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鯉のぼりの色の意味と童謡「こいのぼり」の歌詞の意味の変遷。

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5月が近づいてくると、男の子がいるご家庭では鯉のぼりを飾るところもあると思います。

何気なく行われていることですが、鯉のぼりの色にそれぞれ意味が込められていることはご存じでしょうか?

また、幼稚園や保育園では「こいのぼり」の歌を習うと思いますが、昔は違う歌詞だったんです。

ここでは、そんな鯉のぼりに関する豆知識をご紹介します。

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目次

鯉のぼりの色の変遷

現代の鯉のぼりは、真鯉・緋鯉・青い鯉の3種類揃っているのが一般的ですね。

真鯉はお父さんを、緋鯉はお母さんを、青い鯉は子どもを示しています。

しかし、江戸時代には真鯉しか飾られていませんでした。明治時代に入ると緋鯉も飾られるようになるのですが、この頃の緋鯉はお母さんではなく、息子を表していました。

何故なら家父長制の時代で、女性の地位がまだ低かったからです。緋鯉がお母さんを示すようになったのは、昭和に入ってからのことです。

鯉のぼりの色に込められた意味

鯉のぼりの色には、陰陽五行説による意味が込められています。

まず真鯛の黒色ですが、これは冬の水を表しています。五行説において、冬は固く閉ざされており、ほとんどの生物が活動を停止する季節と考えられています。そして水は、生物の命の源です。厳しい状況の中でも、そばにあるだけで頼りになる存在なわけです。水のそんな性質が、大黒柱であるお父さんのようだと考えられ、黒色はお父さんを示す色になりました。

次に緋鯉の赤色は、夏の火を表します。夏はさまざまなものが育つ季節ですよね。また、人間は火を使いこなすことによって知恵を身につけ、文明を発展させてきました。つまり赤色は、子どもを産み育て、知恵を使って生活を切り盛りしていくお母さんにぴったりな色なのです。

最後に青色ですが、これは春の木を表しています。春は緑が芽吹き、木がすくすくと育っていく季節です。すなわち木は、子どもがまっすぐに成長していくことを象徴しているのです。

童謡「こいのぼり」の歌詞の意味

冒頭でも言いましたが、現在歌われている「こいのぼり」は、最初に作られたものとは歌詞が違います。昔の「こいのぼり」は、このような歌詞でした。

1番

甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり

2番

開ける広き 其の口に
舟をも呑(の)まん 様(さま)見えて
ゆたかに振(ふる)う 尾鰭(おひれ)には
物に動ぜぬ姿あり

3番

百瀬(ももせ)の滝を 登りなば
忽(たちま)ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と
空に躍るや 鯉のぼり

これを現代っぽく訳すと、以下のようになります。

1番

屋根の波と 雲の波
重なる波のような空の中を
橘の花が香る 朝の風を受けて
高く泳ぐ 鯉のぼり

2番

大きく開いた その口は
舟まで飲み込んでしまいそうに見える
大きく揺れる尾ひれには
物事に動じない 姿が見える

3番

百の滝を 登ったら
たちまち 龍に変わった
そんな私のようになるんだよ 男の子と
空にはためく 鯉のぼりが言っている

最後に

鯉のぼりに関する、豆知識をご紹介しました。

昔の日本では、いかに男らしさが重視されていたかということがわかります。

最近では、鯉のぼりを見かける機会はだいぶ少なくなりました。

少子化も原因の一つだと思いますが、女の子のように可愛い男の子が受け入れられるようになってきたことも、関係しているのかもしれませんね。

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