食材をスモークチップで燻(いぶ)して作る「燻製」。
燻すことで、食材が独特の香りと深い味わいをまとい、いつもの身近な食材がたちまち特別な料理へと変身します。
燻製された食材は、お酒のおつまみにもピッタリですし、子供たちにも大人気です!
アウトドアではお馴染みの燻製づくりですが、最近では自宅で手軽に楽しめる燻製づくりがじわじわとブームになっていることをご存知でしたか?
燻製づくりは手間と時間がかかるイメージがありますが、なんと段ボールを使ってお手軽に、お財布にも優しくできてしまうんです!
今回は燻製の人気食材を使った段ボールで作る燻製づくりを紹介します。
燻製づくりの3つの方法
燻製の方法は3つあります。料理する環境や道具、どんな仕上がりにしたいかによって選択できます。
熱燻(ねつくん)
80度以上の高温で、10分~60分ほど燻す方法です。温度管理が容易なので、初心者向けです。
食材が過熱調理されるため、手軽にできます。乾燥時間が短いため保存には向きませんが、アウトドアで燻製したいときにはおすすめです。
チーズや卵、スモークチキンなどがおすすめです。
温燻(おんくん)
30度~80度の温度で、1時間~5時間燻す方法です。一般的に「燻製」という場合はこの温燻を指すことが多いです。
外気温の影響もほとんどなく、比較的短時間でできるため、使える食材が幅広いです。
ソーセージ、ベーコン、スモークチーズなどがおすすめです。
冷燻(れいくん)
20度以下で長時間燻す方法です。完成した燻製の水分量が全体の40%程度になるので、長時間の保存が可能です。
きちんとした下ごしらえと温度管理が必要なので、上級者向けです。
代表的な食材としては、スモークサーモンです。
初心者には温度管理が難しいため、まずは加熱、加工済そのまま食べられる食材を使いましょう。そうすれば失敗することはありません。最初は燻製の深い香りを楽しみ、慣れてきたらお好みの食材や仕上がりにチャレンジしてみましょう。
作ってみよう!自家製段ボール燻製器で燻製料理
段ボールに穴を開け、金網を通す。
お庭やベランダでアルミホイルの上にスモークウッドを乗せ着火します。
小窓から食材をそっと乗せたらさあ開始!あとはのんびり出来上がるのを待つだけです。
必要なもの
段ボール箱
80サイズ~100サイズが使いやすいですが、ご自宅にあるもので構いません。
金網
100円ショップで売られているもので十分です。
スモークウッド
手に入りやすいサクラがおすすめです。アウトドアショップやホームセンターで購入できます。
アルミホイル
スモークウッドの下に敷くため。
ガムテープ、カッターナイフ
段ボールを扱いやすい大きさに変えたり、金網を支えるための切り込みを入れるために使用します。
食材(プロセスチーズ6P、うずら卵、ゆで卵、ソーセージ)
お好みの食材を用意しましょう。
手順
- 段ボールの端をガムテープでとめる。
- カッターで段ボールの底から約20センチの部分に金網を通すための切れ込みを入れる。
切れ込みの上にコの字型の切れ込みを入れ食材を入れるための小窓を作る。
※金網が段ボールの大きさより小さい場合は、菜箸などを使い金網を支えます。段ボールの側面に2か所ずつ穴を開け、開けたら菜箸を通します。 - 段ボールに金網を通し、準備完了。
※金網が段ボールの大きさより小さい場合は、通した菜箸の上に金網を乗せ準備完了 - アルミホイルで皿を作り、スモークウッドを乗せます。
※スモークウッドを地面に置くと地面を傷めてしまいますので、アルミホイルの上に乗せています。写真では、ウッドデッキの上で作っていますので、更に木材を敷いています。 - 着火したスモークウッドの上に段ボール燻製器を乗せます。
※スモークウッドの着火には時間がかかります。写真では炭を使い着火時間を短縮しています。 - 小窓を開けて食材を金網に乗せます。食材同士が触れ合ったり重なってしまうと煙が回らないので、少し離して並べます。
- 小窓を閉めます。小窓の隙間から煙がたくさん漏れてしまうようなら、ガムテープで仮止めします。段ボールの下の方の隙間から煙が漏れ始めたら燻製開始です。
- 30分程でウッドが燃え尽きますので、一度開けます。ほどよく色づき、香りが立ち上がったら、しばらく冷まして香りを落ち着かせます。
- 香りが落ち着いたら完成です。
おすすめ食材
燻製食材は、チーズから肉、魚介類、ナッツまで幅広い種類を選択できます。
そのまま食べたりカットして他の具材と混ぜたりとアレンジも効きます。特におすすめの食材を紹介します。
子供も大好き!燻製の定番、チーズ
初心者でも簡単にできます。6Pプロセスチーズがおすすめです。
ゆで卵、うずら卵の水煮
先にめんつゆ等で下味をつけておくと風味が増します。
ソーセージ系
鉄板です!温度管理を細かく必要としないため、加熱済のものを使いましょう。
かまぼこ、ちくわ
手軽におつまみになります。
鮭
そのまま食べても、ほぐしておにぎりやお茶漬けにもおすすめです。
美味しく作るためのポイントと安全管理
燻製を美味しく作るポイントは、「食材の表面を乾燥させる」こと。
食材の表面に水分が残っていると、燻した際に煙の苦味成分がついてしまいます。外で風干ししたり、冷蔵庫で一晩乾燥させましょう。冷蔵庫で乾燥させる際は、バットにキッチンペーパーを引いて食材をおき、ラップをかけずにおくか、匂いが気になる場合はキッチンペーパーを上からかぶせておきます。
なお、今回は段ボールを使っての燻製づくりを紹介しましたが、段ボール燻製器は手軽で加工もしやすいですが、とても軽いため風が強いと飛ばされてしまいます。段ボールが飛ばされて周りに燃え移ってしまうことのないよう、必ず重しをしてください。
また子供が燻製器に触ってしまい怪我をしてしまうことのないよう、燻製器から目を離さない等、安全対策を十分にしてから行うようにしましょう。
最後に
自宅で楽しむ燻製づくりは、自分の好みに合わせて食材を選べたり仕上がりを選べるところが良いところです。
下ごしらえの方法を変えたり、チップを変えればまた違った風味になるのも燻製の楽しみの一つです。
思いがけない食材を使ったら自分好みでとても美味しかった!!という新たな発見もあるかもしれません。
ぜひ色々チャレンジして自分好みの燻製料理を見つけてください。