猫は高い所から落ちても、ちゃんと足から着地出来ます。
背中から落ちてしまった場合でも、自動的に足が下に向くんです。
こんなこと、人間にはとても真似の出来ないですよね。
一体どうして、猫は足から着地することが出来るのでしょうか?
ここでは、その謎を探っていきます。
落下速度を落としている
猫にはなんと、7階の高さから落ちても大丈夫な程の運動神経があるそうです。
とは言え、全ての猫が当てはまるわけでないので、試さないように。
猫が無事に着地出来る理由の一つは、落下速度を落とせるということです。
猫は落下中、手足を広げるポーズを取ります。
これによって落下速度が落ち、着地の衝撃を和らげることが出来るんです。

強靭な筋肉と、柔らかい関節のおかげ
猫の筋肉って、意外と強靭なんです。
そして関節は、とてもしなやかです。
この筋肉と関節の連携によって、着地の衝撃を和らげます。
足裏にある肉球も、クッションとして重要な役目を果たします。
地面までの距離を測定出来る
背中から落ちた猫をスローモーションで見ると、上手く体をひねって、地面に着くまでには足を下に向けています。
これは、三半規管にある「前庭」と呼ばれる部分が、地面までの距離がどれくらいかを判断しているのだそうです。
そしてそれを脳に伝えることで体の向きが自動的に計算され、着地するまでに足を下に向けることが出来るのです。
具体的にどういう動きをしているの?
空中で体をひねった場合、反作用の関係で上半身と下半身は逆にねじれるはずです。
でも猫は、ちゃんと4本の足で着地しますよね。
この謎は多くの科学者を悩ませ、なんと70年も研究してやっと解明されたそうです。
猫が落下中にどのような動きをしているのか、具体的にお話しますね。
最初に、上半身の4分の1と下半身の4分の1を同じ方向に回転させます。
上半身と下半身を押し合わせることで、体に働く力を相殺しているのです。
次に、足を使って体の回転速度の調節をします。
フィギュアスケートで使われるテクニックに、回転中に手を伸ばせばスピードがゆっくりになり、縮めればスピードが速くなるというものがあります。
これを猫は無意識にやっているのです。
落下中に、前足を縮め後ろ足を伸ばすことで、上半身は速く回転し下半身は遅く回転します。
上半身が地面に向いたところで、前足を伸ばして後ろ足を縮めます。
これにより、下半身を素早く引きつけることが出来ます。
この動きを一瞬で行う事が出来る猫の運動能力って、本当に素晴らしいですね。
理屈が分かっても、人間にはとても真似出来ません。
最後に
猫が足から着地出来るのはなぜか、その理由を紹介いたしました。
猫は空中で足を上手に使い、落下速度を落としたり、回転速度の調節をしています。
また、三半規管の優れた働きにより、地面までの距離を測定出来るようです。
大きな衝撃を受け止める事が出来るのは、強い筋肉としなやかな関節があってこそ。
猫が高い所を平気な顔で歩いているのは、万が一落ちても無事に着地出来る能力を持っているからなんですね。
知れば知るほど、猫ってすごいと感じます。
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