします。
簡単に言えば、体が酸化して錆びて衰えたり、悪くなったりするのを抑える効果があるということですね。
アンチエイジング(老化予防)や目の疲れ、生活習慣病の予防に大きな効果があるとされ、認知症の予防にも効果があるのではないかと注目されています。
アクを抜くために水にさらしますが、この時間が長いと栄養成分が減ってしまうので気を付けましょう。
ほかにも嬉しい効果が!
なすニン以外に含まれているカリウムやコリンには、体を冷やす作用があります。
特にカリウムには利尿作用があり、体の熱を水分と一緒に排出してくれます。これにより夏バテ対策に効果があると言われています。
また、カリウムには血液循環をサポートする働きもあります。そして食物繊維が特別多いという訳ではありませんが、水分量が多いので、これらによって便秘やむくみの改善にも効果があるとされています。
「秋なすは嫁に食わすな」
こんな言葉を聞いたことはありませんか?
私は「秋なすは美味しいから嫁に食わすのは勿体ない」という意味だと思っていましたが、「嫁の体を冷やさないように」という意味の説もあるようです。
なすはどれも同じ?
一言でなすと言っても、形や大きさが違うものがたくさんありますよね。
それらには見た目の違い以外にも、それぞれの特徴があります。
これを知っておけば、料理によって使い分けてなす料理のレパートリーも広がること間違いなしです!
中長なす
一般的になすというと、長さが13から15cmくらいの長卵形のものではないでしょうか?
「千両なす」とも言われ、代表的な品種で「千両2号」というものがあります。
これは皮も果肉も程よい柔らかさで、煮ても焼いても美味しく頂ける万能な種類です。
長なす
長さが20cm以上の細長いなすを長なすと言います。40cm以上になると大長なすと言います。
首とよばれる種が無い部分が長く、皮は固めですが肉質は柔らかく、煮物や揚浸し、焼きなすにピッタリです。
丸なす
大きさや形はソフトボール程で、果肉は固く締まってずっしりしています。
漬物などの生食には向いておらず、加熱調理に適しています。加熱してもあまり形が崩れることはありません。縦に切ると繊維が残るので、輪切りにしての調理がオススメです。
丸なすに似た「米なす」というものもありますが、これはアメリカの品種を日本で改良したものです。
丸なすはヘタが紫色、米なすは緑色なので、ヘタで見分けましょう。
水なす
小ぶりの卵形で、水分が多く、皮も果肉も柔らかいので漬物にオススメです。
大阪の泉州地方のものが有名で、絞ると水分が滴る程みずみずしく、アクが少なくほのかに甘みもあります。
美味しいなすの見分け方
新鮮で美味しいなすの特徴は、重みがあり、皮に張りとツヤがあるもの。
ヘタは切り口がみずみずしく、トゲがピンと尖っているものです。中にはトゲがない品種もあります。
袋に入った状態だと見にくいかもしれませんが、ぜひ参考にしてみてくださいね。
生より冷凍保存でもっと便利に
通常の室内では、3日程で傷みだします。
暖かい時期のものなので、冷蔵庫に入れると低温障害で固くなり早く傷みます。
しかし室内が暑すぎる場合は、新聞紙に包んだものをポリ袋に入れて、野菜室で保管しましょう。
これでもやはり、早く食べないと傷んでしまいます。
これより長く保存しようという場合は、下ごしらえをして冷凍しておくと便利です。
切って少し水にさらして水気をとり、焼いたり素揚げしたりしたものを冷凍しておけば、後でそのまま料理に使えます。
焼きなすにして、一本ずつラップで包んで保存袋に入れて冷凍しておくのも便利です。
食べ合わせによる相乗効果
- 美肌作り・ガン予防 ・・・ ニンジン、ホウレンソウ、カボチャ、ピーマン
- スタミナ増強 ・・・ おから、厚揚げ、油揚げ
- 肥満・糖尿病予防 ・・・ きのこ類、トマト
- コレステロール低下 ・・・ オクラ、エノキ茸、フキ
- 高血圧・動脈硬化予防・・・ コンニャク、キクラゲ、ゴボウ
上記の食材となすの食べ合わせで、様々な効果が期待できるようです。
なすが嫌いな人には
嫌いな野菜の、上位に挙がるなす。
独特のエグ味、食感、皮が口に残る、などといった理由が多いようです。
まずエグ味ですが、これはアクが原因です。この時、栄養は後回しでしっかりと水にさらしましょう。
次に食感ですが、焼いた食感が嫌なら揚げてみるとして、調理方法で変わる食感を試してみましょう。
そして、皮が残るのが嫌な場合は、縞状に皮をむいたり、全部むいてしまったり、工夫してみましょう。
このように原因は調理方法で改善できます!なすが嫌いな人でも食べられるなす料理を作ってみましょう。
そぼろなす
普段作る肉そぼろに、賽の目に切ったなすも入れてみる。
鶏肉はあっさりしているので、豚が多めのひき肉から始めてみるといいかもしれません。
同じ要領で、ミートソースに入れても美味しいです。
なすピザ
1cm程の輪切りにしたなすに、ケッチャップを塗ってチーズを乗せ、180度のオーブンで10分焼きます。
マヨネーズにしたり、ベーコンを乗せたり、お好きなもので。
子供と一緒に作ると、なすが嫌いでも意外と食べてくれますよ!
なすの生姜焼き
中長なすを、縦に4か5等分して水にさらして、普段の生姜焼きの肉の代わりになすを使ってみましょう。
見た目はなすそのものですが、油と調理したなすは甘みや旨味が増します。
一口食べると、なすが大好きになってくれるかもしれませんよ。
最後に
私は普段料理になすを使う際、栄養補給よりもカサ増しが目的で何となく使っていました。
でも、なすにもしっかり栄養効果はあるのですね。
なすが嫌いだからといって、無理に努力して食べる必要はないのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、食べても損はなく、むしろ体のためにも摂取したい食材です。
それぞれのなすの特徴を知ると、スーパーなどにならぶなすを見て「このなすはあの料理に使ってみよう」と、また一つ考える楽しみが増えるのではないでしょうか?
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